畑だより ―冬だっていうのに南の島々はもう夏気分だって?!

冬の寒さで身も心もすっかり閉じ込められている気分のこの季節、「朝起きて“お~お寒ぶ”と腕をこすりあげるのは年に2~3回かな」「エーッ!ストーブやコタツなんかないよ」とのたまうのは、沖縄・奄美の島々の人たちです。
だから、育つ野菜も春夏シフトに移行してきました。
新玉ねぎ・新じゃが芋・ケール・きゅうり・トマト・ミニトマト・ピーマン・パプリカ・いんげん・プチ空豆・島らっきょう・タンカンなどがはじまっています。沖縄本島・宮古島・石垣島・久米島・奄美大島からの出荷です。
さえぎるもののない陽射しと、清澄な海風と穢れのない土に育てられた野菜・果物はこの上なく美味です。
沖縄のお百姓さんとの出会いは25年程前になります。当時ポラン広場グループのネットワーク担当のぼくと農産担当の今井さんと2人で、四島を一週間かけて巡りました。
「10月、まだ泳げるゾ」とバッグの底に水着をおしこんで出発です。
那覇で宅配をやっていた大森君が、各島の会場と、“有機農業”に関心があったり既にはじめているお百姓に声をかけてくれていました。
熱い熱い出会いと、狂喜乱舞の夜が続きました。ボルテージの高さは沖縄の百姓たちが100倍以上上回っていました。
島には1~3人位有機農業をやっている百姓がいました。でも、“出荷先”がないのです。島内は勿論、本土の有機野菜取り扱い団体も、コストパフォーマンス(荷がまとまらない・輸送が難しい)の点でためらっていました。
そんな中、「おれたちの気持ちをわかってくれるかもしれない奴が来た」と大歓迎をうけたのです。
ポラン広場は大きくない流通グループですから、1人とか2人とのつき合いが丁度よかったのと、沖縄とやってみたかったのです。
宮古島の百姓は出発のアナウンスがあるまで“機内”に入ってきて、両手を握りしめながら話しつづけ、「おれの友達がスッチーだからいいんだ(???)」と別れを惜しんでくれ、久米島の青年は親指に穴があいたくつ下の足を高く上げながら沖縄の踊りを舞ってくれました。
お酒を一滴も飲めないぼくには辛いものがありましたが、沖縄そばがおいしくて毎日食べたのと、“出会い”の熱量に翻弄された一週間でした。
沖縄・奄美・徳之島・南大東島と島々の野菜・果物が続きます。
野菜の多くは愛知渥美半島の天恵グループから届きます。キャベツ・大根・ブロッコリー・カリフラワー・セロリ・サニーレタスなどです。“有機農業”第一世代(ぼくと同じ年回り)が退き、第二世代が活躍しているグループです。
葉物(ほうれん草・小松菜・ちぢみほうれん草・春菊・菜花など)と保存野菜(白菜・里芋・人参・ごぼう)は、栃木・茨城・千葉・神奈川・群馬などの畑から出荷されています。
果物は、いちごの竹村さん(茨城)、りんごの伊藤さん(青森)、瀬戸内海・井場さんのネーブル、熊本津名木の甘夏、群馬・大野さんのキウイフルーツ、みかんは熊本・肥後あゆみの会と静岡・西山さんから届いています。
期待の南伊豆の山本剛さんの黄金柑は、山猿とヒヨドリとの争奪戦に負けないで出荷されるでしょうか?
今年は畑とのどんなつき合いになるのか楽しみです。
あったかいものを食べてください。

 

 

 

 

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