―寒いと甘くておいしくなる?―
茨城・栃木・神奈川の畑は、この辺りより朝の気温は3℃~5℃低くなります。霜が降りるのはあたり前で、雪も時々舞います。
吹きっさらしの畑でほうれん草も小松菜も大根も白菜も朝には真白く霜におおわれ、陽が昇ってくるとキラキラと輝いています。この繰り返しが、甘さと旨さのヒミツです。
実は、本当に凍っちゃう腐っちゃうので、野菜たちは自ら糖度を上げて、凍死することを防ごうとしているのです。更に、霜~溶けるを繰り返すことで葉脈の筋っぽさを溶かして、やわらかくトロッとした味わいをつくりだします。スゴイですよね、野菜の生命力。
それに比べて、ホッカイロベタベタ貼って、くつ下3枚はいて、暖房強くして……それでも「寒い~」と言っている我が身がなさけない。
―保存することで旨くなる?―
サツマ芋・里芋・じゃが芋・玉ねぎ・人参・ごぼうなどの根野菜は、水分が多いため畑においておくと凍って腐ってしまうので、掘りあげて寒気が入らないよう保存しておきます。
家の中の暖かい所に毛布をかけて置いている人もいますし(北海道の農家でストーブのそばにゴロゴロ南瓜をころがしている百姓もいました)、ワラで囲った室(ムロ)に入れている人や、ビニールハウスの中に溝を掘ってモミガラを敷きつめてサツマ芋をおいて、その上にモミガラを山のようにかけて保存している人もいます。
寝かせておくことでエグミと水分が抜け、甘味と旨味がましてきます(あったか過ぎると芽がでてきたりするけど)。
りんごや柑橘類は凍ることは少ないのですが、置いておくことで酸味が抜け、甘味がまして味が濃くなっていきます。更においしくする工夫として、倉庫の床・壁・天井に炭を練り込んで庫内の空気を浄化させ、味と品質を保とうとしている百姓もいます。
寒さに耐えながらおいしくなっている野菜・果物に感謝していただきましょう。
―寒くないので、とれたて野菜が届いています―
20℃を超える日々が続いている沖縄の島々から、トマト・ミニトマト・キュウリ・ピーマン・パプリカ・インゲン・プチ空豆・島らっきょうと春~初夏野菜がはじまっています。
朝「暖房がほしいな」と思うのはひと冬で2~3回だそうで、ほとんどの家庭に暖房機はないといいます。
たいして暖かくはないけど、暖流と強い風のせいで霜が降りないのは、愛知県知多半島の天恵グループの畑です。キャベツ・グリーンセロリ・ブロッコリー・カリフラワー・大根が届いています。有機第二世代が地域ぐるみでいい野菜を作っています。
「寒い!」から「凍える!」日々がこれからも何回かあるでしょうが、おいしい野菜で体をあたためてください。