6月からあらたにおつき合いが始まった八王子の若手農家神田賢志くん(31才)の畑『キテレツファーム』が、先日めでたく有機JAS認証を取得しました。
これで晴れてあひるの3種類ある野菜値札を「農薬・化学肥料不使用」から「有機農産物」に書き換えることができます。
この「有機JAS認証」は20年前に農水省によって制定された制度で、それまでは「無農薬」「オーガニック」など農家や八百屋が好きに表現していましたが(あひるの看板はいまだに「反農薬」と書かれていますが)、消費者にとってわかりやすくするために認証を取った農産物にしか「有機」「オーガニック」と表現してはいけないという決まりになりました。
が、この「有機JAS認証」を取得する(継続していく)のって、農家にとっては時間的にも金銭的にもたいへん負担が大きいことなのです。
最初に有機JAS認証を取得するためには数十ページに及ぶ申請書類を書かなければなりません。審査にかかる費用は手数料だけでなく、調査員の交通費や宿泊費などの旅費等も、申請した側が負担します。しかも、一度認証を取得すればそれで終わりではなく、有機JAS認証を継続する限りは、毎年これを続けなくてはなりません。
そのため、20年前の発足当初はポラン広場の多くの生産者が有機JAS認証を取得しましたが、時が経つにつれ「お金がかかるから」「畑仕事以外の事務仕事が多すぎる」と辞退する農家も出てきました。
長いおつき合いの愛知・天恵グループも、世代交代を見据え若い世代が主力になっていく前に、「息子たちには面倒な作業はさせたくない」と認証を取り下げましたが、その息子世代は今でも認証に頼らず「農薬・化学肥料不使用」の野菜をあひるの家に出荷してくれています。
前置きが長くなりましたが、そんな諸々の苦難(?)を乗り越え、まだ若いキテレツファーム神田くんからの「有機JAS認証取れました!」の一報は、農水省の認証制度に疑問を覚えつつあったあひるスタッフにとって、久しぶりに肌で感じる新しい風でした。
実際のところ、有機JASを取得したからってキテレツファームの栽培方法が今までと変わったわけではなく、ぶっちゃけ「ハク」がついた(○○○の金バッジ?)ようなものですが、まだまだ若い有機農家神田くんの励みになるでしょうし、他の若い農家の刺激となってこれからの日本の有機農業の未来を明るくしてくれるような気持ちになります。
というわけで、本人よりも(?)大喜びのあひるスタッフを代表して農産担当(前)代表狩野からお祝いに【天然葡萄酒】めでたい赤白2本セットを贈呈したのがトップの大写真です。
毎週金曜日納品のキテレツファームの本日の野菜は小写真。この野菜たちに有機JASマークのシールが貼られるようになるのは、まだまだある事務作業が済んでシールが発行される8月に入ってからになりますが、神田くんにいち早く「おめでとうー!」と言いたい方は毎週金曜日12時前後にあひるに本人が来ていますのでお待ちしています。
神田くーん、うれしいからって昼間っから野外で白ワインなんか傾けたりしてないでしょうねー?!
祝!キテレツファーム有機JAS認証取得
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