2月に入ると冬野菜が終了に向かい、かといって夏野菜はまだまだという長い端境期を迎えることになります。
野菜は基本的に冬型と夏型なので、春と秋は数少ないかその名残になります。
百姓たちは収穫・出荷に追われることも少なくなり、落葉をかき集めて堆肥作りをしたり、春夏野菜の苗作りをしたり、新しい畑の土越しをしたり、ゆったりした日々を過ごしているようです。
ところが、八百屋にとっては2月~4月半ば位までの端境期は入荷する野菜が激減し、あっちこっち手を打つのですが「売る野菜がない」「棚がスカスカ」という辛い時期になります。
「ナイナイ!」を売ってみても売り上げにならないし、モチベーションが上がりません。
「旬の八百屋の宿命だ」「以前はじゃが・玉・人参もなかったんだゼ」と言ってみたところで、お客さんに「なんにも無いのねえ」と言われつづけるとムッとして、「欲しい物がないだけだろ。ある物で工夫してくれよ」と思うこともあるのだけど、見渡してみると「他の店にはあるものなあ」と得心してしまうのです。
そんな愚痴っぽい季節でもあります。
ところが、今ある野菜・果物はウマイ!のです。「寒いけど、野菜がおいしいわネ」と言われるのもこの季節です。
ほうれん草や白菜などは筋っぽさがなくなって甘くなり、みかん類やりんごも甘さが濃くなっています。
それは、吹きっさらしの畑は貯蔵庫の中で凍って傷んでしまわないよう、自ら糖度を上げているからなのです。生命を長らえるための自衛作用ということなのです。スゴイ!エライ!と思います。
「それに比べてオレ達は重ね着したり暖房したり、軟弱だなあ」とも思いますが、寒いことは寒いので感謝していただきましょう。
寒さに耐えて旨味のました野菜・果物がでています。
ほうれん草・ちぢみほうれん草・小松菜・チンゲン菜・わさび菜・ケール・春菊・白菜などの葉野菜も、さつま芋・里芋・人参・じゃが芋・玉ねぎ・れんこん・長ねぎ・ごぼう・長芋などの根野菜も、一年で一番おいしいです。
ただ、凍ると傷むのでギリギリのところですね。
キャベツ・大根・ブロッコリー・カリフラワー・レタス・サニーレタスなどは、暖流が流れているせいで霜が降りない雪が降らない愛知・渥美半島のティエラスから、良い状態で入荷しています。
果物は柑橘類が揃いはじめ、みかん・はっさく・ネーブル・甘夏・伊予柑・デコポンが熊本・福島さんから、りんごは青森弘前・伊藤さんから、いちごは茨城・竹村さんから届いています。
厳冬期、あったくして甘い物を食べて乗り切りましょう。
畑だより ―冬の野菜・果物のエライ!を食べる―
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