年末恒例スタッフご挨拶Part4

Rちゃんへ
ご無沙汰しています。
今年の夏は暑く長い夏でした。お変わりなくお過ごしですか。
一緒に旅行した懐かしいあの夏を思い出しています。「ダンケシェーン」と「ビアビッテ」しか話せない父が、ドイツへ行きたいという気持ちだけであの旅を過ごしたことは今になってとても勇気をもらっています。最期まで自分の意思を貫き通し、自身が生涯時間の多くを過ごしてきたアトリエから、この夏、家族で見送りました。
亡くなった人が蝶になって会いにきてくれるという迷信を数ヶ月経った今でも信じこみ、ひらひらと舞う様に寂しさを手伝ってもらっています。皆んなで過ごしたあの夏を改めて心に刻み、大切にしていきます。また会えるその日までお元気でね。    里夏より

ドイツを訪れたのは私が学生の頃だった。父と父の教え子さん2人と私の親友と私の5人だった。行きたい気持ちだけで集まったこの5人は、ほぼ初対面にも関わらず皆んな意気投合し、毎日がとても新鮮で楽しかった。好奇心旺盛で感激屋の父は、ドイツ人の歩く速さに心動かされ、父に着いていくのがやっとだった。父は美術を専門としていたので、美術館や博物館を一日中歩いて回った。日毎の終わりにはビールで乾杯をし心地よい疲れに浸った。先日、実家で父の遺品整理をしていた時に、宿泊したホテルで毎朝描いていた父のデッサンが出て来た。父がまるでそこに居るかのように温かさが巡った。ドイツで感じたことが一度に思い返され熱い想いになった。今年は大切な人を見送るという大きな経験をした。随分と前に人生の先輩が言っていた「大切な人を亡くすとその人をより近くに感じられるようになるわよ」の言葉の意味が今なら理解できる気がする。そうだ、年が明けたら額縁を探しに出かけよう!

りか

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です