畑だより ―年の瀬の野菜はおまかせください?!―

2週連続して催したキテレツファーム神田くん(八王子)けのひ農園北原くん(神奈川愛川)の店頭直売の際の野菜を見ても、どの野菜も見事に育って瑞々しく旨そうでした。
2人の百姓にとって、11年目の北原くん、4年目の神田くんにとって、この1年は大きな飛躍の年だったようです。
北原くんは近隣のお米農家や畜産農家とのつながりができて、物々交換がはじまり(例えば野菜・卵⇔鶏のエサにするお米・稲ワラ、野菜・卵⇔堆肥の原料となる牛フン)、在の人達とのつながりも拡がったそうです。
そんなつながりを紹介してくれた神奈川TVやタウン誌を観た人がお客さんになってくれたり、何よりも大きかったのが愛川町の給食に提供できるようになったことだと言います。
年間1,000万円の売上げというのは、百姓たちのひとつの目標なのですが、今年初めて超えそうだと嬉しそうでした。
そして何よりも、「ここ2~3年、野菜が安定的に育っているように思う。天候や技術や品目選定ということもあるけど、土ができてきたんだなあと実感するなあ。10年か~ぁ」と、しみじみと語っていました。
「課題は何?」と尋ねると、「ウ~ン、子育てかな。反抗期っていうのか、毎日バトルみたいで難しいもんだねえ、成長していくってことは」と、畑とは異なることに頭を悩ませていました。
4年目の神田くんは、安定とは程遠い状態(なにしろ、マンパワーが足りなすぎる)ですが、どの野菜も種を播いて、草取りや間引きをし、育てるところまでは出来るようになったと言います。
問題は収穫の適期に人手がなくて収穫できずに、小松菜が大松菜に、人参が人参木に、枝豆が大豆になってしまうことも多かったと言います。
それでも、地元のデパートから「地産地消」のオファーがあったり、学校給食からの引き合いがあったり、出荷している卸先からの流通で都心のデパート・スーパーにも並んでいるようです。
「課題は何?」と尋くと、「今は土作りと技を習得する時期なので、借りている畑を縮小することと、安定したマンパワーがほしいな。それと、今度2人目が予定されているのだけど、流産のおそれがあるということで妻が今家に居ないので、子供の保育園の送り迎えなど家事・育児にも追われ、結構バタバタな日々ですね」と笑っていました。
と、この2人を主に大根・キャベツ・白菜・小松菜・ほうれん草・春菊・かぶ・ブロッコリー・カリフラワー・里芋・八つ頭……豊富にありそうです。
お正月用三つ葉・ゆり根・セリなどは確認中です。
果物は、茨城かすみがうらの竹村さんからいちごが始まりました。寒さで色付きが芳しくないので、しばらく不定期の入荷になります。クリスマス前には安定してくると思うので、クリスマス予約受け付けます。今のところ農薬・化肥不使用で育っています(病気がでて散布するようなことがあったら、プライスカードに表示します)。甘酸っぱくて香りの良い、おいしいイチゴです。5月位まで続きます。
「こんなミカン食べたことがない!」と毎冬評判の瀬戸内海高根島の井場さんのミカン、今年もやってくれています。全体に小振り→超小振りですが、「これはウマイゼ!」と言っていただけると自信を持っておすすめします。
ただ唯一の不安材料なのは、ここもマンパワーがないので毎年みかん畑を縮小していることです。だから、いつ終了するのか見通せないのです(せめて年内あるといいね)。ある時に食べてください。
年内あと20日。積雪・大寒波は諦めるしかないですが、今の順調な成育が続くと年末野菜が足りなくなるのではないかと、いつもの事だけど気が揉めます。
「百姓の心構えで大切な事は、半分諦めて半分で一生懸命やる事だ」と言うことですから、百姓に連なりたいあひるの家も、あるがままを受け入れて年の瀬を迎えたいと思います。
本気寒くなりました。お体に気を付けて、あと少しです。

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