年末恒例スタッフご挨拶Part5

台風15号東京直撃の天気予報に青ざめた令和元年9月。
観測史上関東地方過去最強の台風がやってくるとあって、一番に心配したのがあひるの家の家屋。あひるの家がこの土地にやってきたのが40年前だから、その少し前に建てられたこの木造一戸建てはかれこれもうすぐ50才?
その間、リヤカー八百屋を卒業した(前)代表狩野とゆかいな仲間たちが1階をぶち抜き八百屋『あひるの家』の看板を掲げ、当時の屈強なスタッフが柱を1本とっぱらい、料理好きのスタッフを中心に店舗2階でレストラン『ジャックと豆の木』をはじめるにあたり、これまた建築シロート集団による改装がなされ天井がなくなり……(以上はわたしの幼い頃の記憶と聞いた話しによります)。
何度も繰り返された改装が今の形に落ち着いたのが17年前。建築集団『光風林』による土壁と自然木によるすてきな店構えにリニューアルして、あひるスタッフも大満足、お客さんにも好評で「ここは何屋さん?」と通りすがりの人ものぞいてくれるようなお店になりました。
今(9月6日)そのあひるの家の家屋崩壊の危機にさらされている?
明日直撃予報は間違いなさそうなので、最低限今できることをやろう!と駆けこんだホームセンターでは養生テープはすでに売り切れ。「もうなんでもいいやっ!こっちの方が丈夫だろう」と買ってきた布テープで、1階2階階段部分のすべてのガラス窓を「米の字」で目張り。
一カ所でもガラスが割れたら強風が吹きこんできて、天井のない2階の屋根は吹き飛ばされて、旧『ジャックと豆の木』現事務所スペースは全滅だろうなあ…、漏電したらレジはおろか冷蔵庫冷凍庫の中身も全滅だなあ…、悪い方にしか考えられずにその日は午後1時に閉店して帰宅。テレビのニュースをつけっぱなしにして台風コロッケを作ったのでした。
翌朝、台風一過の旭通りを超え、恐る恐る店にたどり着くと……、前日と変わらぬあひるの家が!
奇跡としかいいようがないのですが、被害は赤テントの陽除けフック1個が店の前に転がっているだけでした。
年末のこの時期になると毎年思うのが、路面店で年中無休(あっ、お正月は休みますよ)で営業していると、ふとした時に訪ねてきてくれる遠くに引っ越したお客さんや昔働いていた八百屋スタッフ、隣には新しい家族がいたりして、そんな人たちが「ああ、あひるの家まだあったんだ~」なんて優しい笑顔で言ってくれることが何よりの幸せです。
あひるの家はまだまだ元気ですが、もうすぐ50才の家屋のことは少し考えてあげないとな~、来年はいつもお世話になっている建築屋さんに補修工事をやってもらおう。この前、ある人を前につい口をすべらせちゃった「ジャックと豆の木復活」も、やる場所がないとはじまらないもんね。
今年も1年ありがとうございました。来年も、再来年も、あひるの家はここ国立で元気にみなさんをお迎えします。「開いててよかった!あひるの家」ってね。

あかし

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