畑だより ―えっ?!端境期がはじまった?!―

「旬を運ぶ八百屋」「畑によりそう八百屋」というとなんだか恰好いい気分になるのだけど、実はそんな「八百屋」の辛く長い日々がはじまるのです。
「端境期(はざかいき)」です。
野菜の多くは、夏を旬にするものと冬を旬にするものの2タイプになっています。だから、夏が終わって冬が来るまでと、冬が終わって夏が来るまでの期間は実る野菜も少なく、お百姓たちは秋冬野菜の種播きや苗づくりや堆肥づくりを主とした農作業に力を注いでいきます。
ということは、畑の作物を売っている八百屋は、「あれもない」「これも終わった」「あれはまだ育っていない」と、売る野菜がなくなってくるのです(少しはあるけど)。市場を仕入先としているスーパーやデパートの野菜売場を見ると羨ましいばかりです。
特に今夏は暑さが早く来たので、野菜の生育が前倒し(10日~2週間位)になっていたので、終了もその分早くなっています。
と、グズグズ言っても、「そうなんだから、そうなんです」と自分に言いきかせています。

一転、実は「実りの秋」なのです。
まず米です。新米です。
9月、章さんの米(栃木)・おむすび米(長野)、10月いなほ米(新潟)、11月さゆり米(福島)とつづきます。
章さんからききました。
「9月に入ったら稲刈りだよ。でもなあ、広~い田んぼにおれ一人っていうことも多いな」
「ちょっと前まではどの田んぼも、町に出ていった子供たちも帰って来て、家族総出でやってたんだよな。昼にはあっちの畔やこっちの畔で車座になって皆でメシ食ってなあ。年に一度のハレの日だったんだけどな」
「近所は刈り取り業者にお願いしてるところがほとんどになっちまったよ。まあいいか!張り切ってやるべえ」
と、淋しそうでしたが、声は弾んでいるようでした。

実るのは果物です。
ぶどう ― 巨峰・ロザリオビアンコ・ネオマスカット・ベリーA・デラウェア
梨 ― 幸水・豊水・二十世紀・バートレット・スタークリムゾンペア
りんご ― 祝・さんさ・ひめかみ・きおう・つがる
パイナップル・タカミメロン・キスミーメロン・バナナ・キウイフルーツ、あと僅かの西瓜。アッ!それとまだあった貴重なレモンが広島からスポット入荷しています。

野菜は正直、品数も数量も少なくなってきています。
なす・きゅうりは減少、キャベツ・レタス・ほうれん草・小松菜など葉野菜は小さめ少なめ、トマト(北海道・長野)だけが充たされているかな、というところです。

「ない!」「ない!」とあまり言わないでください。夏の暑さでバテ気味の体にこたえます。
皆さんの「工夫」で端境期をやり過ごしてください。

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