1ヶ月程前から店頭に並んでいるみかんは、井場さんから送られてきたものです。評判は上々で、「このみかん、おいしいわね」と井場みかんファン急増中です。甘くて酸っぱくてコクがあり、見た目も線と黄色がうまくまじりあって、大きさもコロッとしてうまそうです。
お客さんの紹介で井場さんが店にやってきたのは2年前の夏。それまで何回か電話でやりとりしている時は、大手電機メーカーのエリート社員として15年程働いていたというだけあって、メリハリのきいた喋り方は好感のもてるものでした。
やってきた井場さんは、身体の隅々まで陽に焼けた、根っからの百姓風貌でした。
4年前に両親のおとろえを目にして、おもいきって会社を辞め、島に帰ったとのこと。「百姓がイヤでイヤで島を出て街に行ったんですけどね」と照れ笑い。「どうせ継ぐんだったら、農薬・化学肥料を使わないみかん作りをしよう」と決め、挑戦。
幸い、温暖少雨で潮風があたり、海の向こうに沈む夕陽のオレンジ色の陽射しと、それが海に反射する2つの太陽がみかんをおいしくする訳ですが、風の極端にない(50cm以上の白波をみることが少ない)高根(こうね)島の位置もあって、みかん作りには最高の条件が揃っているところなので、やりがいがあるということです。
「ただ、今のところ慣行栽培の6割の収穫量で、出荷先も2軒のレストラン、ケーキ屋で、作ったけどJAに出さざるを得ないのが最大の懸案」ということ。
いただいたみかんは、小さいけど香りがあって味が濃い。「ウマイ!井場さん、このみかんはウマイよ。ここ何年の中で一番ウマイゼ」と言うと、とっても嬉しそうだった。
お互いいい出会いでした。
まだ畑がたくさんある訳でもなく、一人でやっているということもあって、時々途断えることもあります。
「おいしい!」と口に出してしまうみかんです。これから出てくる柑橘を楽しみにしてください。
瀬戸内海高根島の井場淳一郎さんの【みかん】
Leave a reply