Monthly Archives: 2月 2017

【今日の干し芋情報】2.18速報

一昨日のブログで「川又さんの干し芋間もなく終了!あと20kg弱」とお伝えして、【干し芋】ファンの不安をあおってしまいましたが、本日思ってもないことに【干し芋】3ケースがドーンと届きました。
2月15日に届いた3ケースで最後と覚悟していたのですが、物は試し、当たって砕けろ、ダメモトで茨城・川又農産にFAXしてみたのです。

川又農産御中

最後の?干し芋ありがとうございます。

もうないですよね?

あったら、干し芋バラ10kg×3cs(2csでも、1csでも)お願いします。

今季もありがとうございました。

(ほぼ原文ママ)

感謝しているのか、お願いしているのか、未練タラタラのFAXになってしまいましたが、溺れる者は藁をもつかむ?捨てる神あれば拾う神あり?なんと今季最短の中2日で希望通りの3ケースが届いたのです。
川又さん、感謝です!
一昨日の時点で20kg弱だった店頭在庫も、今日正午時点であと3kg。ついに今季終了日を迎えるか、というタイミングで「干し芋3ケース届きましたけど、どこ置きますか」と持ってきてくれたヤ○トさんに後光が射しているようでした。
【干し芋】ファンのみなさん、ご安心ください。これであと数日は【川又さんの干し芋】の販売ができそうです。

さて、仏の顔も三度までとなるか、三度目の正直となるか、今夜もう一回だけ川又さんにFAXしてみようと思います。

「もう、ないですよね?これっぽっちもないですよね?だけど万が一……」

これでまた来たら、あひる版靴屋の閉店セールだな。
【川又さんの干し芋】あと28kg(2月18日現在)。

【有機みりん粕】レシピ

伝統的な本みりん造りからしか生まれない、季節限定の貴重な【有機みりん粕】。
清酒の酒粕に比べてちょっとぽそぽそしていますが、甘みがあって酒の香りが酒粕ほど強くないので、そのまま摘んでアイスクリームなどに混ぜても美味。
酒粕のように粕漬け、粕汁に使うと、やわらかな香りでまろやかに仕上がります。
他にも、煮切ったみりんと水を加えて甘酒にしたり、牛乳、ドライフルーツを加えて練ってのばし、クラッカーのように焼いて食べたり、いろんな食べ方で楽しめます。
製造元・角谷文治郎商店のホームページでは、「切干大根のスープ」「すきやき風」「ココアと豆腐のケーキ」「バナナシェーク」「豆乳グラタン」「トリュフ」「おはぎ」など、【有機みりん粕】を使った目からウロコのレシピが多数紹介されています。ぜひ参考にしてみてください。

角谷文次郎商店HP http://www.mikawamirin.com/

新商品・再開商品

鹿児島喜界島産さとうきび使用
【喜界島黒糖ブロック】120g 250
鹿児島喜界島で栽培されたさとうきびのしぼり汁を、低温でじっくりと煮詰めました。甘味にしつこさがなく、後味があっさりとしています。お茶うけ、お菓子作り、料理に幅広くお使いいただけます。茎に糖分が集中する冬期限定品。  [鹿北精油]

ホクホクの食感
【北海道産紫花豆】200g 470
北海道北見地方は全国一の花豆の産地、きれいな赤い花が咲くので「赤花」ともいわれています。関東の紫花豆に比べ、小ぶりですが、皮がやわらかく、ホックリしています。粒の大きさやホクホクした食感を活かして、ケーキやタルト、蒸しパン、ごはんやパン、煮込み料理など、いろいろな料理にどうぞ。 [べにや長谷川商店]

 

皮が黒く中身が緑色の大豆
【北海道産黒千石大豆】200g 470
農薬も化学肥料も使わずに栽培した北海道産黒千石大豆です。古くは緑肥作物として栽培されていましたが、栽培に手間がかかりすぎることから1970年代には生産が激減しました。一時は絶滅したと言われていたこともある品種ですが、今でも田圃で麦の輪作作物として作付けされるなどして残っています。
煮豆や豆餅の材料としてどうぞ。炒ってからお米に混ぜて炊飯するのもお勧めです。   [べにや長谷川商店]

 

ストックしておくと便利
【有機スイートコーン缶】125g 170
シンプルに食塩のみで仕上げた薄味のホールコーン缶詰です。日本の有機認証を取得したタイ産のとうもろこしでつくりました。使いやすい食べきりサイズです。   [アリサン]

 

桜の風味がほのかに香る出雲そば
【桜そば(つゆ付)】320g 500
挽きぐるみ(甘皮ごと玄ソバを粉にする)の自社製粉のそば粉に、桜の葉を練り込みました。桜の風味がほのかに香り、季節感を演出します。鰹節・昆布・椎茸で出汁をとったまろやかな味のつゆとの相性も抜群。  [本田商店]

 

おなじみ小山さんの関東風桜餅
【桜餅】50g×4 800円  [冷凍]
北海道産小豆と洗糖で作ったこし餡を、桜色の生地で包みました。生地は、国産小麦粉と糯米粉を銅板でクレープ風に焼いた関東風の薄皮タイプ。桜葉は薬剤処理をしていない国産のものを使用しています。
桜の香りが広がり、程よい甘さのこし餡と桜葉の塩漬けの塩気が互いに美味しさを引き立て合う、季節感あふれる和菓子です。    [小山製菓]

 

桜のお菓子作りや、桜湯に
【桜の花の塩漬け】40g 360
奈良・王隠堂農園グループの八重桜の花を、白梅酢と塩で漬け込みました。お湯に一輪浮かべて桜湯として、香りや色をお楽しみください。八重桜を使用しているので、お湯の中で花びらがふんわり広がります。そのほかゼリー、桜餅、アイスクリームなどのお菓子作りや桜ご飯、お吸い物、蒸し物、酢の物など料理にもお使いください。  [王隠堂農園]

 

近づく春を待ちながら
【桜の花のクッキー】8枚 400円  2/20から
長野産小麦粉、北海道産バター、洗双糖、平飼い卵を使った生地を、1枚1枚手で丁寧に型抜きした、可愛い花型のクッキー。奈良・王隠堂農園の桜の花の塩漬けをトッピングし、春らしく仕上げました。素朴な味わいのクッキーに桜の香りが良く合います。紅茶やコーヒーはもちろん、緑茶と合わせるのもおすすめです。                 [サンラピス]

 

脂のりがよい、白身のやわらかな魚
【銀だら切身】80g×2 885円  [冷凍]
脂がのっていて、クセがなく旨味のある魚です。塩焼きにすると脂の甘みと旨味が味わえます。煮付けにすると旨味があるとろっとした身が楽しめます。西京焼き、粕漬け、ムニエル、フライなどにもどうぞ。
放射性物質[不検出]検出限界値3ベクレル/kg    [三陸水産]

 

脂のり抜群
【能登ブリ切身】100g×2 1,050円  [冷凍]
能登で水揚げされた脂ののったブリを使用しています。塩焼き、照焼きなどに使いやすい肉厚の切身です。 [岡田商店]

魚料理の幅がひろがります
【メカジキ切身】90g×2 495円  [冷凍]
太平洋沖で漁獲し神奈川県三崎港産に水揚された、鮮度のよいメカジキ(カジキマグロ)を、ステーキサイズにカットしました。脂がきっちりのっているので、熱を通しても柔らかく、ジューシーです。焼く、煮る、ムニエル、フライなどお好みの味付けでお召し上がりください。メカジキの血合は美味で柔らかく栄養があります。 [シープロダクト]

 

自然からの恵み「天然魚」のホッケ
【塩ホッケ切身】200g 430円  [冷凍]
自然からの恵み「天然魚」のホッケです。添加物は一切使っていません。自家工場で製造、直送の為どこよりも新鮮です。熱々のご飯や、酒の肴にぜひどうぞ。     [三陸水産]

【川又さんの干し芋】早期終了のお知らせ

今季はなかなかリレーが続かなかった冬の大人気商品【川又さんの干し芋】。
先日茨城ひたちなか市の川又さんから連絡があり、「今回分でたぶんお終いとなりそうです。今年は原料となる芋の終了が少なく、ご迷惑をおかけしました」とのこと。
例年より1ヶ月も早い終了予告にスタッフは一時騒然となりましたが、芋農家でもある川又さんのことを思うと「しょうがないね」と言うしかない。
栃木の鈴木章さんや田島さん、神奈川の北原くん、茨城の竹村さんなどおつき合いのある百姓はみな、天候不順・自然災害・獣害・不作と相対しながら野菜・果物・米を作っています。
たとえ今年不作であってもその苦労は顔には出さず、「また来年がんばっからよろしくね~」と明るく言って、それでその話はおしまい。
農家の人はすごいな~。
なのでみなさん、今季最終入荷の【川又さんの干し芋】、よ~く味わって食べてくださいね。
【川又さんの干し芋】店頭在庫残り20kg弱。

「せめておうちに帰ったら」ゼンケン空気清浄機【エア・フォレスト】Wキャンペーン実施中

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※【エアフォレスト】商品詳細については、(株)ゼンケンのホームページでご確認ください  http://www.zenken-net.co.jp

2月18日(土)おむすび屋高ちゃんウマイもの盛りだくさんフェア!

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★いち!にい!さん!でにぎったおむすびはウマイ!【おむすび】鮭・昆布・たらこ・おかか・梅 1個150円(税込)  

★7種の雑穀を発酵させたノンアルコール発酵飲料【雑穀グルト】 → 大特価! 

★味の良さで売り切れ続出!ご予約承ります。全て朝作った高ちゃんファミリーの自家製弁当1パック500円(税込)  青梅地鶏と地卵の【親子丼】 熟成青梅豚の【生姜焼丼】 ボリューム満点!【三色丼】 なんといってもピカイチの、だるまささげを使った【お赤飯】

毎月恒例、青梅のお米屋『高山商店』3代目おむすび屋高ちゃんこと高山博之さんが、当日朝にぎりたての【おむすび】や【お赤飯】【丼もの】、ひな祭りにもおすすめの雑穀甘酒【雑穀グルト】、【おむすび】にも使用している自家ブレンド米【おむすび米】などウマイものをもってやって来ます。
じつは高ちゃん、翌日に開催される地元の一大イベント「青梅マラソン」に今年初挑戦。ひそかに昨年からトレーニングしていましたが、さてその成果は。
おむすび屋高ちゃんのウマイものを買って食べて、ランナー高ちゃんを応援しよう!

※【おむすび】【丼もの】は数に限りがありますのでご予約が確実です

今週の10%OFFSALE!

米粉を使った動物性原料不使用のカレールゥ

【米粉カレー甘口】【米粉カレー中辛】 各160g 400円(税抜) → 360円(税抜)

埼玉産米粉を使った本格カレールー。昆布、じゃが芋、椎茸、人参などの植物性原料を使った、コクのあるまろやかなやさしい味。
昆布やしいたけで旨味を出しているのでカレーうどんにするのもオススメ!
フレークタイプで使いやすく、保存に便利なチャック付袋。
6皿分

放射性物質[不検出]検出限界値3ベクレル/kg

[SALE期間:2月13日(月)~ 2月19日(日)]

お知らせ

2月12日(日)の魚屋さん海野くんの魚貝販売はお休みとなります。

楽しみにしていた方、申し訳ありません。

次回海野くんの「ウマイ!魚」の販売は、2月19日(日)となります。

「海野くんの魚お休み」と「干し芋間もなく終了」でちょっとさびしい日曜日ですが、お天気も良さそうなので、お買い物をお楽しみください。

冷凍ですが【能登ブリ切身】【銀ダラ切身】【塩ホッケ切身】【メカジキ切身】久々に入荷しています。ご利用ください。

桃の節句“ひな祭り”のお菓子

3月3日は桃の節句。女の子の健康と幸せを願うおまつりです。ひなあられやひし餅で華やかに、桃の節句を楽しみましょう。

ひし餅
古くは、飾りにつかわれる餅は、草餅でした。草餅の草は母子の健全を祈って母子草(ゴギョウ)が、後にはよもぎが使われるようになりました。どちらも、邪気を祓い疫病を除くと信じられていたからです。現在の姿になったのは、江戸時代後期といわれています。これは、中国の伝説やインド仏教の説話に因るなど諸説あります。いずれにせよ、長寿を願い子どもを守るという意味で、菱の葉の形に似せて切った餅を供えるようになったといわれています。
菱餅に使われる三色には意味があり、緑が健康や長寿、白が清浄、桃色(紅/ピンク)が魔除けを表しているという説、草餅の上におめでたい意味で紅白の餅を重ねたという説、緑が大地、白が雪、ピンクが桃の花を表している説、など諸説あります。

美しく健やかに育ての願いをこめて
【ひし餅】1個(160g) 450
清らかな水と澄んだ空気の中で育まれた、島根県雲南市・奥出雲産もち米を使用し、着色にも 島根県雲南市で作られたよもぎ、しそ梅酢を使用し、やさしい自然な色合いを表現しました。  [吉田ふるさと村]

ひなあられ
ひなあられは、おひつのふたや底に残った米粒をそのつどこまめにザルに干しておいたものを再利用するお菓子です。一年の丹精の結果を、お正月ののし餅の切れ端と一緒に煎って、砂糖がけにして食べます。母から娘へ“桃の節句”にことよせて、台所を預かる主婦の心配りや節約を伝えたものです。桃、緑、黄、白の四色、それぞれ四季を表していて“四季を通じて娘が幸せでありますように”と願う気持ちも込められています。

色ごとに味わい違うひなあられ
【雛あられ】60g 360
宮城産有機もち米「ミヤコガネ」を使用。着色には紫芋、抹茶、醤油を使い、見た目も華やかに、色ごとに味わいの違いを楽しめる雛あられに仕上げました。紫芋はほんのりとしたやさしい甘み、抹茶は香りが引き立つ上品な味、砂糖はふんわり溶けるまろやかさ、醤油はお口直しにピリッとした旨みが楽しめます。
原料【もち米】放射性物質[不検出]検出限界値1ベクレル/kg  [精華堂霰総本舗]

自然な色合いの三色あられ
【ひな祭ぽんちゃん】100g 340
おひなさまの三色あられを、農薬不使用の庄内産米と吟味した副原料で作りました。お米の白、モロヘイヤの緑、紅麹の赤、色合いと食感が楽しめます。
原料【米】放射性物質[不検出]検出限界値3ベクレル/kg  [庄内協同ファーム]

神奈川愛川・北原くん一家のヨーロッパ旅行記①

トマトソースに導かれ ~有機農場を巡る旅 イタリア編~

昨年の夏の終わりから秋にかけて、大きな台風や長雨の影響で全国的に不作となり、私たちの畑も例外なく大きな被害がでました。そのとき取れるような野菜も打撃をこうむりましたが、一番大きく被害を受けたのは年明けから収穫する予定だった作物でした。
「収穫するものもなくなり、この先どうするんだろうか」と一晩悩みましたが、出した結論は「じゃあ旅にでよう」ということでした。
テレビ番組で見たイタリアの農家は陽気で、家族みんなでトマトソースを作り、お昼ごはんの時にワインを片手に歌を唄っていました。
その姿はまさに農民。こんな生き方、在り方があるのかと感激し、こんな人たちに会ってみたい、という単純な欲求から行先をイタリアに決めました。
ただ、エアーチケットを取る段階で、せっかくだからお隣のフランスも見ておくか、ということになり行き先はイタリアとフランス、全12日間の行程で決定しました。
旅に出るにあたり、幼い子どもたちを連れていくことに心配の声が多数寄せられました。とはいえ置いていくわけにもいかないので、深く考えることなく、家族5人のドタバタとした旅が始まりました。
機内では映画にお酒、読書に昼寝と普段やりたくてもできないことがみっちり13時間もできる!と楽しみにしていましたが、蓋を開けてみればなんのその、「暑くて眠れない」、「せまくて嫌だ」、「気持ち悪い」、「トイレ」などなど3人の子どもたちに振り回され続け、映画一本を見るのに20回は中断させられ、諦めて眠ろうにもすぐ起こされ、地獄のようなフライトに。イタリアに着くころにはこちらの方が疲労困憊になり、あんなに好きだった飛行機に二度と乗りたくないと心底思うようになっていたのでした。

翌日、最初に訪れたのはローマ近郊の有機農場で、32haという私たちの25倍もの面積を有する大農場でした。しかし大きくとも合理的な作付や作業方法で運営しており、すべてはやり方次第ということを学びました。また、フクロウを呼び寄せて圃場にはびこるネズミを駆除したり、自然の仕組みを味方につけての方法論は感動的ですらありました。
途中、今までに見たことのない姿形の野菜を見つけるとその場で食べさせてくれたのですが、野菜大好きの3歳の次男が口に運んだのはラディッキョロッソ。口に入れるとほのかな甘みの後に割と強めの苦みが襲ってきます。それを喜び勇んでガブリ。みるみるうちに顔色が変わり、泣いて、吐いて、残念なことに…。
そんなこともありながら、忙しい中、3時間もの時間を、しかも無償で提供してくれた50代の農家さん。通訳さんを通して丁重にお礼を述べると、「同じ農民のつながりだから」との答えが。同じ大地に根差す農民の絆はたとえ地球の反対側まできてもつながっているのだと感激したのでした。

そして次に訪れた農場は同じくローマ近郊の60代の農家さん。彼は元銀行員でしたが、「人生を見つけるため」と若くして高給もステータスも捨てて脱サラし、ゼロから農民としてスタートした方でした。(高給もステータスもありませんでしたが)自分も同じ脱サラ就農者だと知ると、とても共感してくれました。
数匹の犬や猫が自由に歩き回っているだけでなく、ロバや鶏まで飼っていたため、畑に興味のない子どもたちは動物たちと戯れて過ごしていました。子どもたちの相手をしてくれていた農家のお母さんは「今日ほど日本語が話せたらって思った日はないわ!」と悔しそうにしたのが印象に残っています。

一通り畑の見学が終わると、「うちでお昼を食べていきなさい」と家に招き入れてくれ、ローマ名物のカルボナーラやとれたての野菜で料理をしてくれました。そこでごちそうになったカルボナーラの美味しかったこと。美味しさと感激でこの旅一番の印象に残る食事となりました。

また、予期せず憧れのイタリア農民のキッチンに入ることもでき、それも私たちにとってはとても嬉しい経験となりました。「なんでうちみたいなところに日本人がくるのか!?」と驚きを隠せなかったお父さん、お母さんもキス&ハグで別れを惜しんでくれ、「次は一週間くらいきなさいよ」と涙ながらに温かく見送ってくれ、お土産にはなんと自家製のトマトソースを持たせてくれました。イタリアに行こうと思ったきっかけである、農家のトマトソースです。心から嬉しかったのは言うまでもありません。

その後訪れたのは同じくローマ近郊の40代の新規就農者。北海道の美瑛さながら、どこまでも丘の続く美しい場所でした。
彼はバイオダイナミック農法というやり方で営農し、大地の力、宇宙の力を利用して生命力に溢れる野菜を栽培していました。
圃場を見学中、雨がパラツキ、強風が吹き始め、「一年で最悪の日に来たね」と笑いながら話してくれました。しかしそんな冗談を言っていたのもつかの間、寒風は非常に厳しく、一同鼻水を垂らしながらの視察に。それでもケラケラ笑いながらついてくる子どもたちを見て、「この子たち、すごいね。うちの子には無理だよ…」と感心されたのでした。
その後、寒すぎたために家に招かれ、お茶を飲みながら彼の話は続きます。
「私は製品を作ることに興味はない。食べ物を作っているんだ。化成肥料を使うことは簡単だけど、化学的なものが一切入っていない生命の息吹を感じる土壌で育った美味しく、香る野菜を食べてもらい、健康になってもらいたいんだ」
「イタリアでも若者の農業離れは加速している。だけれども、ぼくたちがやらなくちゃいけないよね!」
「遠く離れていても、考えていることは一緒なんだね!」
と熱く語り、大いに共感して固く握手をしてくれたのでした。そして別れ際にはやはり自家製のトマトソースを持たせてくれました。彼らの中でトマトソースの持つ意味というのが、なんとなくわかってきた気がしました。

ローマ近郊で出会った3軒の農家は60代、50代、40代と全員自分より一回り以上の先輩たち。それぞれにここまでの人生があり、農業における苦労を話してくれました。技術もさることながら、彼らの生きざまを心に焼き付け、イタリアをあとにしたのでした。