畑だより ―もう無理!タマゴ値上げさせてください―

ひのき山農場は栃木県南部の焼物で有名な益子町に隣接する地域にあります。
1982年26歳の時に開設したので40年余りになります。杉とひの木が生い茂り、地元の人達から「ひのき山」と呼ばれていました。
お金も人手もなかったので、チェーンソーを買ってきて樹木を伐採し切断し、鶏舎と豚舎を建てました。勿論、大工やキコリの経験はなかったので難儀したのですが、とても楽しい思い出です。
それ以前は「動物を飼ったり育てたりする仕事をしたい」と思い、養豚場で働いていました。
初めの頃はとても牧歌的な職場だったのですが、400頭を超えはじめる頃から分業化がはじまり、コスト効率と管理が主な仕事になっていきました。
その頃観たアメリカのドキュメンタリー映画は、豚の脚を切断し目をつぶし、ウインドレスにし高タンパクカロリーの餌を与える「先端的な畜産」を告発するものでした。日本も将来きっとそうなるんだろうなと思ったものでした。
「鶏や豚がのびのびと健やかに生活できる環境と、生まれてから死ぬまでをめんどうみれる畜産をやりたい」と思いがつのり、退社して農場をはじめたのです。
はじめて20年余り、鶏と豚の飼育と精肉・ハムの加工もやっていました。70kgを超える豚を素人ばかりが扱うのはなかなか難しくて、養鶏だけに切りかえました。
ひよこ(一日令)から飼いはじめ、土やおがくずを敷きつめた鶏舎の中をとびまわり、昼は窓を全開にして風を入れ、陽射しもたっぷりそそぎこんできます。
飼料は近隣の3人の農家に作っていただいた大麦・小麦が主で、卵を使ってもらっている学校の給食の余剰食材をもらったり、出荷できなかった野菜を分けてもらったり、地域資源を生かす工夫をしています。
だから、無理をして黄身の色を濃くしたり、白身の弾力をもたせる飼料をあげていないので、やや黄色が薄いかもしれません。足りない分は遺伝子組換えフリーの国産原料(ウコン・貝殻・昆布・ミョウガ・ハーブ・唐辛子・大豆粉など)を使っています。
そうすることで鶏たちは元気に生活できていると思うし、それが卵や肉を戴いている私達の鶏たちへの恩返しなのだという気持ちです。
今は4500羽位飼っています。一般の大型養鶏所では100万羽・10段ゲージ2階建て・ウインドレス・遺伝子組換え輸入穀物・薬多投の飼育をしています。
自分の思い描いた養鶏が出来つつあると思っていますが、ここ1~2年のエサをはじめとして包装資材・運送費・水光熱費・人件費などの値上がりは、工夫の限界をこえたものになっています。
スタッフは娘たちも含めて7人いるのですが、万年人手不足です。3Kを通りこして4K(キタナイ・クサイ・キツイ・キュウカガナイ)といわれる職場なので、人がなかなか居ついてくれません。賃金をアップさせなけりゃと思っています。
10年前に脳梗塞をやってから娘たちが気を使ってくれ、日々の仕事は娘たちとスタッフが仕切ってくれています。
だから、個人商店から法人になった時、会社名を娘たち推しの(有)おひさまぽかぽかにしました。銀行の窓口で「おひさまぽかぽか様~」などとアナウンスされると、すぐ立ち上がるのがはずかしいのは今もです。
今後ともよろしくお願いします。

ひのき山農場 高田 和彦

4月1日(土)から価格改定になります 
【平飼い卵】 1個 ¥82 / 6個入 ¥485 / 10個入 ¥805

4月1日、沖縄はなんと海開きです。

ということは、夏野菜がはじまりました。トマト・ピーマン・パプリカ・長なす・ズッキーニ・いんげん・ミニトマト・新玉ねぎ・新じゃが芋……もうすっかり夏です。
ただ、沖縄は海で隔てられているのでトラック輸送という訳にはいかないので航空便になります。「空とぶトマト」「空とぶパプリカ」「空とぶズッキーニ」とイメージ的にはいいのだけど、運賃が高く野菜と同じ位かかるので、売りづらい買いづらいということになりますが、季節先取り野菜を食べてください。
けのひ北原君(神奈川)キテレツファーム神田君(八王子)のところでも春野菜がはじまりました。
春キャベツ・ブロッコリー・のらぼう・菜の花・大根・サニーレタス・リーフレタス・新ほうれん草・新小松菜……冬野菜とはちがった、やわらかくてフレッシュな味わいです。
果物は柑橘類揃いぶみです。屋久島タンカン(これがウマイ!)・甘夏・はっさく・キヨミオレンジ・まだミカン、今年は裏年なので少量入荷・早期終了となります。味としては1月2月が寒かったので、どれも味が濃いです。いちご・りんご(ふじ・王林)・キウイフルーツ・バナナは続きます。
茨城・飯塚さんから、保存しておいたさつま芋(紅はるか)が再開です(焼き芋はやりません)。
もう少しで野菜満開です。

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