38年前、まだ始まったばかりのあひるの家で半年間リヤカー八百屋をやっていた、富良野麓郷(ろくごう)の阪井さんから、生産者便りが届きました。
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いつもより雪融けが早い順調な春のスタートと思いきや、雨が多く、晴れ間をぬっての種蒔き、移植がやっと終了。
その後も畑が乾く間もない雨が続き、多湿低温で5月6月出遅れ、猛暑が続く7月8月でも生育が追いつかず。
8月末の7号11号9号3連続の台風上陸、その後10号13号での大雨。畑の土や野菜が流され、1週間で400mm以上の雨量で、収穫作業もなかなか進みません。
水源地が土砂で埋まり断水したり、主要道路が寸断されたりと、自然の力を改めて確認する試練の一年になりました。
【じゃが芋】 早生白・さやあかね
発芽までは良かったのですが、その後の生育が進まず、早生白は花芽もそろわず、玉付き小さく、経験のない台不作になってしまいました。さやあかねはもう少し良いですが、不作です。味はデンプンはのって、粉ふきになる芋です。
【玉ねぎ】 オホーツク222・アーリーレッド
移植が春の雨で遅れ、その後の長雨低温で全国的に被害をもたらしたベト病が多発して、消えてしまうもの、小さく出遅れるもので、かなりの大不作です。味は甘味もあり、いつもの味だと思います。
【南瓜】 九重栗・味早太・味皇・坊ちゃん
春の低温多湿でかなり出遅れ、草勢がいつもよりなく、玉付きも悪く小さめで、大不作です。南瓜は環境の中で育てられる子の数が決まるので、玉付きが悪いのも…!
【小豆】 しゅまり 【金時豆】 大正金時
生育は平年並みかと思われていたのですが、8月下旬よりの台風の多雨多湿で花付きが悪く、収量はあまり期待出来ません。
【小麦】 春よ恋
何故か、生育のタイミングが良かったか…? 豊作でした。
昨年の8月末から冬にかけて、見たことも無いネズミの大発生で驚きましたが、これは今年の天災を予期した事だったのでしょうか…!
50年に一度という経験は、一生に一度か、長生きすれば二度ということになります。そう考えたら、甘く見てはいませんが、来年は良い年に…!
今年は小さな野菜たちですが、想像も出来なかった過酷な環境の中、乗り越えるためにエネルギーをため込んで、力強く美味しく育ってくれました。
そんな事を想像しながら味わっていただけたら幸いです。
収穫できる幸せ、食べる幸せ、暮らす幸せに感謝。
2016年9月 38回目の収穫の秋
富良野 百・我(ももんが) 阪井 永典・伊知子・奏太
追伸
私事ですが、申年の還暦です。この秋、同じ環りの申年の初孫が生まれます。大収穫の秋です。
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百姓は、心が強い!
阪井くんの【じゃが芋】【玉ねぎ】【南瓜】【豆】は、余剰が出たらあひるで引き取ると、代表狩野と阪井くんが電話で話していました。
来年2月に東京に来るときは、また一緒に飲みましょう!