神奈川・北原くんの一期一会の野菜【伝統小松菜ごせき晩成】明日届きます

6月の夏の陣【相模半白節成胡瓜(さがみはんじろふしなりきゅうり)】ではじまった、神奈川・北原くんの『一期一会の野菜』。
さまざまな理由で食卓から消えていった日本の固定種野菜を、一度でいいからあひるのお客さんに食べてもらって、日本の農業のこれからを少しでも考えてもらえたらと、作り手北原くんと売り手あひるの共同プロジェクト第二弾が明日届きます。

『一期一会の野菜』

この100年間で野菜の品種の94%が消滅したといいます。
それは「日持ちしない」とか、「サイズが適当でない」とか、「たくさん作れなくて効率が悪い」とか生産者や流通業者、小売店などの様々な理由が原因で作られなくなったのだと思います。
すでに絶滅してしまって種も手に入らないような野菜がほとんどですが、その中でもまだ各地で種が繋がれている野菜もたくさん残っています。
キュウリといったらこの形、ナスといったらこの色、という固定概念を覆すようなちょっと変わった野菜たちを愛でて楽しんでみてください。
これからしばらくの間、季節に一種類ずつ選んでお届けしていきます。育てるのが大変なものもありますが、そこは就農10年目の北原、頑張ります。

『一期一会の野菜』第二弾~2020年秋夏の陣~東京伝統野菜【伝統小松菜ごせき晩成】

伝統小松菜は江戸時代八代将軍・徳川吉宗が鷹狩りに出かけたおり、昼食をとるために立ち寄った小松川村(現・江戸川区)の神社で出された澄し汁の具材であった「青菜」をたいそう気に入り、この青菜は何という名前か」「特に名はございません」「それでは”小松菜”と呼ぶが良い」となったとされています。
伝統小松菜の特徴は、味が一般流通のものと比較しても決して劣らないところで、東京都農林総合研究センター江戸川分場で行われた研究では、苦みが少ない、葉柄が柔らかい、筋っぽくない、歯切れがよいなど、食感については高い評価があがったとされています。
だだ、現在の小松菜に比べ、病害虫に弱い、天候の影響を受けやすい、成長するにしたがって葉が広がり、収穫時に葉が折れやすいなどの弱点が多く、栽培はなかなか難しいとされています。
ちなみに、現在一般流通されている小松菜は、伝統小松菜の弱点を解消するために中国野菜のチンゲン菜などとのかけ合わせで作られた品種と言われています。

神奈川愛川・有機農業歴10年の北原くんより

江戸東京野菜の一つに数えられる、江戸川区で育成された昔ながらの小松菜。現在の小松菜のほとんどはターサイやチンゲン菜との掛け合わせにより収量や日持ちなど、様々な点で改良を加えられています。それに対し、この小松菜は何世代もの長い時間をかけて小松菜を選抜固定した、いわゆる純系の小松菜です。実際に収穫してみていつものものと比べて生育が揃わなかったり、華奢で折れやすかったり、病害虫に弱いようにも見え、なるほど噂通りに若干の作りにくさを感じました。おそらくこの辺りが市場流通に向かない理由になり、世の中から姿を消していったのだと思います。
見た目の特徴としては緑が淡く、葉も茎の下まで伸びています。これが昔ながらの本来の小松菜の形なんだとか。その昔、徳川将軍をうならせるほどだったという味を確かめてみてください。

 

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