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【有機パクチー】が大人気?の茨城・ハーブスマンの【ハーブ苗】【野菜苗】ご注文承り中

【スイートバジル苗】【青じそ苗】【ミニトマト苗】【ピーマン苗】…、4月になるとあひるの店先に並び始めるハーブ&野菜の苗。栽培しているのは、茨城・行方の福山君(通称ハーブスマン)です。
インド放浪中に行き倒れた福山君は、見ず知らずの人の家で介抱され、道端にはえている草花を煮つめた汁を飲まされみるみる回復、命びろいをした体験でハーブのチカラに目覚め、帰国後ハーブ栽培をはじめたのです。命の恩人(?)ハーブに寄せる愛情はひとしおです。
福山君から届く苗は、茨城・ハ-ブスマンの農場内の山で自給した腐葉土や堆肥を使い、特製の土で大切に育てられた苗です。健康に育てられた苗は、植え替えてからの成長ぶりに違いがでます。また香りも高く、丈夫で家庭でも上手に育てることができます。庭やベランダにハーブを植えて、植物とのコミュニケーションを楽しみましょう。
定番の【青じそ】【ミニトマト】などからはじまり、ハーブや夏野菜と続いていき、種類を変えて5月いっぱいまでの入荷です。
店頭にも並びますが、場所の関係で全種類は置けないので、どうしてもこれが欲しいという方はご予約がおすすめです。
只今【ハーブ苗】&【野菜苗】予約注文書配布中。入荷期間が異なりますので、ご都合に合わせて1週間くらいの余裕を持ってご予約ください。

 

あひるの店先から>>>

あひるスタッフ狩野が関わっている“種まきネット”の『福島で暮らすトークセッション』はのお誘いです(チラシ配布中!)。4月11日(日)旭通りNTTコミュニティスペースでやります。
トークセッションのテーマは「移住」「有機農業」「仲間づくり」「脱原発」ということになりますが、なんといっても今回のメインメニューは福島二本松から来てくれる2人の百姓です。

★関元 弘さん(50才・移住15年目)妻・子供2人・ヤギ

農水省のキャリア官僚として働いた後、同期入社の妻とともに「国を変えることより、先ず自分が変わろう」と退職し、縁があった二本松に移住し百姓をはじめました。
東京育ちの関さんたちにとって全ては初体験。その時受けた村人たちのサポートが、その後の関さんの地域での活動の礎になったようです。
3年間育たずを経てようやくといった矢先、震災・原発事故で全てがパーになったそうです。一体それをどう乗り切っていったのでしょうか?
「激動の15年?ワクワクのこの先10年。語ります、きいてください」

★仲里 忍さん(48才・移住13年目)

沖縄北大東島生まれ石垣島育ち。建築設計を学び上京。ところがなかなか仕事がなく、飲食を主に派遣労働者として各地を転々としていたのだが、ある時「味がない、匂いがしない」体調異常がおこり、医者に行ったがダメ。海や山に行くと治ることがわかり、「そうだ、田舎に行こう!」と二本松東和『ゆうきの里』の研修生に応募。
「“ゆうき”って有機農業のことだって知らなかったな。勇気のことかと思った」という仲里君は、農家民宿『ゆんた』を経営しながら百姓を営んでいます。
ゆったりとした語り口は、沖縄の島々を渡る風を感じます。

そんな2人と話していると、「街にあって田舎にないものはない。街になくて田舎にしかないものはたくさんある」と語った移住者の言葉が思い返されます。
コロナディスタンスから1年余り。ともに生きることの楽しさ、面白さをそろそろ取り戻していきましょう。
参加(リアルor Zoom)申し込みはあひるスタッフまで。

畑だより ―まだ野菜・果物は潤沢にあります―

2月3月になると八百屋をはじめた頃を思い出します。
人参も玉ねぎもじゃが芋も「ナイ!」のです。あったとしても、バリバリ芽が出た玉ねぎ・じゃが芋、水気を失ってガチガチになり「人参木」といわれていた人参だけでした。
「あ~あ、1年中せめて玉ねぎとじゃが芋と人参のある八百屋になりてえ」と思ったものです。
有機の百姓がどこにいるのかいないのか、全く手がかりがないので仕方のないことでした。ネットのない時代でしたから、人伝てに聞いた事を頼りに訪ねていくだけでした。
百姓はなかなか見つからなかったけど、なぜか八百屋をやりたいという人だけはふえていきました。少ない百姓が作る少ない野菜を、ふえてきた八百屋の要望に応えるために「振り分け」という方法がとられたのです。ほうれん草10束注文→入荷3束という風に。ある時はトマト1ケース→入荷4ケースということもあります。
ようするに、店からの注文数はあってないようなもので、畑の生育状況に応じて出荷されてくるということなのです。
ポラン広場グループが「生産者シフトの流通」と言われ百姓たちの信頼を得てきたのは、「畑を片付ける」という姿勢に因ることが大きかったのではないかと思います。その伝統(?)は、スマートになりながら今もつづいています。
サテ、
神奈川けのひ農場の北原君、八王子キテレツファームの神田君からの直送野菜も減少に向かっています。
ほうれん草・小かぶ・ビーツ・ルッコラ・カーボロネロ・ワサビ菜などが出荷されていたキテレツファームは、ほうれん草以外の野菜は終了に向かっています。野菜が育ってくるのは4月中旬位になりそうです。今は、新しく借りた畑の土づくりや種まきで忙しくしているようです。
「いままでキチキチだった畑がゆったり使えるのは嬉しいけど、マンパワーをどうしたらいいのか悩ましいところです」と言っていました。また新しい一歩を踏み出したのです。
北原君のところは小松菜・人参・さつま芋・カーボロネロ・短大根・赤かぶ・ネギが出荷されてきていますが、これも減少・終了に向かっていきます。
栃木の鈴木章さん・田島さんのところは、里芋を除いて野菜は全くありません。
冬型野菜はいずれにしても減少していきますが、北原君・神田君よりハウスも含めて広くやっている農家にはまだたくさんあります。
沖縄・鹿児島からは一足早くきゅうり・とまと・ミニトマト・いんげん・ピーマン・スナップエンドウ・葉ニンニク・島らっきょうなど、春夏野菜がはじまりました。
果物は、今年初めて農薬・化学肥料不使用で育てられた、茨城かすみがうら・竹村さんのイチゴ、熊本・福島さん/肥後あゆみの会からポンカン・甘夏・はっさく・ネーブル・不知火(デコポン)・タンカンなど晩柑類が出揃ってきました。
こんな風に南~北まで産地を移動できるようになるまで、30年以上がかかりました。一人一人の百姓たちとの出会いには、一つ一つのドラマがありました。その出会いをお客さんにお届けできるのは、八百屋冥利につきることです。
まだまだ寒い日が続きますが、温かいものを食べて、ビタミンCをいっぱいとって、コロナは勿論、風邪などひかないようにしましょう。

 

あひるの店先から ―明日になれば、わたしたちは……とはいかないようですね―

2020年、「コロナがおさまれば……」と随分多くのことをパスしてきました。春になれば……、夏になればウイルスは暑さに弱いから……、秋になったらおさまるんだろう……、1年が過ぎ去ってしまいました。
2021年は状況を待っているのではなく、「何ができるんだろう?」「どうしたらできるんだろう?」と踏みこんでいきたいと思います。
先ず思いつくのは、ここから30分、八王子キテレツファーム神田君の畑に行って、泥だらけになりながら種を播いたり収穫したり、畑で焼いたり煮たりして皆んなでご飯を食べて遊ぶ『あひるの学校~畑に行こう!』はできそうだし、神奈川愛川町けのひ農場北原君の畑にも行けそうです。昨春から飼いはじめた鶏たちも、順調に毎日30ヶ~40ヶ位卵を産んでいるようですから、畑仕事の後タマゴ料理オンパレードもできそうです。
神田君(31才)北原君・祥ちゃん(37才)の3人と、栃木から鈴木章さん(72才)にも来ていただいて、『これでわたしは百姓になりました』みたいなトークセッションを催すのも面白そうだなと思うし、なんと北原君は母校法政大学で毎年2時間講座を催し、お礼までもらっています。2人とも就農2年と7年で、章さんは42年のキャリアです。
これまで『あひるの学校』では『元気屋さんの豆腐づくり』『木のひげのパンづくり』『あひるの味噌づくり』『オーサワの料理づくり』『玉ちゃんのキムチづくり』……を催してきました。
出来るならみんなでワイワイしながらやりたいのですが、それが難しいなら豆腐を食べながら、パンをいただきながら、玉ちゃん料理を食べながら、「豆腐屋の1日」とか「酸っぱくて硬い国産小麦天然酵母パンはどう工夫していったのか」とか「韓国~日本なが~い旅路の話」とか「魚屋さん海野君のおいしい魚が届くまで物語」とか、トークショーもいいのではないかと思っています。
コロナディスタンスで人と人の物理的な間隔はとった方がいいのだけど、人と人の気持ちの間カクは近づけることはできます。そして、今それが一番必要なことだと思います。
あひるの家では、心と心が重なり合えるような事を、今年はやっていきたいと思います。本年もよろしくお願いします。

 

年末恒例スタッフご挨拶Part1

やっぱり“ひと”はおもしろい!

12月初旬、来春国立で開催する福島イベントの打ち合わせのため、福島に行ってきました。
伺ったのはいわき市三春町上三坂という標高500mの村です。車で1時間の二本松から、パネラーをお願いしている仲里君と関君に来ていただきました。2人とは3時間、その後地域の世話役の区長さんのお宅で4時間、喋って聞いて食べて飲んで、延々と時を過ごしました。
移住8年目の百姓と民宿をやっている仲里君が百姓になったきっかけが、「臭いと味が感じられなくなって……」という話しも、移住15年目の関君が“食”に感心を持ったのが、小学校の時にTVで観たアフリカの子供たちの映像だったこと、農水省キャリアとして“食”に関わってきたのだけど「社会を変えるより自分が変わろう」と百姓になった話しなど、「へえ~、そうなんだ。人生ってわかんないもんだねえ」と思ったものでした。
区長のお宅へ伺うと、庭にはバーベキューセットと自家製ピザ釜に火が入っていて宴会が始まりました。
自分の生まれ育った地域をいかに誇りに思い愛着を持っているのが伝わり、古里のない私にはうらやましい話しでした。
ちなみに、村おこしに日々奮闘している区長のお手当が月1万円だということと、「議員にはならなかったの?」と尋くと「ウ~ン、かついでくれる人はたくさんいたけど、決断できなかったなあ……。というより、勇気がなかったなあ」と真情を吐露してくれました。
8時散会、寒かった!
もしかしたら2020年一番楽しい時だったと思います。
「生まれながらにして人は他人という鏡を持って生まれる」という言葉がありますが、つくづくそう思いました。
2021年、たくさんの人と気兼ねなくお喋りできる日が来ることを願うばかりです。
今年も1年本当にありがとうございました。

狩野

あひるの店先から ―年末商戦アレコレ歳時記 今年はどんなドラマが待っているのだろうか?―

ついに12月に入りました。店内には恒例のタワーが組まれ、ギフト・クリスマス・おせちのチラシが差し込まれ、あひるオリジナル【笑月おせち】のサンプル写真が並べられています。
マスクもコロナの状況もありますが、呼吸が浅く息苦しさを感じる日々がはじまりました。注文をとったり集計したり発注したり、に追いまくられる日々がはじまったのです。
特に12月28日~31日の4日間には数多くのエピソードがあり、思い出すと「どうして?」「なんで?」「エーッ!!」の事ばかりで、今だに「どうしてそうなったのか?」総括できない事ばかりです。
仕入れをおさえる30日になんでみかんを20ケースもとったのか?置くスペースがなく、階段にも所狭しとお米がストックされたのは、「正月はごはんダ!」とでも思ったのでしょうか?結局、翌1月中のスタッフの昼飯が年越しそば1パックと伊達巻き1本食いだったのは、売れると思ったんだろうか?「3パック買うと1パックおまけ!」などとあおってもあんまり減らず、「寒いからいいヤ」とやけくそくなってレジ前に肉を山積みしたけど、あの大量に残った肉はどうしたんだろう?「ヨシ!決戦ダ!」と意気込んで店に来た30日、雪が舞いはじめ、またたく間に大粒の雪になり、店先に並べられた野菜・果物や店外のストック野菜は雪に埋もれはじめ、雪の降りしきる中慣れないチェーンの装着に手間どり、お客さんは来ず、配達の車は坂道でスリップし散々の「決戦の30日」だった後始末はどうなったんだっけ? …………数々のドラマがありました。
10年経っても臨場感を持って思い出せるのが、11年目を迎えたあひるオリジナル【笑月おせち】(みんなのおせち)の初年度のことです。
第1回目は出張料理『きまぐれや』のシェフ吉田君1人が全てのメニューをつくるおせちでした。メニューの全てがカタカナで、料理説明をすることもできなかったのですが、珍しいということもあってか、たくさんの注文をもらいました。
31日午前9時、羽村レストラン『きまぐれや』で引き渡しということで、あひるスタッフはルンルンで向かったのですが……
「お店が開いてないし、ノックしても出てこないんだけど、電話してみてくれない」とスタッフからの連絡があったのですが、電話をしても出ないのです。店にもお客さんが来はじめ、合い間合い間をみながら何回目かの電話でつながり、吉田君の声は今にも泣き出しそうでした。
事情はこうでした。
「朝4時にスタッフ1人と料理が完成し、やったね!とお重に詰めはじめたら予想外に時間がかかって詰められない。今、応援の人を頼んだので、出来上がったお重から持っていってもらいたい。詰める事がこんなに時間がかかるとは想定できていなかった。申し訳ない」と言うばかりでした。
知人に連絡して急遽車を出してもらい、羽村⇔国立を3台の車でピストン輸送することにしました。
おせちの来店お渡しのお客さんも来られ、「これから親のところに持って行くのだけど、何時頃になるかしら?」ときかれても全く答えられない状態がつづくのです。断続的にあひるスタッフ・助っ人から「三段重4、一段重2積んで出ます」と連絡が入るのですが……、店での販売もやりながらですから途中でわからなくなってしまったのです。
誰に渡して誰に待ってもらっているのか?来店→配達に切りかえてもらったのは誰だっけ?チェックはしているのですが、確信が持てないのです。
その間も「配達何時頃になる?」との問い合わせをいただくのですが、「う~~~ん、夕方位には……」と言うしかないのです。
最後のあひる分(おそらく)が店に着いたのは7時を回っていました。最終確認をして、配達が戻ってきたのは9時も過ぎていました。「パジャマで出てきた人もいたよ」ということでした。
店の2階で年越しそばを作って、時を待ちました。「配達もれ」「配達ちがい」の連絡があるかと息をひそめて耳をすませていました。
12時が回り新年になりました。「ヨシ!もうないだろう。おつかれさん、来年もよろしく」と散会したのです。ミスは三段重の二段目が2つ入っていたという1件でした。
翌年から吉田君はスタッフをふやし、作り手も甘味ゆいの由井君、酒まんじゅう久保田商店の佐藤さん、魚屋さん海野くん、かねやま水産の伊藤君なども加わり、メニューもオリジナルな黒豆・伊達巻・かまぼこなどなじみのある品物もふえ、一時半減した注文も「一品一品の旨さ、すごさ」が評価され、楽しみにしてくれる方がふえてきました。
30日夕方、作り手が自分の料理・お菓子を『きまぐれや』に持ちこんで、みんなで朝までお喋りをしながら詰める作業をしています。
由井君は「あの時間が楽しみなんですよね。普段ちがう仕事をしている人たちだから、とっても刺激になるんですよ。31日朝、自分の注文分を車に乗せて帰る時、ああ1年が終わったんだなと清々しい気持ちになるんですよ」と言います。
今年も更に料理・お菓子のグレードがあがっています。
サテ、今年はどんなエピソードが刻まれるか楽しみでもあります。なんにもない方がいいんだけどね。
アッ!30日は混んでパニックになりそうなので、分散してお買い物してください。お願いです。

(狩野)

畑だより ―いよいよはじまった秋冬野菜、煮野菜がウマイ!―

秋晴れが続いています。
天候不順があたり前だった9月まで、10月に入ってから台風も来ず晴れの日が続いています。百姓たちも「いやー、雨を心配しないで仕事が進むゼ」とハリキッテいます。
ただし、「そろそろザッと一雨きてくれないと畑の土がカラカラになって、虫たちも元気で葉物類やキャベツ・大根の葉っぱなんかがバリバリ食われてるよ」と、いつものように全てよしという訳にはいかないようです。それでも、あっちこっちで野菜が育ちはじめています。
八王子・キテレツファーム神田君からは、小松菜・大根・ルッコラ・サラダほうれん草・サラダ春菊・カーボロネロ(黒キャベツ)・サラダケール・人参、まだあったらズッキーニ・ミニパプリカと豊富。
神奈川愛川町の北原君からは、大根・小松菜・サツマ芋・赤リアスカラシナ・ルッコラ・小かぶ・人参・里芋・ミニ大根・ラディッシュ・水菜が育っています。
栃木鹿沼・鈴木章さんから「北海道のより甘くてホクホク」と毎年評判の南瓜と、ちょっと茎に夜盗虫がからみついていることもあるブロッコリーがはじまっています。
白菜もキャベツもレタスもサニーもデカクなって食べごたえ十分、ネギもやわらかくなってきました。いよいよ鍋。煮物のシーズンですね。
悩ましいのは、どの百姓も同じ様な野菜(根菜・葉菜類)になるので、誰からどれをとればいいんだろう?ということです。
特に、キテレツ神田君と神奈川・北原君のところはあひるの家が出荷先のメインだったりするので困ってしまうのです。「どっちがビンボーかな?」と、自分のことを棚に上げてチョイスしたりしています。
果物は、りんご・みかん・キウイフルーツ・バナナ・柿・かりんになります。
りんごは青森弘前・伊藤さんから「甘・硬」「甘・酸・硬」の2~3種類をもらうようにしています。柿は奈良西吉野・王隠道さんから、甘くて味の濃い富有柿がでています。本かりんも王隠道さんからで、これは生では食べられません。ざくざく切って同量のハチミツ・砂糖につけてシロップを作ってください。ノド・咳に効果的です。
瀬戸内海高根島・井場さんのみかんは今年も味抜群ですが、栽培面積を縮小したらしく(農薬不使用のみかんって売れないのかなあ?あひるは売れてんだけどなあ?)断続的入荷、早期終了になりそうです。ない時は熊本・肥後あゆみの会の有機みかんなどを販売します。
井場さんも北原君も神田君もとても熱心で良い物を作っているのですが、マンパワーが自分1人+@という状況なので、持続・継続のハードルが常に立ちはだかっています。豊作↔収穫に追われる↔草取り、次の種播きができない↔できないと次の作物に影響する↔収穫減↔収入源など、負の連鎖にはまってしまいます。
じゃあ、人を雇ってと思っても、はらえるお金が払えるまでにはなかなかならない、ウ~ン。
でも若さだね、半年経つのにまだ1ヶも卵も産んでいない鶏50羽を北原君ところは飼っているんだよね。
そうそう、11月29日(日)あひるの家店頭直売!やります。その時、鶏が卵を産んだら持って来てくれるそうです。販売はしません。
まあ、見てもタマゴだかんなあ~と思っているのですが、まあ北原君はみんなに見てもらいたいんでしょう。もし見たら、「ワァ~!」とか言ってやってください。
サテ、寒くなりましたね。体があったまるものを食べましょう。

畑だより ―寒さがますと、おいしさがましてきます―

まるで晩秋をおもわせる日もあります。秋晴れの清々しい日もありますが、冬に向かいつつあるのを感じる日々です。
「おでんにしよう」「鍋にしよう」「シチューにしよう」と、あったか料理にシフトしはじめています。畑は秋~冬野菜にシフトしはじめました。
葉付き大根、やわらか煮ネギ、ねっとり里芋、大玉白菜、しっかり巻いたキャベツ、葉物もほうれん草・小松菜・春菊・水菜・チンゲン菜と揃いはじめています。北海道のじゃが芋・人参・玉ねぎも甘さをましてきています。この後、朝起きたら畑一面霜が降りて真っ白という日がやってきます。
そうすると、畑の野菜たちは糖度を上げて、凍ることを自ら防ぐ作用がおこってきます。「冬の野菜って甘くておいしいのよね」ということになります。葉物類は筋が寒さで溶けてやわらかくなります。
果物のりんごもみかんも柿も味が濃くなってきて「おいしいわね」と言われることが多くなります。
ひろさきふじ(早生ふじ)・いとう・ジョナゴールド・きおう・国光・紅玉とラインナップも豊富で、柿は平核無柿に加え本命の富有柿が、瀬戸内海高根島の井場さんから甘味酸味の濃いみかんがはじまりました。
お米も栃木鹿沼の鈴木章さん、新潟いなほ、長野おむすび米が新米に切りかわり、11月になると福島さゆり米もはじまります。
寒くて長くてやになっちゃう冬がやってきますが、その分おいしさがましてきます。
ただ、神奈川・北原君、八王子・キテレツファーム、栃木・鈴木章さんをはじめ、まだ秋冬野菜の本格出荷が始まっていないため(7月8月のダメージ)、仕入先の関係で多くの野菜が高値になっていて、毎朝「ウ~ン、この値段かよ」と腕組みをしています。買うのがためらわれる野菜もあると思います。
「10月の下旬~11月になれば、直送野菜・ポラン野菜がメインになって、価格も下がる」と期待しているのですが……ままならない年でした。
それでも、一番ままならなかったのは百姓や漁師だったのだと思います。残る月日が穏やかな日々であることを願うばかりです。
おいしくなってきた野菜を食べてください。

畑だより -10月になれば畑は……-

まだですけど、ついに畑で野菜が育ちはじめました。
育った野菜をもって10月中~下旬に八王子・キテレツファーム神田君が、11月初旬に神奈川愛川待ち北原君が、あひるの店先でとれたて野菜を販売します。大根・キャベツ・ブロッコリー・かぶ・サツマ芋・里芋・ほうれん草・小松菜・春菊・チンゲン菜……てんこ盛りで持ってきます。
北原君はこれまでも年2~3回店頭直売をやっていたので、「コンニチワ、元気だった?」「夏はどうだった?鶏はどうよ?」と話しがはずむお客さんもいらっしゃると思います。キテレツ神田君は初登場で、直売は初めて。「今からワクワクドキドキしています」と言っておりました。
今回の店頭直売でお客さんとお知り合いになってもらって、「キテレツファームに行こう!」畑イベントにつなげていけたらと思っています。
まもなく畑の正面にそびえたつ富良野岳が初冠雪という北海道富良野麓郷(TVドラマ『北の国から』の舞台になった)の阪井君から、南瓜・じゃが芋・玉ねぎが届きました。昼夜の寒暖の差が大きい地域なので、デンプン質が多くホクホクして甘味の強い野菜に育っています。
阪井君(60才台半ば)とは、40年以上前にあひるの家で半年間リヤカー八百屋をやってからのつき合いになります。百姓がイヤで、田舎がイヤで、3回目の家出をして訪ねてきたのがあひるの家でした。
ボクサー志願者だけあってフットワークが軽快で、野菜の知識もあり、なにより格好良かったのでリヤカー八百屋は大人気でした。
「無農薬って言い方、冷たそうじゃないですか。有機って言い方の方が温ったかそうですよね」「百姓って冷害なんかで野菜がとれなくても“失敗”って思わないんですよね。また春がくると種を播くんですよね」という阪井君の言葉は、ふとした折りに励まされています。
りんごの青森弘前・伊藤さんからは、つがる・ジョナゴールド・旭(オールドクラシック)・千秋・いとう(オリジナル品種)・秋茜・ひろさきふじなど、次々と出荷されてきます。
伊藤さん(50才台半ば)は府中農工大出身で、ライブハウス『リバプール』などよく出入りして、国立の街がとっても懐かしいと年1回の顔見せを楽しみにしています。
冬のNo1人気の瀬戸内海高根島の井場さんのみかんは、まもなくはじまる予定です。
井場さん(50才台半ば)がチビタみかんをジャンパーのポケットに入れてあひるの家を訪ねてきたから7~8年が経ちます。商社マンから転身し、故郷に帰って農薬不使用でみかんを作るという1年目の出会いでした。あまりのおいしさに感動して、「ヨシ!ヤロウ!」というのがはじまりでした。
新旧の百姓たちの野菜・果物を主に、豊富なラインナップをお届けできると思います。

あひるの店先から -ひと足早い“夏バテ”から見えたこと-

スタッフ狩野の個人的な、それも体のことなのですが、8月本格的な暑さが来る7月中旬から10日間余り、体調不良が続きました。
体に力が入らなくて、つまづいたり物をおとしたり計算間違いが多くなったり、なにより食欲がなくなり「食べなくちゃ」の義務で食べている10日間でした。
こんなことははじめてだったので「何がおこったんだ?」と相当ショックで辛いものがありました。
そうなった主因は、おそらく夜間頻尿による睡眠時間の小間切れで体力が損なわれていたのだと思います。夜5回位トイレに起きるので、その都度睡眠が妨げられ、3時間位続けて熟睡したことはこの数年間ありませんでした。
それでも一度も“バテ気味”になることがなかったことを思うと、これはもう確実に「老いだな」と思いました。
今まで考えもしなかった体調不良が生じたり、できていたことが出来なくなったり、損なわれることが多くなったことに気付くと、さみしい気持ちになったり哀しい気分になったりしますが、「そうか、そういうことなのか」と自分に了解させようとしています。
40年余り八百屋をやっていると、70年余り人生をやっていると、お客さんを含めて多くの人の“老い”を見させてもらっています。
あひるスタッフには“老い”を宣言させてもらって、どういう関わり方だったら仕事にあまり支障がなく、ぼく自身も持続できるのか考えていくことになります。わが家での朝のあいさつの一言に「昨夜何回だった?」という言葉が加わりました。
死ぬまで人生なのだから、新しい人生の1ページがはじまったということです。
体調は日々によって異なるので、動作がのろかったり忘れたり言葉が少なかったりすることがあると思いますが、“老い”に免じてご容赦ください。

(狩野)