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『あひるの家の冒険物語』 第9話 暗転 第二幕 ―長くて暑い夏がやってきた―

関西グループの事故対応から戻ってきてから1週間後の1983年9月10日、プロジェクト・イシの全体会議が開かれました。国分寺のイシ事務所には70名程の人が集まり、入りきれない人は窓の外から会議に参加していました。
「吉川さん(プロジェクト・イシ前代表・JAC代表)から“爆弾発言”があるらしい」という噂が流れていたからです。

2ヶ月前の7月1日、JACからの野菜の納品伝票とともに、吉川君の“プロジェクト・イシ代表辞任届”が添付されていたのです。
「イシ代表の任はあまりにも重いものでした。今後はJACの仕事に専念することで、イシの拡がりや八百屋の発展に尽くしていきたい」という内容でした。
真意を確かめたくて吉川君に連絡をとるのだけど、つかまりませんでした。
「これは何だ?」「何があった?」「あの吉川さんがここまで追い詰められたのには訳がある筈だ?」「執行部内の確執ではないか?」・・・・・・の声があがりはじめていくのでした。
ぼくにとって吉川君は、最も信頼し尊敬していた人でした。関西、埼玉でのセンターづくりや、プロジェクト・イシ全国大会などをともに推し進めてきた同志でした。
吉川君の唐突な“辞任劇”はよく解せなかったのですが、彼の果たせなかったことを引き継ぐことが感謝の気持ちになると思い、8月5日のイシ全体会議で代表に立候補し、選任されたのです。小学、中学の学級委員を含め、自ら手を挙げたのは初めてのことでした。
1週間後の8月13日、関西グループの事故がおこり、2週間余り大阪にとどまることになってしまったのです。
“爆弾発言”の噂はきこえていたので、大阪から何度も電話をかけるのですが、吉川君がなかなか電話口に出てくれず、ようやく出ても「そんなボス交渉みたいなことはやらない。9月の会議でみんなに直接話す」と言うばかりでした

当日、吉川君からは「プロジェクト・イシ会員の全ての人々へ」という15ページにわたる文章が提出されました。おおむね二つの点についての疑義が記されていました。

一 現執行スタッフの言っていることとやっていることの矛盾。
二 プロジェクト・イシの活動の中から発足したJAC関西、JAC埼玉のセンターの株の55%をイシが保有するのは当然だと思うが、JACの株は荒田、金田、吉川の3人で保有している訳だから、JACの株も55%イシが保有すべきだという考えには反対である。もしこれをおしすすめるなら、JACはイシを脱退する。

というものでした。

代表であるぼくへの批判は以下の4点でした。

(1) “連帯”を語りながら自分のグループでは次々とスタッフが辞めてゆき、亡くなった者までいるという現実は、“連帯”と言いながら“専制”を強いた結果なのではないか?
(2) 初代イシ代表(荒田君)にイシ代表、JAC代表の兼務を批判し辞任を迫ったのに、自分はあひるの家代表、JAC関西代表、プロジェクト・イシ代表と3つも兼務していることの矛盾をどう考えているのか?
(3) “都市と農村の連帯”を唱えながら、農場の経営、運営が行き詰まると「つぶしてしまえ」と言ったことの矛盾をどう説明するのか?
(4) 本来プロジェクト・イシが負うべき2つのセンターの株購入代金、農場の土地返済金等の600万円をJACが肩代わりせざるをえなかった同時期、あひるの家の2Fを400万円かけてレストランにしたのは、“みんな”と“自分”の使い分けではないか?

吉川君の文章は次のように結ばれるのでした。

「理念を築く為の現実を担う努力と責任感と自覚がない中での渦の拡がりは、自壊を招くだけなのだと思います。今は原点としての八百屋の現場に立ち戻るべきです」

10月1日、全体会議が開かれ批判された執行部スタッフから、50ページに及ぶ回答・反論・改革案文が提出されました。しかし、この反論文がまともに検討されることはありませんでした。
本来なら、吉川君の疑義に対して、事実と事実をつき合せて、至らないところを解決する方法を探るというのが議論の進め方だと思うのですが、そうはならなかったのです。
この1ヶ月の間に、個人的だったりグループ間だったり、様々な集まりが繰り返されていました。色分けができてしまっていたのです。
「吉川さんが言っているように…」「そうは言っても本当はちがうんじゃない。オレはいなかったけど」「オレは権力は嫌いです。嘘も嫌いです。だから、イシがそうなら原点に戻るべきです」「あんたたち論理的すぎない。人間そんなもんじゃないわよ」「この八百屋はナモ(長本兄弟商会代表)たちが始めたんで、あんたたち後からきた人たちでしょ」「イシの名を語ってJACを乗っとろうとしているんじゃないの」……
今まで主体的にイシ活動を担うことのなかった人達の発言があいつぎました。11月の全体会議で今後の方向の採決を行うことになりました。
深夜店に戻ったぼくは、憤りと諦めの気持ちで叫びだしそうでした。
椅子を持ちだしてじゃが芋の芽をかいたり、枯れたネギの葉先を切ったり、玉ねぎの皮をむいたりしました。
時は既に1時を回っていました。玉ねぎの皮を1枚また1枚とむいていると、泡立った気持ちが山奥の湖のほとりに立っているような静けさにつつまれるのです。
シャッターを閉めて家に帰る道々、「ああ、八百屋でよかったなあ」と思ったものでした。
11月の採決会議に向けて、イシ継続グループが営業の終わった『ジャックと豆の木』などに集まって協議を繰り返しました。
その頃JACでは、スタッフ合議制を廃止し、復帰した前JAC代表の荒田君が全てを決める体制に変更していきました。JACの加工品部として大きく売り上げを伸ばし、合議制、センター構想を推進してきた小野田君・針生さんをはじめ5名がJACを退職し、この集まりに合流しはじめました。
11月の採決会議には4つの案が出されていました。

1) 小野田君たちの加工品を主にした新センター案。
2) イシを交流の場に案。
3) イシの活動停止、執行部総辞職、イシ再建委員会設置案。
4) イシ解散、現場に戻ろう案。

4)のイシ解散案は吉川君からの提案でした。1)~3)の案を巡って、イシ継続グループの話し合いが行われました。
イシ継続グループといっても、各々「有機農業」「流通販売」「ネットワーク」の3つの要素に対する力点が異なり、これまでのイシ活動の中で張り合ったり、反目し合ったりの経緯のあるグループ同士でした。更に、妥協する位ならグループ単独で「自走する」ことを選択する人たちでもありました。
「なんとプライドの高い、わがままな、めんどうくさい奴等なんだろう」と何度も思ったものでした。まるで15年前の文言を思い出させるやりとりでした。
「連帯を求めて孤立を恐れず、力及ばずして倒れることを辞さないが、力尽くさずして挫けることを拒否する」
そしてイシ継続グループは、11月の採決会議に向けて一つの結論を出したのでした。

あひる通信8.9号本日発行

3週間ぶりとなるあひる通信が本日より配布開始となっています。

今号のあひる通信は

週間10%OFFSALE!【ポラーノ手づくり苺ジャム】【ポラーノの麦味噌】【ポラーノのりんご酢】

新商品・再開商品

8月26日(土)おむすび屋高ちゃんのウマイもの盛りだくさんフェア

8月27日(日)あひる二の丑!魚屋さん海野くん今夏最後のウマイ!うなぎ店頭焼き

あひるの家の冒険物語 第9話  暗転 第二幕 ―長くて暑い夏がやってきた―

あひるの学校2017元気屋さんのとうふ作り教室参加者募集中!

9月9日(土)10日(日)「今はまだ帰れません」イベントへのお誘い

配達お休みのお知らせ

夏休み子ども朝ごはん

夏本番!ぬか床伝道師青木隆さんが教える【うれしいぬか床】夏場のワンポイントレッスン

ゼンケン浄水器全品ロングランセール開催中!

あひるの家フェイスブックやってます

あひるの家自家製ぬか漬け好評販売中

雨の日スタンプ2倍押しサービスやってます

スタッフあかしの休日クッキング

となっています。
2号続けて休載していた代表狩野の好評連載『あひるの家の冒険物語』は今号より連載再開。じつは本人書けないストレスがたまっていたのか、今回は早々に2週間前に原稿を書き上げていました。
そしてお気づきでしょうか?こちらも人気連載『りかちゃんママのにこにこクッキング』ですが、スタッフりかが夏休み中のだんご3兄弟にキャンプに連れて行かれ(連れてってじゃなくて)原稿が間に合わなかったため、急きょわたくしスタッフあかしが『休日クッキング』を書くはめになってしまいました。今後連載の予定はありませんのであしからず。
なお、いつも申し上げていますが、店頭配布のあひる通信は白黒です。こちらもあしからず。

夏本番!【きゅうり】と【なす】でクールダウン

のろのろ台風5号も関東地方はかすめ去り、台風一過のような暑さになった8月8日、夏到来です。
ビールがうまいのはうれしいのですが、冷たいものばかり食べたり飲んだりしていると、逆に夏バテになったり、夏の終わりに体調を崩しやすくなります。暑い日のクールダウン、あひるの【きゅうり】と【なす】はいかがですか。
【きゅうり】は90%以上が水分で、体に溜まった老廃物や熱を排出するカリウムやビタミンCなどが含まれます。水分補給やクールダウンに、味噌をつけて丸かじりや浅漬けなどでどうぞ。
あひるの【自家製ぬか漬け】も、栃木・鈴木章さんと神奈川・北原くんから【きゅうり】が潤沢に届いているので、夏好評の【きゅうり2本パック】はじめます。
【なす】は身体を冷やす効果があるといわれているので、夏バテしそうなときには「なす料理」で身体をクールダウンさせましょう。八王子・北原くんの【白丸なす】は大きいので、輪切りにしてステーキ風、中身をくり抜いてグラタンなどにおすすめです。パスタ、ピザ、ラタトゥイユなど洋食レシピにどうぞ。

あひるの学校2017<元気屋さんの豆腐作り教室>参加者募集中!

以前告知した<夏休み子ども豆腐作り教室>ですが、「え~、大人は参加できないの?」「息子といっしょに参加して、ふだん目立たない親父の名誉挽回にもってこいなんだけどなあ」等々、大人から大ブーイングがあったため、タイトル変更しました。

<元気屋さんの豆腐作り教室>参加者大募集中~!

子どもも大人もワイワイ楽しく、国産大豆と天然にがりでざる豆腐を作ろう!作り方をマスターすれば、自宅でも出来立て手作り豆腐が味わえますよ。
元気屋の店主栗原さんが、にがりを入れるタイミング(ここは大事!)など、職人ならではのポイントも教えてくれます。

◆日時:8月26日(土) 9:45~13:00

◆場所:くにたち福祉会館3F調理室  富士見台2-38-5

◆対象年齢:小学生以上~大人もOK ※火を使うため小学校1~3年生は保護者同伴でお願いします

◆参加費:1,000円 ※材料費・昼食代(作りたて豆腐とご飯)込み

◆申込締切日:8月22日(火) 定員になり次第締め切り

お知らせ

明日8日(火)のおむすび販売は都合によりお休みさせていただきます。

次回あひるのおむすび販売は8月15日(火)となります。

※その翌週22日(火)はまたお休みとなります。

ご不便をおかけしますが、何卒よろしくお願いします。

今週の10%OFFSALE!

これ1本で料理上手

【ポラーノの料理酒】720ml 820円(税抜) → 738円(税抜)

国産米を原料に、純米酒と同じ三段仕込み製法で、30日間かけて醸した料理酒です。
ミネラル分に富んだ釜焚きの自然海塩・海の精を加えました。料理の際には、塩を控えめに調味するのがポイント。
アルコール度数13%以上14%未満。

[SALE期間:8月7日(月)~ 8月13日(日)]

セール日は魚の日&お饅頭の日

日曜日は魚の日が好評の魚屋さん海野くんのウマイ!魚貝が、セール日は一日早く土曜日に届きます。
8月5日(土)本日のお魚は

はじまります 【生さば】 味噌煮・塩焼き・竜田揚げに

大阪湾で揚がった最高のイワシ 【いわし】 刺身・塩焼き・梅煮・なめろう

久々の入荷 【スルメイカ】 刺身・煮物・炒め物に

脂しっとり 【さわら切り身】 塩焼き・西京焼き・天ぷらに

特撰 【まぐろ赤身】 旨味の赤身 海野くんのマグロは旨い!

本物です 【本ししゃも丸干し】 本物のシシャモをご賞味ください

お買い得 【さんま開き】 たっぷりの大根おろしで

お買い得 【三陸太郎】 旬のさんまを麹漬けにしたシーズンパック

セール日には青梅・小山製菓の小山さんがウマイ!お饅頭・みたらし団子も持ってきてくれます。
【みたらし団子】以外は冷凍できるので、たくさん買って冷凍ストックもおすすめです。

 

菓房はら山【季節の上生菓子・葉月】入荷中

熟練の和菓子職人が一つ一つ手作りした、季節を彩る和菓子の詰合せ。
四季折々の自然と季節感あふれる日本の風情を、練りきり、団子などの生菓子や、羊羹、棹物菓子などの半生菓子で表現。
材料には、国産原料を出来る限り使用しています。野菜や根菜で着色された和菓子は、自然で柔らかい色合いと優しい味わいです。

【季節の上生菓子・葉月】40g×4 930 [冷凍]

風の涼―錬り切り―
音による涼しさは日本の豊な風情です

玉すだれ―錦玉羹―
夏になり日よけのために窓の外につるされるすだれ。そのすだれ越しに、部屋の中から、外の風景をすかし見る風情です

青柿―包み羊羹―
柿の花が終わるとすぐに実を結び始める。まだまだ未熟だが、秋にはしっかりとした実になる

玉菊―雪平―
季節は巡り、菊薫る秋がやってきます。四季の有る日本の幸せです

原材料 甜菜糖、小豆(北海道)、白隠元(北海道)、白生餡(栃木)、ほうれん草(茨城)、白玉粉(千葉)、餅米(国産)、山芋(奈良)、寒天(長野)、小豆生餡(栃木)、クチナシ(茨城)、冷凍南瓜(北海道)、馬鈴薯澱粉(北海道)、鶏卵(茨城)、赤蕪(茨城)、梅甘露煮(国産)、粉茶(奈良)

4月~7月の上生菓子も在庫あります。食べくらべにどうぞ。

【季節の上生菓子・文月】

【季節の上生菓子・水無月】

【季節の上生菓子・皐月】

【季節の上生菓子・卯月】 

前回大々々好評!あひる二の丑は8月27日(日) 魚屋さん海野くん今夏最後のウマイ!うなぎ店頭焼き!

夏の疲れた体にしみわたる「ウマイ!」うなぎ焼きます!

「過去最高にデカくてウマカッタ!」
「脂がくさくなくて、身はふっくらしてるけど噛みごたえもあって、こんな上品な味のうなぎの蒲焼きは初めて。タレもおいしかったわ~」
「今年も海野くんのうなぎを食べられて幸せ~。生きてて良かった」
と、感動の声続出の7月30日の魚屋さん海野くんの【うなぎ】店頭焼き。
しかし、予約殺到のため食べられなかった人も多く、力強くお願いしたところ
「わかりました。暑い暑い炎天下で焼く人のことなんて誰も考えてないですよね…」
と、力弱くうなずいてくれた海野くん。
しかも前回3,100円(税抜)→今回2,950円(税抜)と値下げです!
さすが、男前!!夏休み最週末!まだまだ暑いゾ!うなぎを食うゾ!

【うなぎ蒲焼き】 2,950円(値下げ) あつあつご飯にのせてウマイ!

【うなぎ白焼き】 2,950円(値下げ) わさび醤油で冷酒がウマイ!

【うなぎ肝串焼き】 240円 これ1本でビールがウマイ!

◆静岡県吉田町産(または愛知県一色町産)
◆飼育にあたっての抗生物質、成長促進剤などの使用はありません
◆合成添加物、遺伝子組換え原料フリーのコクのある旨いタレがつきます
◆老舗うなぎ専門店がさばいた生のうなぎを、海野くんが蒸して、あひるの店頭で焼きます
◆ふっくらと身があつく、食べごたえ十分

■限定50串 ※数に限りがあるためご予約が確実です

不死鳥の如く蘇ります! 8月6日(日) とれたて!おいしい!元気がでる!北原君の夏野菜これでドウダ!フェア

「夏野菜モリモリで行きます。今回もイタリア野菜編は続いてまして、トスカーナのナス、サンマルツァーノトマトなど持って行きます。あとはピーマン、あまなが、ハラペーニョ、なす三種、中玉トマト、バジルソース、枝豆、空芯菜、オクラ、ツルムラサキ、苦瓜、ジャガイモ玉ねぎ人参などです。よろしくお願いします!」
と言っていた北原君の畑が、7月18日(火)雹害にあいました。収穫を目前にしていた夏野菜はほぼ全滅、さつま芋や里芋など秋野菜にも影響が…。
今回の直売イベントは無理かと思われましたが、「不死鳥の如く蘇るつもりなので待っていてください!」と。
いや~、百姓はスゴイ!北原君カッコイイ!
8月6日(日)なにを持ってくるかはまだ未定ですが、若き有機農家北原瞬くんに会いに来てください。