畑だより ―今回は畑のことというより、耕す人のことです―

6月29日30日、『種まきネット』の福島ツアーで二本松東和地区を訪ねてきました。
東和地区には13組30人余りの新規就農者が有機農業、自然養鶏を営んでいます。神主さん、フレンチのシェフなどを加えた交流会が、今回のツアーのメインでした。
73才~42才まで、移住歴16年~2年とまちまちですが、そこには「食べていけて、仲間がいて、夢がある」と感じさせるものがありました。
畑を案内してもらうつもりだった(雨のため断念)関さん(44才)は、13年前に家族4人で移住してきました。
東大を出てキャリア官僚として農水省に入所し、同期で別人だけど同姓だった関さんと結婚し、6年7ヶ月で退職、移住したとのことでした。
「丁度、就職氷河期と言われる時。ともかく安定した仕事につきたいと思って入所したんですよ。でも、3年位して“オレは本当に選んだんだろうか?”と思いはじめ、元々物づくりをしたいと思っていたので百姓を選んだんですよ」と、ニコニコ語ってくれました。
耕作不耕地の桑畑を借りたのだけど、根が張って起こせないで苦戦していると、近所の大工さんが工事用コンボを持ってきて掘りおこしてくれたり、まるで村総出で応援してくれたのです。
それでも、5年は作物はほとんど育たなかったと言います。その間、酒蔵に行って仕事をしていたそうです。
「10年がたって、ようやく手ごたえを感じてるなあ。震災・原発事故で出荷先の全てに断られたこともあったなあ。でも、いるんですよ、“なんとかしよう”という気持ちを持った人が」
関さんは冬場の仕事として自宅に『ビール工場』(ななくさビール)をつくり、仲間8人と丘の上にぶどう栽培からはじめる『夢ワイン』工場販売所もスタートさせています。いただいたキュウリ・ミニトマト・自家製パンは、ことのほかおいしかったです。
あひるの家が直接おつき合いしている北原君(神奈川)、鈴木章さん・田島君・高田さん(栃木)、竹村さん(茨城)、伊藤さん(青森)、阪井君(北海道)なんかにこの話しをして、「食べていけて仲間がいて夢がある」ってどうだろう?ときいてみるつもりです。

はじまらない夏に立往生している畑です。

<果物>
大玉西瓜・小玉西瓜・桃・すもも・ガラリ・パイナップル・キウイフルーツ・サクランボ・タカミメロン・バナナ・甘夏・河内晩柑と充実のラインナップです。曇天の前にある程度結実していたので、影響が少ないです。

<野菜>
キュウリ・ナス・長ナス・トマト・ミニトマト・ピーマン・インゲン・枝豆・ししとう・南瓜・トウモロコシ・キャベツ・カブ・ほうれん草・小松菜・アスパラ・チンゲン菜・ツルムラサキ・モロヘイヤ・にがうり・ズッキーニ・空芯菜・バジルと揃っているのですが、陽射しがないため傷み、枯れ、成長不足と障害が出はじめています。これから欠品、入荷量減少が広がりそうです。

北原祥ちゃんは過労、天候不順もあってダウンしています。皆さんも体調管理に十分気を付けてください。

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