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畑だより -それでも新米がはじまります-

陽射しが全くなく雨々曇り雨曇りの7月から一転、雨が全く降らず強い陽射しだけが照りつけていた8月、そして9号10号の台風による風雨と、傷めつけられ続けた畑でした。
7月は水気が抜けず、作物は病気が出たり腐ったり、8月はようやく顔を出したお日様に喜んだのもつかの間、今度は雨がなく高温続きで立ち枯れたり成長不良だったり、秋冬野菜用に播いた種が発芽しないまま風に飛ばされ播き直したり、台風の強い雨で流されてしまったり散々でした。
台風10号の時畑に出ていた神奈川・北原君は、畑にたたきつけられるんじゃないかと恐怖を感じて、家に引きあげたそうです。
あひるの家の野菜棚は、入荷野菜が減少して10日間位玉ねぎ人参もない状態が続きました。先の見通しが立たないので、通常のルート(直送・ポラン)以外からの仕入れにシフトしてなんとか棚を埋めることができたのです。
ところが、大根・キャベツ・レタス・サニー・ブロッコリー・葉物類は1.5倍強の値段になってしまって、売るのもためらわれる状態でした。少しずつ通常値段に戻りつつありますが、まだまだ高値がつづいています。心苦しい限りです。
それでも、畑(田んぼ)は秋です。
栃木鹿沼・鈴木章さんから新米(農薬・化肥不使用コシヒカリ)がはじまります。8月の水不足を心配していたのですが、地下水を汲みあげて田んぼに水を張っているので、7月の長雨で潤沢で、いい状態で収穫を迎えたようです。
連絡をした日、息を切らして電話口に出て「今から牛の出産で、とりあげるので大忙しだよ」とゼエゼエいっていました。暑い中、稲刈りゴクロウサンです。新米価格は変わりません。
長野・おむすび米が9月下旬、新潟・有機米が10月、福島・さゆり米が11月に新米になります。
果物はりんごの季節です。青森弘前・伊藤さんから【シナノレッド】【さんさ】【未希ライフ】【きおう】【つがる】【旭】【いとう】など、甘かったり甘酸っぱかったり、硬かったりやや軟らかかったり、紅かったり黄色だったりのりんごが次々と入荷してきます。各々が楽しめる味になっています。
ちなみに伊藤さんの農園では年間60種類位のりんごを栽培しています。特長は【印度りんご】【国光】【旭】など、昔からのりんごを大切に育てていることです。
弘前でも37℃超えの日もあって、「危険なので作業を中止した日が何日もあった」ということです。
梨は【豊水】【二十世紀】【幸水】【洋梨】が終盤、ぶどうは【巨峰】【ベリーA】、スポットで【夏武輝(カブキ)】という品種の西瓜がでています。甘い!キウイ・バナナはあります。
野菜は蓮根・里芋・シークワーサーがはじまり、じゃが芋・玉ねぎ・人参・南瓜は北海道に切り替わりました。
大変な夏でした。大変な年です。なんとか体調を崩さないようにしましょう。

畑だより ―ようやく梅雨があけ、夏野菜が勢いを取り戻せるか?―

雨・雨・曇り・雨曇りの繰り返しで陽射しを感じることのない日々が続いていましたが、ついに来週位から夏がやってきそうです。
どの百姓も口を揃えて「ギリギリだよ」と言っていたので、少し声が明るいです。
かといって、今までダメージを受けた野菜、特に葉菜類のキャベツ・レタス・サニーレタス・ほうれん草・小松菜などはトケがはじまって、晴れても回復は難しいようです。欠品・少量入荷・品質に難あり、更に他の仕入れルートからの入荷になるので価格も上がっています。
この後は山梨・長野・群馬と高原に産地移動しますので安定してくると思いますが、しばらくガマンのおつき合いをお願いします。
コロナも含めて超うっとうしい中Good News!です。
新しく始まった八王子・キテレツファームの畑が「有機認証」を取得しました。キテレツファーム神田君が所属していた会社が、6年間にわたる畑の栽培記録・出荷記録を管理していたのが認められた訳です。神田君は今年からその畑をお借りして独立しました。
「有機、有機」と言ったって、認証を取得した「認証有機農家」は日本全国で2000名たらずしかいません。厳格な有機基準や膨大な事務手続きや、経済的メリットの乏しい認証取得を取りやめる農家も多く、減少しつつあります。そんな中、認証取得に踏み切ったのは勇気のある決断だと思います。
ここまでがGood News!で、この後Bad News!が続きます。
7月21日夕方、土手の草刈りをやっている最中にスッテンコロリン滑りおちて、脚の靱帯を損傷してしまったのです。腫れがひくまで1週間、痛みがおさまるまで3週間、約1ヶ月の診断です。
包帯グルグル巻きで畑に出る訳にもいかず、7月一杯でカンボジアに旅立つボランティアの人に全面依存するしかありません。収穫もあるし、種まきもあります。「来月からどうしようかな?」と痛い脚をさすりながら、明るく途方に暮れています。
今のところ毎週金曜日入荷は変わらないということです。キテレツファームの野菜をよろしくお願いします。
野菜は不安定ですが、果物は順調です。そして、甘味も強く味が濃いです。
千葉・山武の大玉西瓜、青森・木造有機の小玉西瓜・タカミメロン、山梨一宮・久津間さんの桃・貴陽、山梨・勝沼平有機のすもも・プルーン、ペルー・パラグアイのバナナ、アメリカのアボカド、まだ少しだけある熊本の河内晩柑、沖縄のパイン、瀬戸内海大三島のレモンなど豊富です。
いよいよ夏が始まります。心身ともに「疲れてるなあ」の日々ですが、体調に気を付けてください。

畑だより ―この夏、若手百姓たちに期待です―

1ヶ月程前から神奈川愛川町北原君(36才)の野菜に加えて、八王子キテレツファームの神田君(31才)の野菜も始まって、なんだか店がとっても活気があるように思えます。
ナス・キュウリ・ミニトマト・ズッキーニ・大根・人参・玉ねぎ・いんげん・バジル・ルッコラ・空心菜・大葉……、どの野菜も陽の光をたっぷりあびて力強く育ったんだということを感じさせます。だからとってもおいしいです。
今年がはじめての夏(その前2年間研修生として働いていたけど)の神田君は、朝4時からヘッドライトを点けての夜まで基本一人で草取り-収穫-洗い袋詰め-出荷準備(今は自宅での無人販売と、近くのみちの駅とあひるの家)-配送の全てを担って、日々うっちゃっています。
それでも、毎週金曜日午後に朝採れ野菜を届けてくれている時全く疲れた様子はなく、暑さや陽射しをエネルギーにしてるんじゃないかと思わせます。お喋りしてお茶飲んで「また来週!」車に乗り込んでいく姿に陰りはありません。
北原君のところは祥ちゃん(妻)のギックリ腰、もらい事故での車の破損などがあり、子育て(3人)を含めて瞬君(夫)がフル稼働してもおいつかない1ヶ月でした。
それでも50羽のヒナもどんどん大きくなり、子供たちの学校・保育園も始まり、まったなしの夏野菜もドンドン育ち、2人そろってえのフルパワー・フル稼働がはじまっています。
そんな日々の暮らしぶりがわかる野菜たちを扱わせてもらえるのは、あひるのスタッフにとって大きなパワーになっています。この夏、彼等の野菜がメインになります。
かといって、彼等が作っていない野菜もたくさんあって、まずはトマトは毎年夏の間お世話になっている栃木鹿沼の田島君から間もなく入荷します。なすもあったらもらいます(田島君のなすは秀逸です)。
キュウリ・四葉キュウリ・ブロッコリー・カリフラワー・インゲンなどお世話になっている栃木鹿沼の鈴木章さんの処は、2週間程前に2晩つづけてヒョウが降り完全に全滅し、この夏扱いがなくなってしまいました。茨城・千葉・山梨・長野の産地はダイジョーブです。
果物の種類が豊富になりました。
甘い!シャキシャキ!の一番果西瓜は千葉山武から。甘くて香り良い桃は山梨一宮久津間さん、ブルーベリーは栃木浜田さん、和歌山内柴さんのビワ、青森伊藤さんのサクランボ、すもも・ガラリ・バナナ・アボカド・甘夏・河内晩柑と、「今日どれにしよう?」と迷う位です。
サテ、なんとかこの夏をしのいていきましょう。マスクのせいもあるけど、体調に気をつけて。

畑だより ―キテレツファームの神田君があひるの家にやってきた!―

6月5日(金)昼お店の2階で休憩していると、スタッフ円ちゃんが上がってきて「なんか高校生みたいな子が野菜持ってきたんで見てくんないかと言ってんだけど」。店に降りていくと、クリクリ坊主でたっぷりと陽に焼けた青年がニコニコしながら起っていました。
どうも八王子で有機農業を一人でやっているということのようです。グリーンの名刺には「奇」のマークがあり、神田賢志の名前の上にはなぜか「蟹」がしるされてありました。「こいつは面白いかもしれないな」と思ったので、2階にあがって話しを聞くことになりました。
「これ、食べてみてください」と渡された赤と黄の人参・ビーツ・4種類のズッキーニは、どれも力が漲っていて、とびきりうまそうです。
神田賢志31才、2年間有機農業の研修生として働き、この春一人で始めたということです。畑は八王子堀之内と小比企の3ヶ所にあり、5反歩を耕しているとのこと。
小学5年生まで親の仕事の都合でアフリカのタンザニアと南アメリカのパラグアイで育ち、その後八王子の祖父の家に移り住み、東京農大在学中に10ヶ国を旅したということです。卒業後、農業雑誌『家の光』の記者として全国の農家に取材に行っている間に、自分で百姓をやりたくなったということでした。
「ところで神田君、百姓なのになんで蟹のマークなの?」
「実は海も大好きで、ダイバーになろうか百姓になろうか迷ったんですよ」
そして6月9日(火)、2ヶ月振りの電車に乗って堀之内に行ってきました。
堀之内の2ヶ所の畑は、祖父が桑畑をやっていたところを借り、トマト・ミニトマト・キュウリ・インゲン・千両ナス・白丸ナスを育てていました。そろそろかな、というところでした。
小比企に向かう途中、神田君の家に寄らせてもらいました。自宅の一角に自分で建てた野菜の無人販売所と作業所があります。「1日2千円から1万円ちょっと位売れるんですよ。特に最近はとくに売れてますよ。出荷している道の駅の販売所でも」
妻と4ヶ月の桧和(ひより)ちゃんも出てきました。中学生の頃の同級生で、都心で外資系の保険会社に勤めていて、今は育児休業中とのこと。
「ところで、百姓をやっていこうなんて思ってたりするの」と尋くと、「今勤めているところがとても居心地のいい職場なので、働いていこうと思ってるの。お手伝いはするけどね。それと収入のこともあるし」と、率直な物言いがとても気持ちの良いものでした。可愛かったし。
小比企は見渡す限り畑や田んぼが拡がっていました。神田君の畑には4種類のキャベツと5種類のズッキーニと枝豆が育っていました。豆の入りのよさそうな枝豆を引っこ抜いてお土産にもらいました。
八王子駅前のデニーズで飯を食べながら、「ヨシ!やろう!」と合意し、さっそく注文を出しました。
「小比企は珍しい農業地域なので、ここでたくさんの仲間をつくって有機農業の発信基地にしたいと思ってる」と、神田君はハンバーグとコロッケをほおばりながら語っていました。キテレツファーム初荷は本日6月12日昼、神田君がトラックで運んできました。
神奈川・北原君ともそうですが、野菜を通じて各々が果たしたい夢に同伴させてもらえるのは、八百屋冥利に尽きるということです。
近いこともあって(車で20~30分)、あひる店頭直売、「畑に行こう!」あひるの学校なども一緒にやっていく予定です。キテレツファームの野菜をよろしくお願いします。

畑だより ―北原くんちにヒヨコたちがやってきた!―

5月8日(金)祥子(妻)と3人の子供たちは、厚木にある生き物専門の運送屋さんにヒヨコたちのお迎えにいきました。
“もみじ”という品種の、生まれてまだ48時間経っていない、ウブ毛がチョロチョロはえてピンク色の肌もあらわな51羽のヒヨコです。手にとるのもおそるおそるでダンボールに入れて、家に連れてきました。
ところで、買う時オスとメスだといくらだと思います?メス310円、オス40円、これをきいた時、生物界はそういえばそうだよなと思って、複雑な気持ちになりました。
このヒヨコたちが卵を産みはじめるのは秋位からということです。産卵率は、平飼いはケージ飼いに比べ半分の40%位とのこと。駆け回ってエネルギーを消費してしまうので、産む量が大幅におちるそうです。
ワクチン接種をやらないのは、ワクチンをうつと弱い体になって薬剤に頼らざるを得なくなるのでやめました。
2年経つと産卵率がおちてくるのでケージ飼い(一般飼育)の場合処分するようですが、ぼくのところは自分で作った野菜を主食にしていこうと思っているので、コストもあまりかからないので5~6年飼えたらと思っています。
鶏を飼うことは百姓をはじめた頃からの夢でした。野菜を育てる→鶏に食べさせる→鶏フンを堆肥にする→野菜を育てる、循環型農業ですよね。勿論、自分達が育てた野菜を食べる⇔卵や鳥肉をいただくも含まれています。あと、米が作れればいいのですが。
この時期にバタバタ始めたのはコロナ休校がきっかけでした。オンライン授業準備のためiPadを買ったのですが、子供たちは外にもいかずゲームばかりです。それはそれでいいんだけど、祥子と“これから子供たちをどう育てていったらいいかな”と話して、“生きていることのリアリティを感じてほしいな”ということになり、ヒヨコ導入を決めたのです。親が畑仕事で忙しいこともあって、子供たちが休みということもあって、ヒヨコの世話は子供たちの仕事になっています。
この2週間で2羽のヒヨコが亡くなりました。庭の木の下にお墓をつくって埋めました。あんなにフワフワしてあったかかったヒヨコが、冷たく硬くなってしまったことは、その日の夕食がのどを通らない位子供たちにはショックだったようです。
ともかく、北原ファミリーに新しいメンバーが加わりました。ワクワクしています。いつか皆さんにも来ていただいて、鶏たちを見ていただけたらと思っています。 (北原瞬 談)

※北原君からは大根・キャベツ・バジル・ズッキーニ・スナップエンドウ・新玉ねぎ・カリフラワーが入荷しています。5月末の店頭販売は、祥ちゃんがギックリ腰になったため6月に延期です。

栃木鹿沼・鈴木章さんからは絹さやえんどう・スナップエンドウ・空豆・グリーンピース・ブロッコリー・カリフラワーが入荷中!2~3週間だけの初夏のおいしさを楽しんでください。腰をかがめ、腰をのばし、腰をたたきながらの収穫作業は「辛い!」ものがあります。章さんマツさん老夫婦に感謝していただきましょう。
他の産地でも暖かさと雨で野菜がどんどん育ってあふれつつあります。
一方、果物が淋しくなりつつあります。りんご・いちごが終わって、手頃な果物がなくなってきました。
新しく和歌山・内柴君のびわ、甘夏・河内晩柑・バナナ・キウイといったところです。6月に入ると小玉西瓜・メロン・サクランボ・プルーンなどが始まりますが、まだ先です。
30℃に近い日もあれば15℃を下回る日もあるという体調維持が難しい日々ですが、何より嫌になっちゃうのがマスクです。1日に2~3回呼吸困難におちいりそうな気分になります。「畑でマスクしている百姓なんていねえよ」という環境がうらやましいばかりです。
まだまだ不安定な日々が続いています。体調に気をつけましょう。

 

畑だより ―5月になれば……畑は―

4月中旬頃から、店内の野菜棚は夕方になるとスッカラカンで、「八百屋さんなのに野菜がないのね」と言われっぱなしで、「売れないで(無くならないで)」の変な気分でした。端境期で野菜が一番少ない時期なのと、需要が大幅にふえたことに因ります。
でも、ついに5月初旬から盛りだくさんの野菜が入ってきます。
神奈川・北原君からは、5月中旬にかけて春キャベツ・ミサキキャベツ・カリフラワー・大根・新人参・小かぶ・小松菜・リーフレタス・赤リアスカラシ菜・ルッコラ・ズッキーニ・スナップエンドウなどが目白押しに出荷されてきます。ちなみに今はのらぼうだけです。
新型コロナのことで言えば、家の前の庭(野原?)にテントを張って、火をおこしてキャンプ気分を楽しんでいるそうです。
一方、「おまえんとこ野菜が売れてるそうじゃないか。おれなんか花だからサッパリ売れねえよ」と村の人に言われ、「ええ」とか「まあ」とか、言葉の返しようがない事を言われることが多くなったそうです。
「“無農薬だ?”“もうからない野菜を作ったって”“百姓の真似事だな”等々、色々言ってたのにサ」と困惑気味で、「あんまり張り切っている姿を見せられないな」と周りの視線が気になるようです。
コロナの情況によりますが、5月下旬にはあひる店頭での直売を予定しています。
栃木鹿沼・鈴木章さんからはブロッコリー・キヌサヤ・スナップエンドウ・かぶ・長ねぎなどが始まります。
育てている牛の価格が大幅に落ち込んでいて、子牛を導入するか迷っているとのこと。
「おれんところは8頭~10頭位だし、エサはほとんど自前だからダメージ少ないけど、100頭位飼っている仲間は廃業も考えはじめているみたいだよ」
「おれんところの最大のダメージは、孫たちがこの休みに遊びにこないことだなあ。年寄り2人楽しみがなくなって、ただ毎日牛の世話して畑やってだと、言葉も少なくなっていくなあ」
章さんも6月位に店頭直売の予定です。
今だけおすすめは栃木鹿沼・田島君の堀たて筍です。風味・歯ごたえ抜群で、おまけに安いです。竹の子のカツオ煮・チンジャオロース・ワカメや梅肉との和え物・味噌汁の具・天ぷら・蒸し焼き……1本あれば何種類もの料理ができます。お店でゆでた竹の子もあります。
春といえば土に親しむ季節でもあります。茨木ハーブスマン福山君と長野の吉沢君から、ハーブと野菜の苗が出ています。パセリ・ミニトマト・青じそ・ジャーマンカモミール・スイートバジル・ピーマン・とうがらし・日本なすなどが順次届いています。ご注文受け付け中です。
果物はりんご・いちご・黄金柑がまもなく終了で、パイナップル・キウイ・夏みかん・甘夏・河内晩柑・バナナと、種類が少なくなっていきます。
野菜が出ます!食べて活力を保っていきましょう。

畑だより ―寒くてイヤだけど、野菜がおいしい―

―寒いと甘くておいしくなる?―

茨城・栃木・神奈川の畑は、この辺りより朝の気温は3℃~5℃低くなります。霜が降りるのはあたり前で、雪も時々舞います。
吹きっさらしの畑でほうれん草も小松菜も大根も白菜も朝には真白く霜におおわれ、陽が昇ってくるとキラキラと輝いています。この繰り返しが、甘さと旨さのヒミツです。
実は、本当に凍っちゃう腐っちゃうので、野菜たちは自ら糖度を上げて、凍死することを防ごうとしているのです。更に、霜~溶けるを繰り返すことで葉脈の筋っぽさを溶かして、やわらかくトロッとした味わいをつくりだします。スゴイですよね、野菜の生命力。
それに比べて、ホッカイロベタベタ貼って、くつ下3枚はいて、暖房強くして……それでも「寒い~」と言っている我が身がなさけない。

―保存することで旨くなる?―

サツマ芋・里芋・じゃが芋・玉ねぎ・人参・ごぼうなどの根野菜は、水分が多いため畑においておくと凍って腐ってしまうので、掘りあげて寒気が入らないよう保存しておきます。
家の中の暖かい所に毛布をかけて置いている人もいますし(北海道の農家でストーブのそばにゴロゴロ南瓜をころがしている百姓もいました)、ワラで囲った室(ムロ)に入れている人や、ビニールハウスの中に溝を掘ってモミガラを敷きつめてサツマ芋をおいて、その上にモミガラを山のようにかけて保存している人もいます。
寝かせておくことでエグミと水分が抜け、甘味と旨味がましてきます(あったか過ぎると芽がでてきたりするけど)。
りんごや柑橘類は凍ることは少ないのですが、置いておくことで酸味が抜け、甘味がまして味が濃くなっていきます。更においしくする工夫として、倉庫の床・壁・天井に炭を練り込んで庫内の空気を浄化させ、味と品質を保とうとしている百姓もいます。
寒さに耐えながらおいしくなっている野菜・果物に感謝していただきましょう。

―寒くないので、とれたて野菜が届いています―

20℃を超える日々が続いている沖縄の島々から、トマト・ミニトマト・キュウリ・ピーマン・パプリカ・インゲン・プチ空豆・島らっきょうと春~初夏野菜がはじまっています。
朝「暖房がほしいな」と思うのはひと冬で2~3回だそうで、ほとんどの家庭に暖房機はないといいます。
たいして暖かくはないけど、暖流と強い風のせいで霜が降りないのは、愛知県知多半島の天恵グループの畑です。キャベツ・グリーンセロリ・ブロッコリー・カリフラワー・大根が届いています。有機第二世代が地域ぐるみでいい野菜を作っています。

「寒い!」から「凍える!」日々がこれからも何回かあるでしょうが、おいしい野菜で体をあたためてください。

畑だより ―42作目の竹村いちごはじまります―

「みなさんのオイシイ!の一言がハゲミになります」と、頭に被った手ぬぐいをとってピカピカツルツルのハゲ頭を見せて、「よかったらさわったりたたいてみてください。御利益ありますよ」と店頭を笑いの渦に巻きこむ茨城かすみがうらの竹村さんから、いよいよ苺が届きます。
竹村いちごの栽培状況は

・ 品種 … 甘酸っぱくて香りの良い「とちおとめ」です。昨年10月の手取り除草からはじまって、1年余りかけて育てていきます。

・  栽培 … 不耕起で年々地力がついて病害虫に強くなっています。大豆・米糠・カニ殻・海藻・貝殻などを2年ねかせ、肥料としてまいていきます。14度ある地下水を汲み上げ、2重にしたビニールハウスの間に雨のように降らすと外気に比べ15度程あがり、保温効果をもたらします。化石燃料を頼ることはしません。

・防虫・防除 … 山野草・黒糖・ニンニクなどを漬けた汁(天恵緑汁)や自家製漢方焼酎などを散布しています。化学農薬は10月2日にヨトウ虫防除に1回使用しました。今試作中ですが、来期は農薬不使用でできそうです。

灯油ガンガン農薬バンバンのいちご栽培の中になって、竹村いちごは稀有の存在です。
「アタマペタペタ竹ちゃんマン」とお客さんの子供たちに人気の竹村さん(60才)ですが、実は200年もつづく由緒(?)ある根っからの百姓です。江戸時代、天明の大飢饉の時に東北地方の二男三男が入植したのが始まりだそうです。計り知れない労苦の末、今に至っているのだと思うと、竹村さんのハゲ頭に後光がさしているように思えてしまいます。
そういうこともあってか、東日本大震災の時の井戸水の供給・炊き出し・見守り活動を担ったり、今も民生委員として地域の困り事相談をひき受けているそうです。
2月7日(土)のあひるの家SALE日に久し振りにやって来て、店頭パフォーマンスを披露してくれるようです。竹村さんから一言、
「仕事と家の都合をつけてお伺いします。それまでアタマにいっそう磨きをかけていきますので、お楽しみください。昨今、取り引き先との関係がただ“生産者”だけになってきています。そんな中、あひるの家での店頭販売はお客さんとのコミュニケーションが楽しめる貴重な機会なので、今から話芸の腕も磨いていきます。今期もいちごをよろしくお願いします」とのことです。
沖縄(23℃)からキュウリ・インゲンが始まります(少量)。年末野菜・果物は順調に育っています。

畑だより ―限界です。このままだと崩壊です―

と、SOSのメッセージを寄こしたのは、卵でお世話になっている栃木芳賀の高田さんです。農場(ひのき山農場)をはじめて37年、1度も卵の値段が上がることはありませんでした。
時々、「値上げしなくて大丈夫なのかよ。他のところ上げてるゼ」ときくのですが、「ダイジョーブです。ガンバリます」との返答。でも、ついにギブアップが発信されてきました。
ヒヨコ~成鶏までの餌を含めた育成費、鶏舎の維持管理費、スタッフの人件費、箱・紙パック代、宅急便の料金……、全てがこの30年余りで倍位になっていました。最近では自分の取り分をとらない(とれない)ことも多くなり、ついに決断した訳です。
【10個入りパック】¥620 【6個入りパック】¥380 【卵1個】¥65 の値上げです。
ひのき山農場(会社名は(有)おひさまポカポカ、銀行の窓口で呼ばれたりしたらハスカシイ!よね。あひるもそうだけど)の鶏卵の特徴をあげると、

1) 平飼い、オスメス混住、開放鶏舎

2) ヒヨコ~成鶏までの一貫飼育

3) 餌は大麦・小麦・お米など地産飼料を使用。非遺伝子組替、放射性物質不検出

4) 穀物は全てカラ・モミ付きを与えることで鶏の胃腸をきたえ、腸内環境を整えることができます

5) 抗生剤の使用はありません

6) 卵黄の黄色はマリーゴールドの花びらの色素です。ちなみにマリーゴールドの花言葉は「健康」です

7) 高田さんの娘・果琳ちゃん29才と息子の裕生君27才が主になって鶏の世話・採卵・出荷などを担い、近隣ではまれな後継者に恵まれています

大幅値上げということになってしまいましたが、“ひのき山農場存続”へのご理解とご了承をお願いします。

話し変わって、この2ヶ月余り野菜の入荷がなかった神奈川愛川の北原君の畑はどうなってるのか?ということですが、台風15号の強風で夏野菜(なす・きゅうり・インゲン・オクラなど)の全てが一夜にしてなぎ倒され、吹き飛ばされなくなってしまいました。
台風19号の豪雨は、白菜や葉物類はやられましたが、大丈夫かなと期待していたキャベツ・かぶ・ほうれん草……などもやっぱりダメで、途中で枯れたりしおれたり病気が出たりと出荷には至りませんでした。
でも、ついに、ついに11月20日頃から始まります。
キャベツ・ブロッコリー・スティックブロッコリー・小かぶ・赤かぶ・ワサビ菜・大根・カーボロネロ(黒キャベツ)・里芋・サツマ芋・生姜・人参が入荷予定です。
12月15日(日)には今年最後の北原君直売イベントをやります。励ましもかねて買いに来てください。
そうそう、11月28日(木)法政大学多摩キャンパスで『SEED―命の糧』の映画上映とともに、北原君のトークショーがあります(あひるポストにチラシがあります)。何話すのかな?いくらもらえるのかな?と楽しみです。
散々だった10月でしたが、ようやく晴れ間の続く11月、野菜も果物も順調に、一段とおいしくなってきています。
トマト・なす・きゅうりは完全に終了しましたが、根菜類を主に味が濃くなり、「冬野菜がやっぱり旨いかな」と思わせる季節です。果物では富有柿がおいしいです。みかんもりんごも味が深くなってきました。
いよいよ冬です。あったかい物を食べて、あったかくなりましょう。

失われた34日間を取り戻せ!【10/3畑だより ―41回目の収穫の秋を迎えた富良野の畑から―】

北海道富良野南麓郷の阪井君から、実りの秋を伝えるお便りが届きました。
麓郷(ロクゴウ)は、あの『北の国から』の舞台となった所で、今も千歳空港からの直行バスが訪れているようです。
夏は地平線が見える程広々とした畑や牧草地が続き、冬はTVドラマにもあったように寒さと雪におおわれ、道々を往くのはキタキツネと時々熊というところです。
20才の阪井君が「こんなところに居たくない。東京に行こう!」と思ったのは当然のことだったと思います。『あしたのジョー』を夢みて、挫折して、それでも3回目の家出をしてやってきたのは、はじまったばかりの『あひるの家』でした。
11月~3月まで リヤカー八百屋をやりながら、週末「有機農業とは?」とおつき合いのある農家におじゃまして学んでいきました。
八百屋のことでいえば、元ボクサーだったのでフットワークが良く、百姓の息子だけあって野菜の知識と愛情は深く、そしてなにより見た目が格好良かったのですから人気が出ないはずはなく、3台のリヤカー八百屋の売上げトップランナーでした。
20才の阪井君が30才のぼくに遺してくれた言葉は、「百姓には“もうダメだ”という言葉はなくて、また種を播くんだよね」というもので、その後幾度もこの言葉に励まされたものでした。
イッチャン(鹿児島出身)を連れて富良野に帰った阪井君は、「もう家出をしない。おれ(オヤジ)の畑を手伝うならば、10町歩のうち1町歩を渡すから、おまえの言う有機農業とやらをやったらいい」と父親に言われ、阪井君の有機農業が始まったのです。
北海道は元々開拓者(移住民)の多い土地柄、「百姓をやりたい」という人たちへの門戸が広く、その人たちの多くが「有機農業をやりたい」と志していました。そんな人たちにとって阪井君は頼りになるフロントランナーだったのです。
こちらに来るとぼくの家に泊まり、何度か遊びに行ったことのあるぼくの子供たちも交え餃子パーティーで盛りあがるのです。
阪井君の営む『百・我(ももんが)農園』の主力は息子に移行しつつあります。2人の孫持ちにもなりました。
歳月は積み重なりましたが、向こうから黒いニット帽を被った青年が軽快なフットワークで駆けてきて、帽子をとって「北海道富良野の阪井です!八百屋やらしてください!」とあいさつした様を重い出します。
そんな阪井君から、玉ねぎ・じゃが芋・南瓜・坊ちゃん南瓜が届きます。
5月初めの長雨、5月末の高温、8月中旬までの干ばつ高温、収穫の今の長雨と、今年も都合通りいかなかったようですが、昼夜の寒暖差で糖やデンプンがつくられ、おいしい野菜が仕上がったそうです。食べてみてください。『北の国から』観ながら食べると一層おいしくなります。

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秋です。実りの秋です。
りんごが出てきましたよ。【ひろさきふじ】【ほのかふじ】【千秋】【トキ】【ひめかみ】その後に【紅玉】、各々固有のおいしさがあります。
弘前・伊藤さんの園地には熊が出てきて熟したりんごを食べたり、村には2頭の子熊が出てきて、初めてのことなので対策に頭を悩ませているようです。
柿は刀根柿・平核無柿、そして本命富有柿とつづきます。豊水梨・新高梨・プルーン・キウイフルーツ・バナナ、巨峰・甲州・甲斐路・ベリーAとぶどうも揃いました。グリーンレモン、間もなく早生みかんも始まります。
新米は栃木・鈴木章さんの自家用米、長野おむすび米、少しして新潟コシヒカリ、もう少しして福島さゆり米とつづきます。いずれも農薬・化学肥料不使用です。
野菜は台風15号と9月中旬から続く季節外れの高温で苦戦しています。
夏野菜は15号のダメージを回復できず終了に向かっています。大根・キャベツ・レタスなどもダメージを受け、仕入れ先を変えたので少量なのと高いです。10月下旬まで仕方ないかというところです。
この暑さ疲れます。なんとかいい秋を迎えましょう。