これまでの1年間で放射能測定検査をした全品目(約400品目)の結果をプライスカード(値札)に表示します

検査結果にもとづいてお買い物してくださるようお願いいたします

これまであひる通信や店内ボードに最新の検査結果をお知らせしてきました。1年が経ち、放射能の影響をこうむったと思われる地域の生産物については検査結果が出揃ったので、プライスカード(値札)に表示することにしました(プライスカード作成を大急ぎでやっています)。お買い物をする時、一目瞭然で判断しやすいと思います。

―あひるの家が扱っている品物の放射性物質の検査は―
主たる検査機関は神奈川・横浜にある同位体研究所です。検査機器はゲルマニウム半導体検出器といい、機器の精度によって検出限界値(正確に計測できるリミット)が各々20・10・5・1ベクレル/kgと4パターンになります。
同位体研究所の代表塙(はなわ)章さんによると、「3.11以前、20ベクレル検査機を持っていたところはウチ以外あまりなかった」「検査依頼が殺到して、ウチもおもいきって1ベクレルの機器を導入したのですが、3000万円もしたんですよ。こんな高いもの買って大丈夫かなと少々不安です。」
1検体の検査は約1時間、費用は1万円~1.5万円位かかります。ポラン広場東京(あひるの家が参加しているグループ)では、検体(野菜や加工品や肉魚など)を採取して同位体研究所まで送る費用は生産者、検査費用はポラン広場と費用分担してやってきています。
皆様からお預かりした支援金は当初、被災にあった生産者の生活再建、職場再構築に使わせていただいたのですが、ここ半年位は検査費用に使わせていただいている現状です。

―あひるの家が扱っている品物は全て20ベクレル/kg以下です―
19ベクレル/kgあるというのではなく、検査機器の検出限界値が20ベクレル/kgなのでこのような表現になります。それ故、「不検出」という表示は20・10・5・1ベクレル/kgのいずれかで検査した検査機の検出限界値を下回ったということをあらわしています。
ここまでやってきましたが、販売は思うようにはいっていません。
先日、同位体研究所、原子力情報資料室のスタッフをまじえ生産者との集まりを持った時、生産者が近づいてきて「どうよ、売れてる?」と疲れ切った顔をしてきいてきました。
消費者の不安は続いています。
端的な例は、「検査してるっていってもサンプル検査で、このほうれん草は検査してない訳でしょ」という不安の声です。「そうだよなぁ」と首肯してしまいます。
でも状況判断としては、畑は平らでさえぎるものがないから、この列のほうれんには放射能が雨や風でホールダウンして、あの列にはしなかったということはない訳で、畑のどこからどのように採取したらいいかはNPO法人原子力情報資料室(日本の反原発運動の理論的拠点)の助言を受けて実施している訳だから、サンプル検査=無効とはならないと思っています。
そうは言ってみてもこれも状況判断でしかないので、この3月から“畑まるごと検査”をはじめました。可動式ゲルマニウム半導体検出装置を使って田畑全体の隅々の土壌まで測定することができます。そうすることで、サンプル検査(点)と畑まるごと検査(面)のダブルチェックで消費者の皆さんの不安をかなり取り除けるのではないかと思います。
食品を 作れない⇔売れない⇔食べられない の負の連鎖が続いているような気がしてなりません。
そんな中3月下旬、【さゆり米】(福島・熱塩加納町)の生産者代表の原さんと、お米屋さんの蔵野さんがお店を訪ねてきてくれました。
「この春の田植えはどうすんですか?」おそるおそる尋いてみると、「やるよ、毎年のことだっぺ」「雪が20センチ位あっから、溶けたら村総出で田植えだゾ、百姓だかんなぁ」と飄々とした口調で、「昼飯はごはんがいいなぁ」と3杯おかわりしてお喋りして帰っていきました。
「前年比7割減の売り上げ」について語ることはありませんでした。スゴイのかスゴクナイのか。
ただ、彼等が間もなく田植えをすることだけはわかりました。各々が個別にすべき仕事をする覚悟が必要なのだと思いました。

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