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畑だより ―突然ですが、暑(熱)さが襲ってきました―

「きのう眠られた?」「食べられてる?」というあいさつからはじまる日々がやってきました。
2年前、全く自覚がなかったのに突然体に力が入らなくなって、自転車で3回転び、食欲が全くなくなり、「一体何がおこったんだ?!」と不安な気持ちでいっぱいでした。たぶんあれは熱中症だったのだと思います。
だから、夏のスタートのこの時期、慎重になってしまいます。
その時食べて少しずつ体の力を取り戻してきたような気がしたのが果物でした。
まずは西瓜です。大玉(千葉山武)小玉(青森木造)どちらもこの暑さで甘さがまして、シャリシャリした食感が抜群です。
次は山梨一宮・久津間さんの桃。いまいち小ぶりですが、甘いです。甘酸っぱくて評判なのは、栃木・浜田さんのブルーベリー。ただし、暑さが続くと過熟してしまうので早期終了となります。
そして、桃とすももをかけ合わせた、蜜のあふれる貴陽(山梨・久津間)、メロン(千葉銚子)、パイン(沖縄石垣島)、ネットリ甘いネクタリン(山梨・久津間)、ブドウ各種・プルーン(山梨・勝沼平)、まもなく夏みどり・夏の紅・祝と青りんごが青森弘前・伊藤さんからはじまります。
一年で一番果物の豊富な季節です。食欲がおちても果物だったら何とかなるでしょう。甘味と酸味と口あたりが夏向きです。
そうはいっても食わなけりゃなぁ、と野菜です。
どの畑からも、とまと・きゅうり・ナスがSOSです。朝晩とらないとドンドン成長するナス・キュウリ、ドンドン赤くなるとまと。八王子キテレツファーム神田君、神奈川北原君の「タノム!」の声も上ずっています。
おすすめは栃木・鈴木章さんのロロン南瓜(章さんにきいても、ロロンって何だ?ということはわかりませんでした)。形状は万次郎南瓜のように円錐形なのですが、ホクホク甘く、煮ても焼いてもウマイです。
野菜は今のところ潤沢です。ただし、葉物類(レタス・キャベツ・ほうれん草・小松菜など)や、大根などは中間山地(山梨・群馬、標高500m前後)に移行し、まもなく高原(長野、標高1000m前後)や青森・北海道にシフトします。
平地の神奈川・北原君や八王子・キテレツファーム神田君の畑では、終了に向かっています。
2人からはコリンキー(サラダ・漬物)・ビーツ(ポタージュ・スープ・サラダ)・ケール(炒め物・ジュース)・モロヘイヤ・ツルムラサキ・白丸なす・バジル・サンマルツァーノトマト(加工用トマト)・ハラペーニョ(辛い!辛い!)・青とうがらし(辛い!)・空心菜(炒め物)など、新しかったり珍しかったりの野菜が入荷しています。目先をかえるのもいいかもしれませんね。
ともかく、眠る!食う!です。

畑だより ―新種発見?タマゴの黄身が白いのは?!―

先日お客さんから「タマゴの黄身が白かったんだけど、だいじょうぶなの食べても?」という問い合わせがあったので、即高田さん(栃木・平飼い・自家飼育養鶏)に連絡をしました。説明が長く要領を得ないので、要約して文章で伝えてくれるようお願いしました。
その間、自分のところでもタマゴを割ってみたら白いというより黄身の黄色が相当薄いものがあり、ゆで卵にしたら白さがましていました。
届いた文面には2つのことが記されていました。

①飼料
一般には黄身の色を出すために、トウモロコシやパプリカ色素の粉末を混ぜた配合飼料をあげているのだけど、私のところでは栃木の3軒の農家に大麦・小麦・米を作ってもらってそれがメインなので、ほとんど黄身に黄色はでません。だから、マリーゴールドというハーブを混ぜて黄身の色を出しています。
それでも、色のベースとなるルテイン色素は入っていないので、市販品のようにはなりません。栄養価がちがう訳ではありません。

②暑さ
毎年6月の梅雨時わたしたちもそうですが、羽毛をまとっている鶏たちはバテて水ばかり飲んで、餌を食べる量が減ってきます。鶏舎内に大型扇風機を何台も設置して、風の通りを良くして体温を下げるようにしています。
でも体が慣れるまで、食べる量が減った分だけマリーゴールドの摂取も少なくなるので、黄身の色が薄くなってしまいます。
この農場はひのき山という少し標高の高いところにあるので、朝晩は涼しい空気に包まれます。体が慣れて湿度が下がると元に戻ると思います。
海外では高タンパクの濃厚飼料に頼らない飼育が広がって、「黄身の白いタマゴ」が出回りはじめているとききます。見慣れないので「ギョッ!」とするでしょうが、食べてダイジョウブなのでご理解ください。鶏たちもガンバッテいます。

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夏果物、本格始動です。
なんと言ってもあひるの家No1のおすすめは、山梨一宮・久津間さんの桃です。甘味も香りも口あたりも格別です。ただ、日照が少ないので小さ目が多いです。
青森弘前・りんごの伊藤さんからさくらんぼ各種・ブルーベリー・プルーンがはじまりました。りんご以外の果物も作ってみたいということなのでしょう、おいしい上で格別の安さです。りんごは7月中~下旬に【夏みどり】【夏の紅】【祝】の青りんご系がはじまります。
40年来のつき合いの栃木・浜田さんからはブルーベリー入荷中です。ほろよい甘味と酸味が大好評で、冷凍して食べてもおいしいです。
同年代の浜田さんは、海外放浪から帰って来て、「ほかの奴がやってないことをやろう」とその頃珍しかったブルーベリーの有機栽培をはじめたのです。この世代変わり者が多いですよね。でも、息子たちが継いでくれているのでヨカッタヨカッタです。
メロン・甘夏・河内晩柑・すもも(山梨・大石早生)・ガラリ(奄美大島・野生種のすもも)・パイナップル(沖縄)・バナナ・アボカド・小玉西瓜と出揃っています。

夏野菜、本格始動です。
夏といえばとまとです。栃木鹿沼の田島さんがメインになります。安くなります。
鈴木章さんから毎年大好評のホクホク甘い南瓜が出ます。「なんで栃木の南瓜がうまいんだ?」ときいても「わかんないよ。気のせいじゃないの」と謙虚です。
朝4:30~夜9:00まで働き続けている八王子・キテレツファーム神田君(32才)からは、トウモロコシ・キュウリ・枝豆・ズッキーニ・キャベツ・ビーツ・ナス・モロッコインゲン・インゲン・じゃが芋・玉ねぎ・人参などが入荷中。「今まで食べた中で一番ウマイ!」と好評なのがじゃが芋・ズッキーニ・キュウリです。
子育てを含めてフル回転であひる店頭販売イベントに来られなかった神奈川愛川・北原瞬・祥ちゃんからは、ナス・キュウリ・大根・ズッキーニ・コリンキー・人参・じゃが芋・玉ねぎ・モロッコインゲンが入荷中。どちらからとったらいいのは悩ましいです。
ケール・モロヘイヤ・ツルムラサキなどの夏の葉物もはじまりました。雨-晴-雨-晴、畑の野菜はグングン育ち、販売は苦戦しています。
ともあれ、本格的な夏が始まりました。

これでおいしい魚が食べられる!『海野水産あひる支店』7年振りに店頭直売はじめます

6月から毎月第2第4日曜日昼、海野水産4代目海野マサトヨくんが旬の魚貝を販売がはじまりました。
前回13日(日)あひるデビュー戦ではやや緊張の面持ちで、それでも誠実な接客はお客さんにも評判がよく、「次回はもっとたくさん魚を持ってきます!」とやる気十分で帰っていったマサトヨくん。さて、2回目となる27日(日)のお魚は~、明日の朝出発ギリギリまで考えて捌いてくるので、今日の時点ではわかりません。正午~あひるの家で待ってまーす!
※第1土曜日・第3日曜日は直送となります

「海野水産の持ってくる魚貝がおいしい!のはどうしてなの?」海野君(兄・和豊)にききました

青梅にある海野水産の朝は早いです。朝4時頃に豊洲に向けてトラックを走らせるのが1日のはじまりです。
豊洲には500軒あまりの水産仲卸業者さんがいて、みんな勢いよく「ウマイよ!安いよ!とれたてだよ!」と声を張りあげ活気があります。
どれも良さそうなのですがグッとこらえて、全部見て回るようにしています。「これを買わなきゃ」「あれを揃えなきゃ」と決めないようにして、「いい物があったら買おう」と思ってひと巡りするのです。そして、「あそこはよさそうだな」と目星をつけたところに行って吟味するのです。
さて、ここからが魚屋の腕の見せどころ、ようするに目が利くかどうかです。豊洲だからいい物ばかりということはなく、散々してやられました(魚屋としての修行が足りなかったのですが)。
ポイントは4つあります。
①漁の仕方はどうなのか?
巻き網→定置網→引き網→一本釣りの4つがあって、どの方法でとったのかで魚の傷つき具合がちがってきます。
②運び方はどうなのか?
水氷箱→下氷箱→活き箱の3つがあって、大量の魚を水氷箱に入れて運べば一匹あたりの値段は安くなりますが、身がつぶれて腹わたから傷んできて、鮮度の劣化が早くなります。
③いつとったのか?
市場や漁港がよくやるのが止め物(ヒヤモノ)といって、相場(天候とか)を見て止めておいたものを出してきます。“ミョウバン”を入れてピーンと鮮度良く見せる手もありますが、目を見るとわかります。あと、“朝どり”か“昼どり”のちがいもあります。
④指定物を見つけられるか?
高級料亭などは漁港と直接やりとりして運ばれてきます。10匹中7匹が指定物で、3匹は残ります。仲卸は利益確保しているので、安く出してきます。これを見つけるのが楽しみなのです
それ以外にも例えば、9月中旬のこの時期ならこの港にあがったサンマが旨い!ということもあります。
そんなことを頭に入れながら、限られた時間で市場を回るのは、とてもエキサイティングで魚屋冥利につきます。いい物を仕入れられた時は「やったね!」と気分も爽快で、車のスピードもあがります(この間キップを切られましたけど)。
この1年余り、コロナ渦で市場も魚屋も大ダメージを受けました。「どうしたらいいか?」と苦慮している時、この話しがありました。
ぼく(兄・和豊)も10余年毎週日曜日あひるの家の店頭で販売させていただきました。その経験が今のぼくの礎になっています。
今度は魚屋2年目の弟のマサトヨがお世話になります。魚屋としては未熟ですが、一生懸命やると言っています。よろしくお願いします。
7月下旬『うなぎ店頭焼き』の時はぼくも行きます。お会いできるのを楽しみにしています。

【有機青梅】ご予約承り中

あひるの家販売ランキングbest3にいつもランキングしているのが、王隠堂さんの【梅干】です。「この梅干おいしいのよね」と、まとめて買っていかれる方が何人もいます。たしかに塩もいいし、しそもいっぱい入っているけど、やっぱり梅が旨いんだと思います。
奈良・西吉野の山中、標高400mのところにある王隠堂さんの梅林の土は、ふっかふかであったかそうです。それと、王隠堂さんの家はその名の通り、南北朝時代後醍醐天皇をかくまったことで名字帯刀を許された由緒ある家系で、その頃から梅を栽培していたそうですから、もう歴史的産物ということになります。歴史と時代が合体した産物が、王隠堂さんの梅です。
子供が大好きな梅ジュース・梅シロップ漬けは、作るのカンタン、1ヶ月位から飲めるので、この夏中楽しめます。大人が大好きな梅酒も作るのカンタンというか、ただ焼酎と梅を合わせるだけみたいなもんです。3ヶ月位でおいしくいただけます。
誰もが顔をしかめながら、それでも1年中食べている梅干は、ちょっと手間がかかりますが、その分自家製梅干は旨いです。夏を越えた頃から食べ頃になります。
只今漬け方レシピ配布開始。「な~んだ、これならわたしにもできる」と思った人、ご注文ください。期間はわずか2週間、1kgからやってみよう。

【有機青梅(梅酒・梅シロップ用)】 1kg 1,750円 入荷期間:5/31(月)~6/12(土)

【有機青梅・南高梅(梅干用)】 1kg 1,750円 入荷期間:6/14(月)~6/26(土)

ともに奈良・王隠堂農園からで、栽培状況は認証有機農産物。

※お渡し希望日の1週間前までにご注文ください
※【ポラーノの砂糖 洗糖】【玄米焼酎35度】【もみしそ】【海の精漬物塩】【カンホアの塩】などもご一緒に承ります

畑だより ―豆・サヤの季節がやってきた―

栃木鹿沼の鈴木章さんの処は田植え→麦刈り→田植え、その間に牛の世話と畑と大忙しの毎日です。
以前は田植え時期は村人総出で田んぼに出て、手助けし合いながら、昼には畦道に弁当を広げお喋りしながら食べたそうです。
中には酒を飲みはじめる奴もいて、「しょうがねえな。寝かしとけ」と皆でその家の田植えをやったそうです。
今は半分以上が、会社のネームプレートの入った作業服を着たトラクターを動かしているだけで、村人の姿はほとんど見かけなくなったということです。
「葬式もそうだけど、それはそれで大変な事もあるけど、隣り合わせでここで暮らしているんだという実感が持てたよな。今は村祭りをやろうという人もいなくなって、淋しいなあ」と、70才を過ぎた章さんとマツさん夫妻がポツンと田植えをしている光景だそうです。
そんな田植え麦刈りの合間をぬって、インゲン・キヌサヤ・グリーンピース・空豆・カリフラワー、少ししてニガウリなどが送られてきています。
八王子キテレツファーム神田君の畑では、大きく育った葉付き大根・アスパラガス・ズッキーニ・スナップエンドウ・ブロッコリー・スティックブロッコリー・サラダ春菊・レタス・サニーレタス・リーフレタス・ルッコラ・小松菜と、充実のラインナップです。
あひるの家のお客さんで「畑をやってみたい」という2人の若者が、週1回行って収穫・洗い・袋詰めなどをお手伝いさせてもらっていますが、普段はお母さんと神田君の2人。一体どんな働きをしているのか見当もつきません。
2人の助っ人はキテレツの帰り道お店に寄ってくれて、今日のお駄賃の野菜を見せてくれます。
「ズッキーニがあんな風になってるなんて知らなかった」と嬉しそうで、表情は晴々としているのです。
6月中~下旬、『キテレツファームでピクニック』を催すつもりです。たぶんトウモロコシ狩りです。
神奈川愛川町のけのひ農場の北原君の畑からは、大根・長ねぎ・新玉ねぎ・ミサキキャベツ・葉付き人参・小かぶ・ケール・ルッコラ・小松菜などが入荷中です。
なすを除いて、トマト・きゅうり・ピーマン・赤lピーマン・パプリカ・ししとう・オクラ・ベビーコーンなど夏野菜が揃いはじめています。
果物は、いちご・レモンが終了し、りんごもそろそろオシマイで、甘夏・河内晩柑・グレープフルーツ・バナナ・キウイフルーツ・時々アボカドはありますが、新しくはビワ・小玉西瓜で、メロン・サクランボはもう少し後になります。
そして、6月から約1ヶ月にわたって、梅とらっきょうが始まります。作り方などを紹介した注文表を配布中ですから、「やってみようかな」「今年もやろう」と思った方はご注文ください。1週間前が確実です。
いつもそうなのだけど、元気だしてやりましょう。

 

あひるの店先から

先日おふくろが亡くなりました。96才でした。
43年前、おふくろとおやじは短い間だったけど国立に住んでいたことがありました。丁度その頃、私が勤めを辞め“八百屋”をはじめた時でした。
おやじは「なに!八百屋だって!それもリヤカーを引いてって、なんなんだ!子供が2人もいるのに」と怒って、しばらくの間“出入禁止”になってしまいました。
はじめた私自身「なんでこんなことはじめたんだろう?これからどうするんだろう?」と思っていたので、全く説得力はありませんでした。
おふくろもきっと同じ気持ちだったのだと思いますが、おやじの目を盗んでよく手伝いに来てくれました。
特に朝、野菜の到着が遅れるとリヤカーに積み込んで出発するのに精一杯で、片付ける手間がありません。放りっぱなしの野菜を倉庫にしまったり、周りをはいたり、干しきれなかった洗濯物を干してくれたり、時々昼食用のおむすびを握ってきてくれたりしました。
片付けが終わるとお茶をいれて、レコードをかけてひと休みしてから家に帰っていったとのことでした。
この時のことを俳句や文章にして、新聞などに投稿していたようです。
埼玉に引っ越し、おやじが亡くなり、20年余り姉と孫との3人の暮らしが続いていました。
4ヶ月前位に突然身心の不調が生じ、老人施設に入所しました。この時、3人の間で深いわだかまりが残りました。コロナ禍もあってなかなか面会もかなわず、わだかまりが積み重ね合っていきました。
3月末「肺に水がたまって体のむくみもヒドイ」と連絡があり、施設スタッフとともに呼吸器専門病院で診てもらったら、「水を抜きましょう」ということで入院することになりました。
ところが、病院の事情で待合室で6時間も待たされることになったのです。近くのスーパーからのりまき・おいなりさん・お茶・アイスクリーム・お菓子などを買ってきて食べたのです。
同行してくれた施設スタッフが驚く程よく食べ、よく喋り、表情も穏やかで、「こんなに世話になってありがとうね」「元気になって家に帰るからね」「たくさん食べて元気になろうね」と、3人の会話が弾んだそうです。
その夜は普通に寝たのですが、翌早朝意識混濁におちいり亡くなったのです。
あの不測の6時間“最後の晩餐”は“天の采配”だったのではないかと思うのです。
あれから2週間、夕方お店の電話が鳴ると、「ウン?そうか」と思うことがあります。夕方よく電話をかけてきたことを思い出すのです。

(狩野)

【有機パクチー】が大人気?の茨城・ハーブスマンの【ハーブ苗】【野菜苗】ご注文承り中

【スイートバジル苗】【青じそ苗】【ミニトマト苗】【ピーマン苗】…、4月になるとあひるの店先に並び始めるハーブ&野菜の苗。栽培しているのは、茨城・行方の福山君(通称ハーブスマン)です。
インド放浪中に行き倒れた福山君は、見ず知らずの人の家で介抱され、道端にはえている草花を煮つめた汁を飲まされみるみる回復、命びろいをした体験でハーブのチカラに目覚め、帰国後ハーブ栽培をはじめたのです。命の恩人(?)ハーブに寄せる愛情はひとしおです。
福山君から届く苗は、茨城・ハ-ブスマンの農場内の山で自給した腐葉土や堆肥を使い、特製の土で大切に育てられた苗です。健康に育てられた苗は、植え替えてからの成長ぶりに違いがでます。また香りも高く、丈夫で家庭でも上手に育てることができます。庭やベランダにハーブを植えて、植物とのコミュニケーションを楽しみましょう。
定番の【青じそ】【ミニトマト】などからはじまり、ハーブや夏野菜と続いていき、種類を変えて5月いっぱいまでの入荷です。
店頭にも並びますが、場所の関係で全種類は置けないので、どうしてもこれが欲しいという方はご予約がおすすめです。
只今【ハーブ苗】&【野菜苗】予約注文書配布中。入荷期間が異なりますので、ご都合に合わせて1週間くらいの余裕を持ってご予約ください。

 

あひるの店先から>>>

あひるスタッフ狩野が関わっている“種まきネット”の『福島で暮らすトークセッション』はのお誘いです(チラシ配布中!)。4月11日(日)旭通りNTTコミュニティスペースでやります。
トークセッションのテーマは「移住」「有機農業」「仲間づくり」「脱原発」ということになりますが、なんといっても今回のメインメニューは福島二本松から来てくれる2人の百姓です。

★関元 弘さん(50才・移住15年目)妻・子供2人・ヤギ

農水省のキャリア官僚として働いた後、同期入社の妻とともに「国を変えることより、先ず自分が変わろう」と退職し、縁があった二本松に移住し百姓をはじめました。
東京育ちの関さんたちにとって全ては初体験。その時受けた村人たちのサポートが、その後の関さんの地域での活動の礎になったようです。
3年間育たずを経てようやくといった矢先、震災・原発事故で全てがパーになったそうです。一体それをどう乗り切っていったのでしょうか?
「激動の15年?ワクワクのこの先10年。語ります、きいてください」

★仲里 忍さん(48才・移住13年目)

沖縄北大東島生まれ石垣島育ち。建築設計を学び上京。ところがなかなか仕事がなく、飲食を主に派遣労働者として各地を転々としていたのだが、ある時「味がない、匂いがしない」体調異常がおこり、医者に行ったがダメ。海や山に行くと治ることがわかり、「そうだ、田舎に行こう!」と二本松東和『ゆうきの里』の研修生に応募。
「“ゆうき”って有機農業のことだって知らなかったな。勇気のことかと思った」という仲里君は、農家民宿『ゆんた』を経営しながら百姓を営んでいます。
ゆったりとした語り口は、沖縄の島々を渡る風を感じます。

そんな2人と話していると、「街にあって田舎にないものはない。街になくて田舎にしかないものはたくさんある」と語った移住者の言葉が思い返されます。
コロナディスタンスから1年余り。ともに生きることの楽しさ、面白さをそろそろ取り戻していきましょう。
参加(リアルor Zoom)申し込みはあひるスタッフまで。

畑だより ―まだ野菜・果物は潤沢にあります―

2月3月になると八百屋をはじめた頃を思い出します。
人参も玉ねぎもじゃが芋も「ナイ!」のです。あったとしても、バリバリ芽が出た玉ねぎ・じゃが芋、水気を失ってガチガチになり「人参木」といわれていた人参だけでした。
「あ~あ、1年中せめて玉ねぎとじゃが芋と人参のある八百屋になりてえ」と思ったものです。
有機の百姓がどこにいるのかいないのか、全く手がかりがないので仕方のないことでした。ネットのない時代でしたから、人伝てに聞いた事を頼りに訪ねていくだけでした。
百姓はなかなか見つからなかったけど、なぜか八百屋をやりたいという人だけはふえていきました。少ない百姓が作る少ない野菜を、ふえてきた八百屋の要望に応えるために「振り分け」という方法がとられたのです。ほうれん草10束注文→入荷3束という風に。ある時はトマト1ケース→入荷4ケースということもあります。
ようするに、店からの注文数はあってないようなもので、畑の生育状況に応じて出荷されてくるということなのです。
ポラン広場グループが「生産者シフトの流通」と言われ百姓たちの信頼を得てきたのは、「畑を片付ける」という姿勢に因ることが大きかったのではないかと思います。その伝統(?)は、スマートになりながら今もつづいています。
サテ、
神奈川けのひ農場の北原君、八王子キテレツファームの神田君からの直送野菜も減少に向かっています。
ほうれん草・小かぶ・ビーツ・ルッコラ・カーボロネロ・ワサビ菜などが出荷されていたキテレツファームは、ほうれん草以外の野菜は終了に向かっています。野菜が育ってくるのは4月中旬位になりそうです。今は、新しく借りた畑の土づくりや種まきで忙しくしているようです。
「いままでキチキチだった畑がゆったり使えるのは嬉しいけど、マンパワーをどうしたらいいのか悩ましいところです」と言っていました。また新しい一歩を踏み出したのです。
北原君のところは小松菜・人参・さつま芋・カーボロネロ・短大根・赤かぶ・ネギが出荷されてきていますが、これも減少・終了に向かっていきます。
栃木の鈴木章さん・田島さんのところは、里芋を除いて野菜は全くありません。
冬型野菜はいずれにしても減少していきますが、北原君・神田君よりハウスも含めて広くやっている農家にはまだたくさんあります。
沖縄・鹿児島からは一足早くきゅうり・とまと・ミニトマト・いんげん・ピーマン・スナップエンドウ・葉ニンニク・島らっきょうなど、春夏野菜がはじまりました。
果物は、今年初めて農薬・化学肥料不使用で育てられた、茨城かすみがうら・竹村さんのイチゴ、熊本・福島さん/肥後あゆみの会からポンカン・甘夏・はっさく・ネーブル・不知火(デコポン)・タンカンなど晩柑類が出揃ってきました。
こんな風に南~北まで産地を移動できるようになるまで、30年以上がかかりました。一人一人の百姓たちとの出会いには、一つ一つのドラマがありました。その出会いをお客さんにお届けできるのは、八百屋冥利につきることです。
まだまだ寒い日が続きますが、温かいものを食べて、ビタミンCをいっぱいとって、コロナは勿論、風邪などひかないようにしましょう。

 

あひるの店先から ―明日になれば、わたしたちは……とはいかないようですね―

2020年、「コロナがおさまれば……」と随分多くのことをパスしてきました。春になれば……、夏になればウイルスは暑さに弱いから……、秋になったらおさまるんだろう……、1年が過ぎ去ってしまいました。
2021年は状況を待っているのではなく、「何ができるんだろう?」「どうしたらできるんだろう?」と踏みこんでいきたいと思います。
先ず思いつくのは、ここから30分、八王子キテレツファーム神田君の畑に行って、泥だらけになりながら種を播いたり収穫したり、畑で焼いたり煮たりして皆んなでご飯を食べて遊ぶ『あひるの学校~畑に行こう!』はできそうだし、神奈川愛川町けのひ農場北原君の畑にも行けそうです。昨春から飼いはじめた鶏たちも、順調に毎日30ヶ~40ヶ位卵を産んでいるようですから、畑仕事の後タマゴ料理オンパレードもできそうです。
神田君(31才)北原君・祥ちゃん(37才)の3人と、栃木から鈴木章さん(72才)にも来ていただいて、『これでわたしは百姓になりました』みたいなトークセッションを催すのも面白そうだなと思うし、なんと北原君は母校法政大学で毎年2時間講座を催し、お礼までもらっています。2人とも就農2年と7年で、章さんは42年のキャリアです。
これまで『あひるの学校』では『元気屋さんの豆腐づくり』『木のひげのパンづくり』『あひるの味噌づくり』『オーサワの料理づくり』『玉ちゃんのキムチづくり』……を催してきました。
出来るならみんなでワイワイしながらやりたいのですが、それが難しいなら豆腐を食べながら、パンをいただきながら、玉ちゃん料理を食べながら、「豆腐屋の1日」とか「酸っぱくて硬い国産小麦天然酵母パンはどう工夫していったのか」とか「韓国~日本なが~い旅路の話」とか「魚屋さん海野君のおいしい魚が届くまで物語」とか、トークショーもいいのではないかと思っています。
コロナディスタンスで人と人の物理的な間隔はとった方がいいのだけど、人と人の気持ちの間カクは近づけることはできます。そして、今それが一番必要なことだと思います。
あひるの家では、心と心が重なり合えるような事を、今年はやっていきたいと思います。本年もよろしくお願いします。