失われた34日間を取り戻せ!【9/12 畑だより ―台風一過、明暗分かれる―】(前々号あひる通信記事)

栃木鹿沼の鈴木章さんから新米の出荷が始まります。40回目の収穫です。
品種はコシヒカリ、農薬・化学肥料不使用です。自家用米(販売を目的としていない)なので、他の産地のお米より安いです。
前号でお伝えしましたように、牛11頭を肥育し、米・麦・野菜を栽培する、今では珍しい有畜複合有機農業を営んでいます。農園内で賄う自給型循環農業を実践しています。70才と高齢の域に入ったマツさん(妻)と2人でやるのは、なかなかしんどくなってきているようです。
板橋区の鋳物職人の息子として育ち、高校時代生徒会長になり、“正義感”の強い章さんはことごとく学校側と対立し、ストライキまがいのこともやったそうです。
その体験もあって、大学進学や就職ということは考えられず、その頃少しずつ全国各地ではじめられていた有機農業を営む農家に住みこんで、農業のイロハを学んでいったそうです。
その何カ所目かで栃木鹿沼の在の農家の娘マツさんと知り合い、鈴木農園が始まったのです。
「半分諦めて、半分で一生懸命やる」という心根は、その後続いた若手の有機農家に「生き方としての農業」を鏡として伝え、私達八百屋も絶大な信頼を寄せ、「栃木の宮沢賢治」と呼んでいます。
台風ですが、夏野菜(ナス・インゲン・ツルムラサキ・オクラ・キュウリなど)は風でもっていかれて、即終了になりました。お米の田んぼは、風の通り道からわずかにそれていたらしく、無事でした。
一方、神奈川愛川町の北原君の所は、「家が壊れるんじゃないの」という位な強風が吹き荒れ、台風が過ぎ去った朝全ての畑を見にいったけど、「全滅」でした。
ナス・キュウリ・オクラ・サンマルツァーノトマト・モロヘイヤ・ツルムラサキ・空芯菜……、吹きとばされて跡かたもなかったり、倒されていたり、無事な野菜はありませんでした。
「毎年いろんなことがあるけど、今年はこれか」と、納得気味に北原君は笑っていました。「さあ、もう一回、秋冬野菜の種蒔きしなくちゃ」ということです。
10月26日(土)北原君の畑で収穫祭をやります。
さつま芋堀り・野菜収穫・野原で焼き芋・豚汁・運動会などをやります。どんな野菜が育っているのか今のところ不明ですが、秋の一日を一緒に楽しみましょう。参加者募集中!
夏野菜が終わりかけ秋冬野菜が未だという端境期ですが、この台風で更に追いうちがかかりそうです。
野菜は、品数も量的にも少なくなっていきます。「あれもないの、これもないの」と言われる事が多くなる季節です。その度に、夏の疲れがドドーッと出てくる時期です。
青森弘前の伊藤さんのりんご園では熊が出てきて、おいしくなったりんごを食べちらかしているとのこと。「熊のフンは見たことあるけど、毎日のようにりんごが食べられているのは初めてだよ。味を覚えちゃうとちょっとマズイよ。アブナイし」という収穫の秋で、つがる・未希ライフ・さんさ・きおうと新しいりんごが出てきます。
なんとか夏の暑さをしのいで、サテこの秋は何があるのでしょう?くれぐれも体調に気をつけてください。

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