“トンガッテ”生きていきたいものです。
「20年前の八百屋やなあ。ドキドキしたりワクワクしたりするもんがないなあ。もっとトンガラなあかんとちがいます」
と述べたのは、久し振りにあひるの家を訪ねて来た40年来の友人の感想でした。
彼はあひるの家のことを言ったのだけど、私自身のことを言われているように思えたのです。
この年(もうすぐ喜寿77才)になると、「まだやってるの」「よくやってるよね」と驚かれたり、評価(?)されたりすると「そうだよな」と得心してしまう自分がいるのですが、時々「それってこれまでのことで、これからオレはどうするんだろう」と思うのです。
そんな時、『さよなら ほやマン』という映画のワンシーンに出会ったのです。
育った島から出たいと思いながら出られなかった年寄りが、ピンクのマニキュアを両手の指に塗って、満面の笑みを浮かべながら皆に大きく高く手を振るシーンがありました。
「ああ、そうか。トンガルってこういうことかもしれないな」と気が付いたような気がします。
新しい年、私にとっての「ピンクのマニキュア」を見つけられる1年にしたいと思います。
1年間、本当にありがとうございました。
狩野