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畑だより ―過ぎゆく夏の畑で百姓たちは―

店の仕事が終わって8時半、八王子キテレツファームの神田君のところに電話しました。
「丁度出荷作業が終わって、家に帰って飯を食べようとしているところです」
「今日も朝5時位から畑に出たんですよね。それでも間に合わないですよ。真夏とちがって昼もそんなに暑くないんで、つい休憩なしでやっちゃうんですよ」
「風呂に入っている時なんか、自分でもよく働くなあとしみじみ思いますね」
と明るく語る神田君の畑からは、カブ・小松菜・ルッコラ・ワサビ菜・サラダ春菊・ズッキーニ・リーフレタスなどが届きます。
大・小4つの畑をほぼ1人(ときどきお母さん、あひるのお客さん、友人の助っ人あり)で駆け回っている神田君。手が回らず枝豆をはじめいくつもの野菜の収穫適期をのがしてしまうこともあり、1~2の借りている畑を返そうと思っているということでした。
「まだ4年目なので、今は規模拡大じゃなくて、栽培の技を磨いていく時だと思うんですが……。それにしてもマンパワーがなさすぎですね」
そういえば、お客さんから「青山のナチュラルハウスでキテレツ見たわよ」「立川の伊勢丹にあったわよ」という話しをききました。「人伝てに頼まれると断れなくて」と言っています。
妻との約束の「月7万円を家に入れる」は滞っていて、「居心地が悪い」とのことです。どうしたらいいものかねえ?!
続けて電話した神奈川愛川町の北原君のところでは、「介護者がいっぺんに2人も出ちゃって、畑も忙しくなってきてるのにねえ」と、祥ちゃんが電話口に出てきました。
5日前に末っ子の柏君が、「たまにはゆっくりアフタヌーンティーを楽しもうか」と紅茶の準備をしている時、お湯をお腹と脚にかけてしまって病院へ。お腹も脚も見ているのも辛い火傷の状態になってしまい介護要。
3日後、めずらしく昼寝をしていた瞬君(夫)がどうしたことか起きあがれず、激しい腰痛・首痛・肩痛に襲われたのです。原因は思いも至らないのですが、ともかく「痛くて体を動かせない」状態になってしまったのです。
電話口に出てきた瞬君の声はとても元気でした。「針に行って少し良くなったようで、たまりにたまった経理をやってる」とのこと。
そんな北原夫妻からは、小松菜・ルッコラ・ラディッシュ・大根・里芋・四角豆・スティックブロッコリー・春菊・カブなどが届きます。
この夏のメイン野菜だったナス・キュウリ・オクラの畑は半分以下の収量で、それにともない収入も芳しくなかったということです。
鶏たちは7月中旬から夏バテになり餌を食べず、産卵率も90%→10%に激減。9月に入り40%位まで回復してきているとのことです。
「ほんとうに、続けていくってことは大変なんだなあと、しみじみ思いますよね。それにしても、40数年続いているあひるはスゴイなあと、寝ながら思ってましたよ」と、体調不良の瞬君の述懐でした。
北原君も神田君も年内1度はあひる店頭販売をやりたい!やる!とのことでした。
ようやくキャベツ・レタス・サニーレタス・リーフレタス・大根・白菜などの大型野菜が出てきました。蓮根・里芋・サツマ芋・ごぼうなど秋~冬野菜もはじまりました。
本来この時期メインの北海道野菜(じゃが芋・玉ネギ・人参・南瓜)が、極端な天候不順(干ばつと長雨と日照不足)で大不作となってしまいました。
1年に1作しか穫れない北海道の百姓たちにとって、この大不作(収入源)で困窮にたたされています。
天候不順によって野菜の形状(大きかったり小さかったり、先っぽが曲がっていたり、味ののりが今いちだったり)にバラつきがでてきていますが、許容してください。
果物は、刀根柿・富有柿・ひろさきふじ・千秋・秋映・紅玉・シャインマスカット・甲州・極早生みかん(これがおいしい!)と実りの秋です。
夏の疲れ、コロナ疲れ、季節の変わり目、体調にくれぐれも気をつけてください。

あひるの店先から ―夏に想う―

1977年9月5日月曜日、いまにも雨が降り出しそうな日でした。
ワゴン型の屋根をおおう真っ赤なシートはまだ届いていず、家の物置にあったゴザをリヤカーに積んで出発したのです。
最初に伺ったのは中区1丁目の線路沿いにあるイトーピアマンションの細野さんの処でした。
着いたのはいいけれど、リヤカーをどこに止めたらいいかわからないし、ウロウロしていると管理人さんとおもわれるご夫婦が出てこられて、細野さんに連絡しれくれることになったのです。おまけに、通行の妨げになるからとエントランススペースにリヤカーを引き入れてくれ、更に館内放送を使って「無農薬野菜の八百屋さんが来てます」とアナウンスまでしてくれたのです。細野さんがお友達を誘って買いに来てくれました。
が、野菜の値段がわからないのです。「納品書」がついてこなかったのです。
管理人さんに電話をお借りして流通センターに問い合わせ、それをメモしておよそ7掛して値段を出したのです。
ところが、今度は計算が出来ないのです。
2kgの台量りを持っているのですが、あの頃電卓はなかったので、暗算でやるしかないのです。長ねぎ100gで37円、470gでいくらなの?野菜の入ったダンボールを引きちぎって、37×470とやる訳です。人参もじゃが芋も玉ねぎも全てこれですから、3~4品を計算するのに10分位かかったのです。3~4人のお客さんが買い物を済ますのに1時間位かかりました。
その日は連絡をもらった10件位のお宅に伺う予定でした。2~3人は留守で、途中から雨が降り出し、野菜の上にゴザをかけても濡れるばかりでした。雨具など用意していなかったので、全身ビショヌレです。時間も大幅に余ってしまい、中区1~2丁目あたりをリヤカーでグルグル回っていました。時々通りかかる人がいないのを見はからって「ヤオヤ~、ムノーヤクノヤオヤ~」と声を張りあげてみるのだけど、雨音にかきけされ家に居る方に届いていないようです。でも、それがほっとする気分でもあったのです。
そんな、それまでの人生の中で一番心もとない一日だったと思います。こんな、心もとない佇むような常態の日々が2~3ヶ月続いたのです。
そもそも、「有機無農薬の八百屋をやる」ということに無理があったのです。「有機農業」にも「食の安全」にも「商売」というものにも関心がなかったからです。
あったとすれば「リヤカーを引いて街にくり出す」というパフォーマンスのイメージだけだったと思います。それは「有機八百屋をやる」という要素とは全く別のものでした。だから、はじまってから「有機八百屋」という要素から逆襲を受けたのだと思うのです。
それでも、2~3ヶ月の間に少しずつ関心が広がっていったのです。「有機農業に関心はなくても、作っている人の中に面白い奴がいる」。元々料理は好きなので、「この野菜うまいな」と思うようになり、週末一週間分の売上げをテーブルの上にまいて、子供達と10円玉の山、100円玉、1000円札を積み上げ、支払い分を取り除いた分を数えるのです。「先週よりスゴイよ」なんて子供達に言われると嬉しくなるのです。
そうこうしている間にまたたく間にリヤカー八百屋がふえていき、豆腐屋やパン屋やコンニャク屋や百姓たちとの出会いがあったりしたのです。出会った分だけ物がふえる訳ですから、その出会いのことを話しながら売ることはとても楽しいことでした。そして、また気付くのです。
「ネットワーク(仲間)を拡げよう。それをやろう
仲間たちとグループ(ポラン広場)つくり、本格的にネットワークづくりにのりだしたのです。20年余り、ネットワークづくりがぼくの主たる仕事でした。
40数年が経ち、つくづく「有機八百屋をやる」という主要素よりも、「リヤカーを引く」だとか「ネットワークを拡げる」だとか「つながることを楽しむ」という副次的要素に関心があったのだと思います。
最近、店先にいると「今の仕事どうしようかな?」「何かもっとフィットできるものないかなあ?」「悩むなあ~」という声をよくききます。
昔とちがってネットで検索すると転身・転職情報がたくさん紹介されています。条件など記されていますが、それはぼくの言う主要素だと思います。もしかしたら、副次的要素や隠れた要素の中に、自分にフィットするものがあるかもしれません。
それを見つけられるかは、もっと近づいてみるか身を置いてみるしかなく、そこに至る道は自分でつくっていくしかない訳です。
百姓が百のつながり(稼ぎも含めて)の中でやっているように、ひとつの手立てだけではなく、いくつものつながりの中でやっていけば暮らしていけるし、生きていけるのではないかと思うのです。
そんな事を想う夏です。

(狩野)

※あひる通信に連載した『あひるの家の冒険物語・全17話』お読みになりたい方はおっしゃってください。

畑だより ―突然ですが、暑(熱)さが襲ってきました―

「きのう眠られた?」「食べられてる?」というあいさつからはじまる日々がやってきました。
2年前、全く自覚がなかったのに突然体に力が入らなくなって、自転車で3回転び、食欲が全くなくなり、「一体何がおこったんだ?!」と不安な気持ちでいっぱいでした。たぶんあれは熱中症だったのだと思います。
だから、夏のスタートのこの時期、慎重になってしまいます。
その時食べて少しずつ体の力を取り戻してきたような気がしたのが果物でした。
まずは西瓜です。大玉(千葉山武)小玉(青森木造)どちらもこの暑さで甘さがまして、シャリシャリした食感が抜群です。
次は山梨一宮・久津間さんの桃。いまいち小ぶりですが、甘いです。甘酸っぱくて評判なのは、栃木・浜田さんのブルーベリー。ただし、暑さが続くと過熟してしまうので早期終了となります。
そして、桃とすももをかけ合わせた、蜜のあふれる貴陽(山梨・久津間)、メロン(千葉銚子)、パイン(沖縄石垣島)、ネットリ甘いネクタリン(山梨・久津間)、ブドウ各種・プルーン(山梨・勝沼平)、まもなく夏みどり・夏の紅・祝と青りんごが青森弘前・伊藤さんからはじまります。
一年で一番果物の豊富な季節です。食欲がおちても果物だったら何とかなるでしょう。甘味と酸味と口あたりが夏向きです。
そうはいっても食わなけりゃなぁ、と野菜です。
どの畑からも、とまと・きゅうり・ナスがSOSです。朝晩とらないとドンドン成長するナス・キュウリ、ドンドン赤くなるとまと。八王子キテレツファーム神田君、神奈川北原君の「タノム!」の声も上ずっています。
おすすめは栃木・鈴木章さんのロロン南瓜(章さんにきいても、ロロンって何だ?ということはわかりませんでした)。形状は万次郎南瓜のように円錐形なのですが、ホクホク甘く、煮ても焼いてもウマイです。
野菜は今のところ潤沢です。ただし、葉物類(レタス・キャベツ・ほうれん草・小松菜など)や、大根などは中間山地(山梨・群馬、標高500m前後)に移行し、まもなく高原(長野、標高1000m前後)や青森・北海道にシフトします。
平地の神奈川・北原君や八王子・キテレツファーム神田君の畑では、終了に向かっています。
2人からはコリンキー(サラダ・漬物)・ビーツ(ポタージュ・スープ・サラダ)・ケール(炒め物・ジュース)・モロヘイヤ・ツルムラサキ・白丸なす・バジル・サンマルツァーノトマト(加工用トマト)・ハラペーニョ(辛い!辛い!)・青とうがらし(辛い!)・空心菜(炒め物)など、新しかったり珍しかったりの野菜が入荷しています。目先をかえるのもいいかもしれませんね。
ともかく、眠る!食う!です。

畑だより ―新種発見?タマゴの黄身が白いのは?!―

先日お客さんから「タマゴの黄身が白かったんだけど、だいじょうぶなの食べても?」という問い合わせがあったので、即高田さん(栃木・平飼い・自家飼育養鶏)に連絡をしました。説明が長く要領を得ないので、要約して文章で伝えてくれるようお願いしました。
その間、自分のところでもタマゴを割ってみたら白いというより黄身の黄色が相当薄いものがあり、ゆで卵にしたら白さがましていました。
届いた文面には2つのことが記されていました。

①飼料
一般には黄身の色を出すために、トウモロコシやパプリカ色素の粉末を混ぜた配合飼料をあげているのだけど、私のところでは栃木の3軒の農家に大麦・小麦・米を作ってもらってそれがメインなので、ほとんど黄身に黄色はでません。だから、マリーゴールドというハーブを混ぜて黄身の色を出しています。
それでも、色のベースとなるルテイン色素は入っていないので、市販品のようにはなりません。栄養価がちがう訳ではありません。

②暑さ
毎年6月の梅雨時わたしたちもそうですが、羽毛をまとっている鶏たちはバテて水ばかり飲んで、餌を食べる量が減ってきます。鶏舎内に大型扇風機を何台も設置して、風の通りを良くして体温を下げるようにしています。
でも体が慣れるまで、食べる量が減った分だけマリーゴールドの摂取も少なくなるので、黄身の色が薄くなってしまいます。
この農場はひのき山という少し標高の高いところにあるので、朝晩は涼しい空気に包まれます。体が慣れて湿度が下がると元に戻ると思います。
海外では高タンパクの濃厚飼料に頼らない飼育が広がって、「黄身の白いタマゴ」が出回りはじめているとききます。見慣れないので「ギョッ!」とするでしょうが、食べてダイジョウブなのでご理解ください。鶏たちもガンバッテいます。

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夏果物、本格始動です。
なんと言ってもあひるの家No1のおすすめは、山梨一宮・久津間さんの桃です。甘味も香りも口あたりも格別です。ただ、日照が少ないので小さ目が多いです。
青森弘前・りんごの伊藤さんからさくらんぼ各種・ブルーベリー・プルーンがはじまりました。りんご以外の果物も作ってみたいということなのでしょう、おいしい上で格別の安さです。りんごは7月中~下旬に【夏みどり】【夏の紅】【祝】の青りんご系がはじまります。
40年来のつき合いの栃木・浜田さんからはブルーベリー入荷中です。ほろよい甘味と酸味が大好評で、冷凍して食べてもおいしいです。
同年代の浜田さんは、海外放浪から帰って来て、「ほかの奴がやってないことをやろう」とその頃珍しかったブルーベリーの有機栽培をはじめたのです。この世代変わり者が多いですよね。でも、息子たちが継いでくれているのでヨカッタヨカッタです。
メロン・甘夏・河内晩柑・すもも(山梨・大石早生)・ガラリ(奄美大島・野生種のすもも)・パイナップル(沖縄)・バナナ・アボカド・小玉西瓜と出揃っています。

夏野菜、本格始動です。
夏といえばとまとです。栃木鹿沼の田島さんがメインになります。安くなります。
鈴木章さんから毎年大好評のホクホク甘い南瓜が出ます。「なんで栃木の南瓜がうまいんだ?」ときいても「わかんないよ。気のせいじゃないの」と謙虚です。
朝4:30~夜9:00まで働き続けている八王子・キテレツファーム神田君(32才)からは、トウモロコシ・キュウリ・枝豆・ズッキーニ・キャベツ・ビーツ・ナス・モロッコインゲン・インゲン・じゃが芋・玉ねぎ・人参などが入荷中。「今まで食べた中で一番ウマイ!」と好評なのがじゃが芋・ズッキーニ・キュウリです。
子育てを含めてフル回転であひる店頭販売イベントに来られなかった神奈川愛川・北原瞬・祥ちゃんからは、ナス・キュウリ・大根・ズッキーニ・コリンキー・人参・じゃが芋・玉ねぎ・モロッコインゲンが入荷中。どちらからとったらいいのは悩ましいです。
ケール・モロヘイヤ・ツルムラサキなどの夏の葉物もはじまりました。雨-晴-雨-晴、畑の野菜はグングン育ち、販売は苦戦しています。
ともあれ、本格的な夏が始まりました。

これでおいしい魚が食べられる!『海野水産あひる支店』7年振りに店頭直売はじめます

6月から毎月第2第4日曜日昼、海野水産4代目海野マサトヨくんが旬の魚貝を販売がはじまりました。
前回13日(日)あひるデビュー戦ではやや緊張の面持ちで、それでも誠実な接客はお客さんにも評判がよく、「次回はもっとたくさん魚を持ってきます!」とやる気十分で帰っていったマサトヨくん。さて、2回目となる27日(日)のお魚は~、明日の朝出発ギリギリまで考えて捌いてくるので、今日の時点ではわかりません。正午~あひるの家で待ってまーす!
※第1土曜日・第3日曜日は直送となります

「海野水産の持ってくる魚貝がおいしい!のはどうしてなの?」海野君(兄・和豊)にききました

青梅にある海野水産の朝は早いです。朝4時頃に豊洲に向けてトラックを走らせるのが1日のはじまりです。
豊洲には500軒あまりの水産仲卸業者さんがいて、みんな勢いよく「ウマイよ!安いよ!とれたてだよ!」と声を張りあげ活気があります。
どれも良さそうなのですがグッとこらえて、全部見て回るようにしています。「これを買わなきゃ」「あれを揃えなきゃ」と決めないようにして、「いい物があったら買おう」と思ってひと巡りするのです。そして、「あそこはよさそうだな」と目星をつけたところに行って吟味するのです。
さて、ここからが魚屋の腕の見せどころ、ようするに目が利くかどうかです。豊洲だからいい物ばかりということはなく、散々してやられました(魚屋としての修行が足りなかったのですが)。
ポイントは4つあります。
①漁の仕方はどうなのか?
巻き網→定置網→引き網→一本釣りの4つがあって、どの方法でとったのかで魚の傷つき具合がちがってきます。
②運び方はどうなのか?
水氷箱→下氷箱→活き箱の3つがあって、大量の魚を水氷箱に入れて運べば一匹あたりの値段は安くなりますが、身がつぶれて腹わたから傷んできて、鮮度の劣化が早くなります。
③いつとったのか?
市場や漁港がよくやるのが止め物(ヒヤモノ)といって、相場(天候とか)を見て止めておいたものを出してきます。“ミョウバン”を入れてピーンと鮮度良く見せる手もありますが、目を見るとわかります。あと、“朝どり”か“昼どり”のちがいもあります。
④指定物を見つけられるか?
高級料亭などは漁港と直接やりとりして運ばれてきます。10匹中7匹が指定物で、3匹は残ります。仲卸は利益確保しているので、安く出してきます。これを見つけるのが楽しみなのです
それ以外にも例えば、9月中旬のこの時期ならこの港にあがったサンマが旨い!ということもあります。
そんなことを頭に入れながら、限られた時間で市場を回るのは、とてもエキサイティングで魚屋冥利につきます。いい物を仕入れられた時は「やったね!」と気分も爽快で、車のスピードもあがります(この間キップを切られましたけど)。
この1年余り、コロナ渦で市場も魚屋も大ダメージを受けました。「どうしたらいいか?」と苦慮している時、この話しがありました。
ぼく(兄・和豊)も10余年毎週日曜日あひるの家の店頭で販売させていただきました。その経験が今のぼくの礎になっています。
今度は魚屋2年目の弟のマサトヨがお世話になります。魚屋としては未熟ですが、一生懸命やると言っています。よろしくお願いします。
7月下旬『うなぎ店頭焼き』の時はぼくも行きます。お会いできるのを楽しみにしています。

【有機青梅】ご予約承り中

あひるの家販売ランキングbest3にいつもランキングしているのが、王隠堂さんの【梅干】です。「この梅干おいしいのよね」と、まとめて買っていかれる方が何人もいます。たしかに塩もいいし、しそもいっぱい入っているけど、やっぱり梅が旨いんだと思います。
奈良・西吉野の山中、標高400mのところにある王隠堂さんの梅林の土は、ふっかふかであったかそうです。それと、王隠堂さんの家はその名の通り、南北朝時代後醍醐天皇をかくまったことで名字帯刀を許された由緒ある家系で、その頃から梅を栽培していたそうですから、もう歴史的産物ということになります。歴史と時代が合体した産物が、王隠堂さんの梅です。
子供が大好きな梅ジュース・梅シロップ漬けは、作るのカンタン、1ヶ月位から飲めるので、この夏中楽しめます。大人が大好きな梅酒も作るのカンタンというか、ただ焼酎と梅を合わせるだけみたいなもんです。3ヶ月位でおいしくいただけます。
誰もが顔をしかめながら、それでも1年中食べている梅干は、ちょっと手間がかかりますが、その分自家製梅干は旨いです。夏を越えた頃から食べ頃になります。
只今漬け方レシピ配布開始。「な~んだ、これならわたしにもできる」と思った人、ご注文ください。期間はわずか2週間、1kgからやってみよう。

【有機青梅(梅酒・梅シロップ用)】 1kg 1,750円 入荷期間:5/31(月)~6/12(土)

【有機青梅・南高梅(梅干用)】 1kg 1,750円 入荷期間:6/14(月)~6/26(土)

ともに奈良・王隠堂農園からで、栽培状況は認証有機農産物。

※お渡し希望日の1週間前までにご注文ください
※【ポラーノの砂糖 洗糖】【玄米焼酎35度】【もみしそ】【海の精漬物塩】【カンホアの塩】などもご一緒に承ります

畑だより ―豆・サヤの季節がやってきた―

栃木鹿沼の鈴木章さんの処は田植え→麦刈り→田植え、その間に牛の世話と畑と大忙しの毎日です。
以前は田植え時期は村人総出で田んぼに出て、手助けし合いながら、昼には畦道に弁当を広げお喋りしながら食べたそうです。
中には酒を飲みはじめる奴もいて、「しょうがねえな。寝かしとけ」と皆でその家の田植えをやったそうです。
今は半分以上が、会社のネームプレートの入った作業服を着たトラクターを動かしているだけで、村人の姿はほとんど見かけなくなったということです。
「葬式もそうだけど、それはそれで大変な事もあるけど、隣り合わせでここで暮らしているんだという実感が持てたよな。今は村祭りをやろうという人もいなくなって、淋しいなあ」と、70才を過ぎた章さんとマツさん夫妻がポツンと田植えをしている光景だそうです。
そんな田植え麦刈りの合間をぬって、インゲン・キヌサヤ・グリーンピース・空豆・カリフラワー、少ししてニガウリなどが送られてきています。
八王子キテレツファーム神田君の畑では、大きく育った葉付き大根・アスパラガス・ズッキーニ・スナップエンドウ・ブロッコリー・スティックブロッコリー・サラダ春菊・レタス・サニーレタス・リーフレタス・ルッコラ・小松菜と、充実のラインナップです。
あひるの家のお客さんで「畑をやってみたい」という2人の若者が、週1回行って収穫・洗い・袋詰めなどをお手伝いさせてもらっていますが、普段はお母さんと神田君の2人。一体どんな働きをしているのか見当もつきません。
2人の助っ人はキテレツの帰り道お店に寄ってくれて、今日のお駄賃の野菜を見せてくれます。
「ズッキーニがあんな風になってるなんて知らなかった」と嬉しそうで、表情は晴々としているのです。
6月中~下旬、『キテレツファームでピクニック』を催すつもりです。たぶんトウモロコシ狩りです。
神奈川愛川町のけのひ農場の北原君の畑からは、大根・長ねぎ・新玉ねぎ・ミサキキャベツ・葉付き人参・小かぶ・ケール・ルッコラ・小松菜などが入荷中です。
なすを除いて、トマト・きゅうり・ピーマン・赤lピーマン・パプリカ・ししとう・オクラ・ベビーコーンなど夏野菜が揃いはじめています。
果物は、いちご・レモンが終了し、りんごもそろそろオシマイで、甘夏・河内晩柑・グレープフルーツ・バナナ・キウイフルーツ・時々アボカドはありますが、新しくはビワ・小玉西瓜で、メロン・サクランボはもう少し後になります。
そして、6月から約1ヶ月にわたって、梅とらっきょうが始まります。作り方などを紹介した注文表を配布中ですから、「やってみようかな」「今年もやろう」と思った方はご注文ください。1週間前が確実です。
いつもそうなのだけど、元気だしてやりましょう。

 

あひるの店先から

先日おふくろが亡くなりました。96才でした。
43年前、おふくろとおやじは短い間だったけど国立に住んでいたことがありました。丁度その頃、私が勤めを辞め“八百屋”をはじめた時でした。
おやじは「なに!八百屋だって!それもリヤカーを引いてって、なんなんだ!子供が2人もいるのに」と怒って、しばらくの間“出入禁止”になってしまいました。
はじめた私自身「なんでこんなことはじめたんだろう?これからどうするんだろう?」と思っていたので、全く説得力はありませんでした。
おふくろもきっと同じ気持ちだったのだと思いますが、おやじの目を盗んでよく手伝いに来てくれました。
特に朝、野菜の到着が遅れるとリヤカーに積み込んで出発するのに精一杯で、片付ける手間がありません。放りっぱなしの野菜を倉庫にしまったり、周りをはいたり、干しきれなかった洗濯物を干してくれたり、時々昼食用のおむすびを握ってきてくれたりしました。
片付けが終わるとお茶をいれて、レコードをかけてひと休みしてから家に帰っていったとのことでした。
この時のことを俳句や文章にして、新聞などに投稿していたようです。
埼玉に引っ越し、おやじが亡くなり、20年余り姉と孫との3人の暮らしが続いていました。
4ヶ月前位に突然身心の不調が生じ、老人施設に入所しました。この時、3人の間で深いわだかまりが残りました。コロナ禍もあってなかなか面会もかなわず、わだかまりが積み重ね合っていきました。
3月末「肺に水がたまって体のむくみもヒドイ」と連絡があり、施設スタッフとともに呼吸器専門病院で診てもらったら、「水を抜きましょう」ということで入院することになりました。
ところが、病院の事情で待合室で6時間も待たされることになったのです。近くのスーパーからのりまき・おいなりさん・お茶・アイスクリーム・お菓子などを買ってきて食べたのです。
同行してくれた施設スタッフが驚く程よく食べ、よく喋り、表情も穏やかで、「こんなに世話になってありがとうね」「元気になって家に帰るからね」「たくさん食べて元気になろうね」と、3人の会話が弾んだそうです。
その夜は普通に寝たのですが、翌早朝意識混濁におちいり亡くなったのです。
あの不測の6時間“最後の晩餐”は“天の采配”だったのではないかと思うのです。
あれから2週間、夕方お店の電話が鳴ると、「ウン?そうか」と思うことがあります。夕方よく電話をかけてきたことを思い出すのです。

(狩野)

【有機パクチー】が大人気?の茨城・ハーブスマンの【ハーブ苗】【野菜苗】ご注文承り中

【スイートバジル苗】【青じそ苗】【ミニトマト苗】【ピーマン苗】…、4月になるとあひるの店先に並び始めるハーブ&野菜の苗。栽培しているのは、茨城・行方の福山君(通称ハーブスマン)です。
インド放浪中に行き倒れた福山君は、見ず知らずの人の家で介抱され、道端にはえている草花を煮つめた汁を飲まされみるみる回復、命びろいをした体験でハーブのチカラに目覚め、帰国後ハーブ栽培をはじめたのです。命の恩人(?)ハーブに寄せる愛情はひとしおです。
福山君から届く苗は、茨城・ハ-ブスマンの農場内の山で自給した腐葉土や堆肥を使い、特製の土で大切に育てられた苗です。健康に育てられた苗は、植え替えてからの成長ぶりに違いがでます。また香りも高く、丈夫で家庭でも上手に育てることができます。庭やベランダにハーブを植えて、植物とのコミュニケーションを楽しみましょう。
定番の【青じそ】【ミニトマト】などからはじまり、ハーブや夏野菜と続いていき、種類を変えて5月いっぱいまでの入荷です。
店頭にも並びますが、場所の関係で全種類は置けないので、どうしてもこれが欲しいという方はご予約がおすすめです。
只今【ハーブ苗】&【野菜苗】予約注文書配布中。入荷期間が異なりますので、ご都合に合わせて1週間くらいの余裕を持ってご予約ください。

 

あひるの店先から>>>

あひるスタッフ狩野が関わっている“種まきネット”の『福島で暮らすトークセッション』はのお誘いです(チラシ配布中!)。4月11日(日)旭通りNTTコミュニティスペースでやります。
トークセッションのテーマは「移住」「有機農業」「仲間づくり」「脱原発」ということになりますが、なんといっても今回のメインメニューは福島二本松から来てくれる2人の百姓です。

★関元 弘さん(50才・移住15年目)妻・子供2人・ヤギ

農水省のキャリア官僚として働いた後、同期入社の妻とともに「国を変えることより、先ず自分が変わろう」と退職し、縁があった二本松に移住し百姓をはじめました。
東京育ちの関さんたちにとって全ては初体験。その時受けた村人たちのサポートが、その後の関さんの地域での活動の礎になったようです。
3年間育たずを経てようやくといった矢先、震災・原発事故で全てがパーになったそうです。一体それをどう乗り切っていったのでしょうか?
「激動の15年?ワクワクのこの先10年。語ります、きいてください」

★仲里 忍さん(48才・移住13年目)

沖縄北大東島生まれ石垣島育ち。建築設計を学び上京。ところがなかなか仕事がなく、飲食を主に派遣労働者として各地を転々としていたのだが、ある時「味がない、匂いがしない」体調異常がおこり、医者に行ったがダメ。海や山に行くと治ることがわかり、「そうだ、田舎に行こう!」と二本松東和『ゆうきの里』の研修生に応募。
「“ゆうき”って有機農業のことだって知らなかったな。勇気のことかと思った」という仲里君は、農家民宿『ゆんた』を経営しながら百姓を営んでいます。
ゆったりとした語り口は、沖縄の島々を渡る風を感じます。

そんな2人と話していると、「街にあって田舎にないものはない。街になくて田舎にしかないものはたくさんある」と語った移住者の言葉が思い返されます。
コロナディスタンスから1年余り。ともに生きることの楽しさ、面白さをそろそろ取り戻していきましょう。
参加(リアルor Zoom)申し込みはあひるスタッフまで。