6月から毎月第2第4日曜日昼、海野水産4代目海野マサトヨくんが旬の魚貝を販売がはじまりました。
前回13日(日)あひるデビュー戦ではやや緊張の面持ちで、それでも誠実な接客はお客さんにも評判がよく、「次回はもっとたくさん魚を持ってきます!」とやる気十分で帰っていったマサトヨくん。さて、2回目となる27日(日)のお魚は~、明日の朝出発ギリギリまで考えて捌いてくるので、今日の時点ではわかりません。正午~あひるの家で待ってまーす!
※第1土曜日・第3日曜日は直送となります
「海野水産の持ってくる魚貝がおいしい!のはどうしてなの?」海野君(兄・和豊)にききました
青梅にある海野水産の朝は早いです。朝4時頃に豊洲に向けてトラックを走らせるのが1日のはじまりです。
豊洲には500軒あまりの水産仲卸業者さんがいて、みんな勢いよく「ウマイよ!安いよ!とれたてだよ!」と声を張りあげ活気があります。
どれも良さそうなのですがグッとこらえて、全部見て回るようにしています。「これを買わなきゃ」「あれを揃えなきゃ」と決めないようにして、「いい物があったら買おう」と思ってひと巡りするのです。そして、「あそこはよさそうだな」と目星をつけたところに行って吟味するのです。
さて、ここからが魚屋の腕の見せどころ、ようするに目が利くかどうかです。豊洲だからいい物ばかりということはなく、散々してやられました(魚屋としての修行が足りなかったのですが)。
ポイントは4つあります。
①漁の仕方はどうなのか?
巻き網→定置網→引き網→一本釣りの4つがあって、どの方法でとったのかで魚の傷つき具合がちがってきます。
②運び方はどうなのか?
水氷箱→下氷箱→活き箱の3つがあって、大量の魚を水氷箱に入れて運べば一匹あたりの値段は安くなりますが、身がつぶれて腹わたから傷んできて、鮮度の劣化が早くなります。
③いつとったのか?
市場や漁港がよくやるのが止め物(ヒヤモノ)といって、相場(天候とか)を見て止めておいたものを出してきます。“ミョウバン”を入れてピーンと鮮度良く見せる手もありますが、目を見るとわかります。あと、“朝どり”か“昼どり”のちがいもあります。
④指定物を見つけられるか?
高級料亭などは漁港と直接やりとりして運ばれてきます。10匹中7匹が指定物で、3匹は残ります。仲卸は利益確保しているので、安く出してきます。これを見つけるのが楽しみなのです
それ以外にも例えば、9月中旬のこの時期ならこの港にあがったサンマが旨い!ということもあります。
そんなことを頭に入れながら、限られた時間で市場を回るのは、とてもエキサイティングで魚屋冥利につきます。いい物を仕入れられた時は「やったね!」と気分も爽快で、車のスピードもあがります(この間キップを切られましたけど)。
この1年余り、コロナ渦で市場も魚屋も大ダメージを受けました。「どうしたらいいか?」と苦慮している時、この話しがありました。
ぼく(兄・和豊)も10余年毎週日曜日あひるの家の店頭で販売させていただきました。その経験が今のぼくの礎になっています。
今度は魚屋2年目の弟のマサトヨがお世話になります。魚屋としては未熟ですが、一生懸命やると言っています。よろしくお願いします。
7月下旬『うなぎ店頭焼き』の時はぼくも行きます。お会いできるのを楽しみにしています。