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畑だより ―北原くんちにヒヨコたちがやってきた!―

5月8日(金)祥子(妻)と3人の子供たちは、厚木にある生き物専門の運送屋さんにヒヨコたちのお迎えにいきました。
“もみじ”という品種の、生まれてまだ48時間経っていない、ウブ毛がチョロチョロはえてピンク色の肌もあらわな51羽のヒヨコです。手にとるのもおそるおそるでダンボールに入れて、家に連れてきました。
ところで、買う時オスとメスだといくらだと思います?メス310円、オス40円、これをきいた時、生物界はそういえばそうだよなと思って、複雑な気持ちになりました。
このヒヨコたちが卵を産みはじめるのは秋位からということです。産卵率は、平飼いはケージ飼いに比べ半分の40%位とのこと。駆け回ってエネルギーを消費してしまうので、産む量が大幅におちるそうです。
ワクチン接種をやらないのは、ワクチンをうつと弱い体になって薬剤に頼らざるを得なくなるのでやめました。
2年経つと産卵率がおちてくるのでケージ飼い(一般飼育)の場合処分するようですが、ぼくのところは自分で作った野菜を主食にしていこうと思っているので、コストもあまりかからないので5~6年飼えたらと思っています。
鶏を飼うことは百姓をはじめた頃からの夢でした。野菜を育てる→鶏に食べさせる→鶏フンを堆肥にする→野菜を育てる、循環型農業ですよね。勿論、自分達が育てた野菜を食べる⇔卵や鳥肉をいただくも含まれています。あと、米が作れればいいのですが。
この時期にバタバタ始めたのはコロナ休校がきっかけでした。オンライン授業準備のためiPadを買ったのですが、子供たちは外にもいかずゲームばかりです。それはそれでいいんだけど、祥子と“これから子供たちをどう育てていったらいいかな”と話して、“生きていることのリアリティを感じてほしいな”ということになり、ヒヨコ導入を決めたのです。親が畑仕事で忙しいこともあって、子供たちが休みということもあって、ヒヨコの世話は子供たちの仕事になっています。
この2週間で2羽のヒヨコが亡くなりました。庭の木の下にお墓をつくって埋めました。あんなにフワフワしてあったかかったヒヨコが、冷たく硬くなってしまったことは、その日の夕食がのどを通らない位子供たちにはショックだったようです。
ともかく、北原ファミリーに新しいメンバーが加わりました。ワクワクしています。いつか皆さんにも来ていただいて、鶏たちを見ていただけたらと思っています。 (北原瞬 談)

※北原君からは大根・キャベツ・バジル・ズッキーニ・スナップエンドウ・新玉ねぎ・カリフラワーが入荷しています。5月末の店頭販売は、祥ちゃんがギックリ腰になったため6月に延期です。

栃木鹿沼・鈴木章さんからは絹さやえんどう・スナップエンドウ・空豆・グリーンピース・ブロッコリー・カリフラワーが入荷中!2~3週間だけの初夏のおいしさを楽しんでください。腰をかがめ、腰をのばし、腰をたたきながらの収穫作業は「辛い!」ものがあります。章さんマツさん老夫婦に感謝していただきましょう。
他の産地でも暖かさと雨で野菜がどんどん育ってあふれつつあります。
一方、果物が淋しくなりつつあります。りんご・いちごが終わって、手頃な果物がなくなってきました。
新しく和歌山・内柴君のびわ、甘夏・河内晩柑・バナナ・キウイといったところです。6月に入ると小玉西瓜・メロン・サクランボ・プルーンなどが始まりますが、まだ先です。
30℃に近い日もあれば15℃を下回る日もあるという体調維持が難しい日々ですが、何より嫌になっちゃうのがマスクです。1日に2~3回呼吸困難におちいりそうな気分になります。「畑でマスクしている百姓なんていねえよ」という環境がうらやましいばかりです。
まだまだ不安定な日々が続いています。体調に気をつけましょう。

 

畑だより ―5月になれば……畑は―

4月中旬頃から、店内の野菜棚は夕方になるとスッカラカンで、「八百屋さんなのに野菜がないのね」と言われっぱなしで、「売れないで(無くならないで)」の変な気分でした。端境期で野菜が一番少ない時期なのと、需要が大幅にふえたことに因ります。
でも、ついに5月初旬から盛りだくさんの野菜が入ってきます。
神奈川・北原君からは、5月中旬にかけて春キャベツ・ミサキキャベツ・カリフラワー・大根・新人参・小かぶ・小松菜・リーフレタス・赤リアスカラシ菜・ルッコラ・ズッキーニ・スナップエンドウなどが目白押しに出荷されてきます。ちなみに今はのらぼうだけです。
新型コロナのことで言えば、家の前の庭(野原?)にテントを張って、火をおこしてキャンプ気分を楽しんでいるそうです。
一方、「おまえんとこ野菜が売れてるそうじゃないか。おれなんか花だからサッパリ売れねえよ」と村の人に言われ、「ええ」とか「まあ」とか、言葉の返しようがない事を言われることが多くなったそうです。
「“無農薬だ?”“もうからない野菜を作ったって”“百姓の真似事だな”等々、色々言ってたのにサ」と困惑気味で、「あんまり張り切っている姿を見せられないな」と周りの視線が気になるようです。
コロナの情況によりますが、5月下旬にはあひる店頭での直売を予定しています。
栃木鹿沼・鈴木章さんからはブロッコリー・キヌサヤ・スナップエンドウ・かぶ・長ねぎなどが始まります。
育てている牛の価格が大幅に落ち込んでいて、子牛を導入するか迷っているとのこと。
「おれんところは8頭~10頭位だし、エサはほとんど自前だからダメージ少ないけど、100頭位飼っている仲間は廃業も考えはじめているみたいだよ」
「おれんところの最大のダメージは、孫たちがこの休みに遊びにこないことだなあ。年寄り2人楽しみがなくなって、ただ毎日牛の世話して畑やってだと、言葉も少なくなっていくなあ」
章さんも6月位に店頭直売の予定です。
今だけおすすめは栃木鹿沼・田島君の堀たて筍です。風味・歯ごたえ抜群で、おまけに安いです。竹の子のカツオ煮・チンジャオロース・ワカメや梅肉との和え物・味噌汁の具・天ぷら・蒸し焼き……1本あれば何種類もの料理ができます。お店でゆでた竹の子もあります。
春といえば土に親しむ季節でもあります。茨木ハーブスマン福山君と長野の吉沢君から、ハーブと野菜の苗が出ています。パセリ・ミニトマト・青じそ・ジャーマンカモミール・スイートバジル・ピーマン・とうがらし・日本なすなどが順次届いています。ご注文受け付け中です。
果物はりんご・いちご・黄金柑がまもなく終了で、パイナップル・キウイ・夏みかん・甘夏・河内晩柑・バナナと、種類が少なくなっていきます。
野菜が出ます!食べて活力を保っていきましょう。

畑だより ―寒くてイヤだけど、野菜がおいしい―

―寒いと甘くておいしくなる?―

茨城・栃木・神奈川の畑は、この辺りより朝の気温は3℃~5℃低くなります。霜が降りるのはあたり前で、雪も時々舞います。
吹きっさらしの畑でほうれん草も小松菜も大根も白菜も朝には真白く霜におおわれ、陽が昇ってくるとキラキラと輝いています。この繰り返しが、甘さと旨さのヒミツです。
実は、本当に凍っちゃう腐っちゃうので、野菜たちは自ら糖度を上げて、凍死することを防ごうとしているのです。更に、霜~溶けるを繰り返すことで葉脈の筋っぽさを溶かして、やわらかくトロッとした味わいをつくりだします。スゴイですよね、野菜の生命力。
それに比べて、ホッカイロベタベタ貼って、くつ下3枚はいて、暖房強くして……それでも「寒い~」と言っている我が身がなさけない。

―保存することで旨くなる?―

サツマ芋・里芋・じゃが芋・玉ねぎ・人参・ごぼうなどの根野菜は、水分が多いため畑においておくと凍って腐ってしまうので、掘りあげて寒気が入らないよう保存しておきます。
家の中の暖かい所に毛布をかけて置いている人もいますし(北海道の農家でストーブのそばにゴロゴロ南瓜をころがしている百姓もいました)、ワラで囲った室(ムロ)に入れている人や、ビニールハウスの中に溝を掘ってモミガラを敷きつめてサツマ芋をおいて、その上にモミガラを山のようにかけて保存している人もいます。
寝かせておくことでエグミと水分が抜け、甘味と旨味がましてきます(あったか過ぎると芽がでてきたりするけど)。
りんごや柑橘類は凍ることは少ないのですが、置いておくことで酸味が抜け、甘味がまして味が濃くなっていきます。更においしくする工夫として、倉庫の床・壁・天井に炭を練り込んで庫内の空気を浄化させ、味と品質を保とうとしている百姓もいます。
寒さに耐えながらおいしくなっている野菜・果物に感謝していただきましょう。

―寒くないので、とれたて野菜が届いています―

20℃を超える日々が続いている沖縄の島々から、トマト・ミニトマト・キュウリ・ピーマン・パプリカ・インゲン・プチ空豆・島らっきょうと春~初夏野菜がはじまっています。
朝「暖房がほしいな」と思うのはひと冬で2~3回だそうで、ほとんどの家庭に暖房機はないといいます。
たいして暖かくはないけど、暖流と強い風のせいで霜が降りないのは、愛知県知多半島の天恵グループの畑です。キャベツ・グリーンセロリ・ブロッコリー・カリフラワー・大根が届いています。有機第二世代が地域ぐるみでいい野菜を作っています。

「寒い!」から「凍える!」日々がこれからも何回かあるでしょうが、おいしい野菜で体をあたためてください。

畑だより ―42作目の竹村いちごはじまります―

「みなさんのオイシイ!の一言がハゲミになります」と、頭に被った手ぬぐいをとってピカピカツルツルのハゲ頭を見せて、「よかったらさわったりたたいてみてください。御利益ありますよ」と店頭を笑いの渦に巻きこむ茨城かすみがうらの竹村さんから、いよいよ苺が届きます。
竹村いちごの栽培状況は

・ 品種 … 甘酸っぱくて香りの良い「とちおとめ」です。昨年10月の手取り除草からはじまって、1年余りかけて育てていきます。

・  栽培 … 不耕起で年々地力がついて病害虫に強くなっています。大豆・米糠・カニ殻・海藻・貝殻などを2年ねかせ、肥料としてまいていきます。14度ある地下水を汲み上げ、2重にしたビニールハウスの間に雨のように降らすと外気に比べ15度程あがり、保温効果をもたらします。化石燃料を頼ることはしません。

・防虫・防除 … 山野草・黒糖・ニンニクなどを漬けた汁(天恵緑汁)や自家製漢方焼酎などを散布しています。化学農薬は10月2日にヨトウ虫防除に1回使用しました。今試作中ですが、来期は農薬不使用でできそうです。

灯油ガンガン農薬バンバンのいちご栽培の中になって、竹村いちごは稀有の存在です。
「アタマペタペタ竹ちゃんマン」とお客さんの子供たちに人気の竹村さん(60才)ですが、実は200年もつづく由緒(?)ある根っからの百姓です。江戸時代、天明の大飢饉の時に東北地方の二男三男が入植したのが始まりだそうです。計り知れない労苦の末、今に至っているのだと思うと、竹村さんのハゲ頭に後光がさしているように思えてしまいます。
そういうこともあってか、東日本大震災の時の井戸水の供給・炊き出し・見守り活動を担ったり、今も民生委員として地域の困り事相談をひき受けているそうです。
2月7日(土)のあひるの家SALE日に久し振りにやって来て、店頭パフォーマンスを披露してくれるようです。竹村さんから一言、
「仕事と家の都合をつけてお伺いします。それまでアタマにいっそう磨きをかけていきますので、お楽しみください。昨今、取り引き先との関係がただ“生産者”だけになってきています。そんな中、あひるの家での店頭販売はお客さんとのコミュニケーションが楽しめる貴重な機会なので、今から話芸の腕も磨いていきます。今期もいちごをよろしくお願いします」とのことです。
沖縄(23℃)からキュウリ・インゲンが始まります(少量)。年末野菜・果物は順調に育っています。

畑だより ―限界です。このままだと崩壊です―

と、SOSのメッセージを寄こしたのは、卵でお世話になっている栃木芳賀の高田さんです。農場(ひのき山農場)をはじめて37年、1度も卵の値段が上がることはありませんでした。
時々、「値上げしなくて大丈夫なのかよ。他のところ上げてるゼ」ときくのですが、「ダイジョーブです。ガンバリます」との返答。でも、ついにギブアップが発信されてきました。
ヒヨコ~成鶏までの餌を含めた育成費、鶏舎の維持管理費、スタッフの人件費、箱・紙パック代、宅急便の料金……、全てがこの30年余りで倍位になっていました。最近では自分の取り分をとらない(とれない)ことも多くなり、ついに決断した訳です。
【10個入りパック】¥620 【6個入りパック】¥380 【卵1個】¥65 の値上げです。
ひのき山農場(会社名は(有)おひさまポカポカ、銀行の窓口で呼ばれたりしたらハスカシイ!よね。あひるもそうだけど)の鶏卵の特徴をあげると、

1) 平飼い、オスメス混住、開放鶏舎

2) ヒヨコ~成鶏までの一貫飼育

3) 餌は大麦・小麦・お米など地産飼料を使用。非遺伝子組替、放射性物質不検出

4) 穀物は全てカラ・モミ付きを与えることで鶏の胃腸をきたえ、腸内環境を整えることができます

5) 抗生剤の使用はありません

6) 卵黄の黄色はマリーゴールドの花びらの色素です。ちなみにマリーゴールドの花言葉は「健康」です

7) 高田さんの娘・果琳ちゃん29才と息子の裕生君27才が主になって鶏の世話・採卵・出荷などを担い、近隣ではまれな後継者に恵まれています

大幅値上げということになってしまいましたが、“ひのき山農場存続”へのご理解とご了承をお願いします。

話し変わって、この2ヶ月余り野菜の入荷がなかった神奈川愛川の北原君の畑はどうなってるのか?ということですが、台風15号の強風で夏野菜(なす・きゅうり・インゲン・オクラなど)の全てが一夜にしてなぎ倒され、吹き飛ばされなくなってしまいました。
台風19号の豪雨は、白菜や葉物類はやられましたが、大丈夫かなと期待していたキャベツ・かぶ・ほうれん草……などもやっぱりダメで、途中で枯れたりしおれたり病気が出たりと出荷には至りませんでした。
でも、ついに、ついに11月20日頃から始まります。
キャベツ・ブロッコリー・スティックブロッコリー・小かぶ・赤かぶ・ワサビ菜・大根・カーボロネロ(黒キャベツ)・里芋・サツマ芋・生姜・人参が入荷予定です。
12月15日(日)には今年最後の北原君直売イベントをやります。励ましもかねて買いに来てください。
そうそう、11月28日(木)法政大学多摩キャンパスで『SEED―命の糧』の映画上映とともに、北原君のトークショーがあります(あひるポストにチラシがあります)。何話すのかな?いくらもらえるのかな?と楽しみです。
散々だった10月でしたが、ようやく晴れ間の続く11月、野菜も果物も順調に、一段とおいしくなってきています。
トマト・なす・きゅうりは完全に終了しましたが、根菜類を主に味が濃くなり、「冬野菜がやっぱり旨いかな」と思わせる季節です。果物では富有柿がおいしいです。みかんもりんごも味が深くなってきました。
いよいよ冬です。あったかい物を食べて、あったかくなりましょう。

失われた34日間を取り戻せ!【10/3畑だより ―41回目の収穫の秋を迎えた富良野の畑から―】

北海道富良野南麓郷の阪井君から、実りの秋を伝えるお便りが届きました。
麓郷(ロクゴウ)は、あの『北の国から』の舞台となった所で、今も千歳空港からの直行バスが訪れているようです。
夏は地平線が見える程広々とした畑や牧草地が続き、冬はTVドラマにもあったように寒さと雪におおわれ、道々を往くのはキタキツネと時々熊というところです。
20才の阪井君が「こんなところに居たくない。東京に行こう!」と思ったのは当然のことだったと思います。『あしたのジョー』を夢みて、挫折して、それでも3回目の家出をしてやってきたのは、はじまったばかりの『あひるの家』でした。
11月~3月まで リヤカー八百屋をやりながら、週末「有機農業とは?」とおつき合いのある農家におじゃまして学んでいきました。
八百屋のことでいえば、元ボクサーだったのでフットワークが良く、百姓の息子だけあって野菜の知識と愛情は深く、そしてなにより見た目が格好良かったのですから人気が出ないはずはなく、3台のリヤカー八百屋の売上げトップランナーでした。
20才の阪井君が30才のぼくに遺してくれた言葉は、「百姓には“もうダメだ”という言葉はなくて、また種を播くんだよね」というもので、その後幾度もこの言葉に励まされたものでした。
イッチャン(鹿児島出身)を連れて富良野に帰った阪井君は、「もう家出をしない。おれ(オヤジ)の畑を手伝うならば、10町歩のうち1町歩を渡すから、おまえの言う有機農業とやらをやったらいい」と父親に言われ、阪井君の有機農業が始まったのです。
北海道は元々開拓者(移住民)の多い土地柄、「百姓をやりたい」という人たちへの門戸が広く、その人たちの多くが「有機農業をやりたい」と志していました。そんな人たちにとって阪井君は頼りになるフロントランナーだったのです。
こちらに来るとぼくの家に泊まり、何度か遊びに行ったことのあるぼくの子供たちも交え餃子パーティーで盛りあがるのです。
阪井君の営む『百・我(ももんが)農園』の主力は息子に移行しつつあります。2人の孫持ちにもなりました。
歳月は積み重なりましたが、向こうから黒いニット帽を被った青年が軽快なフットワークで駆けてきて、帽子をとって「北海道富良野の阪井です!八百屋やらしてください!」とあいさつした様を重い出します。
そんな阪井君から、玉ねぎ・じゃが芋・南瓜・坊ちゃん南瓜が届きます。
5月初めの長雨、5月末の高温、8月中旬までの干ばつ高温、収穫の今の長雨と、今年も都合通りいかなかったようですが、昼夜の寒暖差で糖やデンプンがつくられ、おいしい野菜が仕上がったそうです。食べてみてください。『北の国から』観ながら食べると一層おいしくなります。

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秋です。実りの秋です。
りんごが出てきましたよ。【ひろさきふじ】【ほのかふじ】【千秋】【トキ】【ひめかみ】その後に【紅玉】、各々固有のおいしさがあります。
弘前・伊藤さんの園地には熊が出てきて熟したりんごを食べたり、村には2頭の子熊が出てきて、初めてのことなので対策に頭を悩ませているようです。
柿は刀根柿・平核無柿、そして本命富有柿とつづきます。豊水梨・新高梨・プルーン・キウイフルーツ・バナナ、巨峰・甲州・甲斐路・ベリーAとぶどうも揃いました。グリーンレモン、間もなく早生みかんも始まります。
新米は栃木・鈴木章さんの自家用米、長野おむすび米、少しして新潟コシヒカリ、もう少しして福島さゆり米とつづきます。いずれも農薬・化学肥料不使用です。
野菜は台風15号と9月中旬から続く季節外れの高温で苦戦しています。
夏野菜は15号のダメージを回復できず終了に向かっています。大根・キャベツ・レタスなどもダメージを受け、仕入れ先を変えたので少量なのと高いです。10月下旬まで仕方ないかというところです。
この暑さ疲れます。なんとかいい秋を迎えましょう。

失われた34日間を取り戻せ!【9/25~19/10/13 阪井くんからの手紙2019】

41年前、あひるの家がまだリヤカー八百屋だったころの仲間で、その後地元富良野に戻り有機農業をはじめた阪井くんから、今年の収穫の秋便りが届きました。

いつもの雪解けから5月初めの長雨で玉ねぎは足踏み状態で一部スロースタート。
その後少雨。5月末に突然の高温。8月中旬までの干ばつ高温。帳尻合わせのように収穫の今、長雨が続いております。人間の都合とはうまくいかないものです。

☆じゃがいも(ゆきつぶら・さやあかね)
早生系で疫病打撲(収穫キズ)に強い品種を やっと見つけたのですか、もう種子として作られていなく自家種で増やし3年目。やっと出荷にこぎつけました。
そうか病の発生が少しあり、仕上がりまで干ばつの影響で伸び遅れ、全体的に小さ目かと思われますが味は抜群にでんぷんがのっています。
晩成のさやあかねは肥大期に雨が間に合って今後に期待!!

☆玉ねぎ(オホーツク222・北のルージュ)
移植が遅れた畑では、タマネギバエの発生で20%くらい6月初めに枯れて消えてしまいました。
マルチ栽培で少ない水分を分かち合い健闘していましたが高温干ばつでのスリップスの大発生で8月始めには真っ白に葉が食害されました。
もう少し太れず、根の部分がとんがったのは、もう少し太りたかった玉葱です。味は濃縮されて甘さと辛さを楽しんでください。

☆南瓜(九重栗・坊ちゃん)
高温干ばつの中意外と頑張って生育的にはよく育って味もデンプンがのって美味しく玉の大きさも1.5キロぐらいで手頃です。坊ちゃんはそこそこの玉付きではと思います。

☆小麦(春よ恋)
播種機の不良(調整不足)で発芽揃いが悪く雑草の発生が多い畑ができたことは大きな反省です。
この小雨の中ではまずまずの収量で味的に期待できる気候だと思います。

10年前衝撃を受けました!
東京日比谷で偶然見たテオ・ヤンセンの作る生命体。なんと今年札幌にやってきました。縁あって家族で見ることができあの時の感動を分かち合えました。
点と点が結ばれ繋がれ、風と太陽と雨などを味方につけ、円を描くように動き出し命が生まれる感動。
そんな農業がやりたいのです。種子を蒔く時点で自然から遠ざかってしまうのが農業の性です。
今年二人目の孫が生まれました。
縁あって色々な人たちと結び、この縁の中で皆様に届けていただき食べて頂きまた私たちに返ってまた種を蒔く。このサイクルに感謝です。

2019年41回目の感謝の秋。

富良野 百・我(ももんが) 阪井

あの頃あんなに若くてかっこよかった阪井くんも(元ボクサー)、2人目の孫が生まれたとのことで、あひるの家もずいぶん長くやってるのだなあとあらためて実感。
阪井くんのカレー畑から間もなく直送で届く【有機じゃが芋】【有機玉ねぎ】【有機南瓜】をよろしくお願いします。

失われた34日間を取り戻せ!【9/12 畑だより ―台風一過、明暗分かれる―】(前々号あひる通信記事)

栃木鹿沼の鈴木章さんから新米の出荷が始まります。40回目の収穫です。
品種はコシヒカリ、農薬・化学肥料不使用です。自家用米(販売を目的としていない)なので、他の産地のお米より安いです。
前号でお伝えしましたように、牛11頭を肥育し、米・麦・野菜を栽培する、今では珍しい有畜複合有機農業を営んでいます。農園内で賄う自給型循環農業を実践しています。70才と高齢の域に入ったマツさん(妻)と2人でやるのは、なかなかしんどくなってきているようです。
板橋区の鋳物職人の息子として育ち、高校時代生徒会長になり、“正義感”の強い章さんはことごとく学校側と対立し、ストライキまがいのこともやったそうです。
その体験もあって、大学進学や就職ということは考えられず、その頃少しずつ全国各地ではじめられていた有機農業を営む農家に住みこんで、農業のイロハを学んでいったそうです。
その何カ所目かで栃木鹿沼の在の農家の娘マツさんと知り合い、鈴木農園が始まったのです。
「半分諦めて、半分で一生懸命やる」という心根は、その後続いた若手の有機農家に「生き方としての農業」を鏡として伝え、私達八百屋も絶大な信頼を寄せ、「栃木の宮沢賢治」と呼んでいます。
台風ですが、夏野菜(ナス・インゲン・ツルムラサキ・オクラ・キュウリなど)は風でもっていかれて、即終了になりました。お米の田んぼは、風の通り道からわずかにそれていたらしく、無事でした。
一方、神奈川愛川町の北原君の所は、「家が壊れるんじゃないの」という位な強風が吹き荒れ、台風が過ぎ去った朝全ての畑を見にいったけど、「全滅」でした。
ナス・キュウリ・オクラ・サンマルツァーノトマト・モロヘイヤ・ツルムラサキ・空芯菜……、吹きとばされて跡かたもなかったり、倒されていたり、無事な野菜はありませんでした。
「毎年いろんなことがあるけど、今年はこれか」と、納得気味に北原君は笑っていました。「さあ、もう一回、秋冬野菜の種蒔きしなくちゃ」ということです。
10月26日(土)北原君の畑で収穫祭をやります。
さつま芋堀り・野菜収穫・野原で焼き芋・豚汁・運動会などをやります。どんな野菜が育っているのか今のところ不明ですが、秋の一日を一緒に楽しみましょう。参加者募集中!
夏野菜が終わりかけ秋冬野菜が未だという端境期ですが、この台風で更に追いうちがかかりそうです。
野菜は、品数も量的にも少なくなっていきます。「あれもないの、これもないの」と言われる事が多くなる季節です。その度に、夏の疲れがドドーッと出てくる時期です。
青森弘前の伊藤さんのりんご園では熊が出てきて、おいしくなったりんごを食べちらかしているとのこと。「熊のフンは見たことあるけど、毎日のようにりんごが食べられているのは初めてだよ。味を覚えちゃうとちょっとマズイよ。アブナイし」という収穫の秋で、つがる・未希ライフ・さんさ・きおうと新しいりんごが出てきます。
なんとか夏の暑さをしのいで、サテこの秋は何があるのでしょう?くれぐれも体調に気をつけてください。

畑だより ―夏子産まれる!―

栃木鹿沼の鈴木章さんのところで8月13日夏子が産まれました。
汗だくでモウロウとしながら2時間かけてとりあげたのは章さんで、母は花子です。11頭目の子牛です。
「なんて名前にしたんだい?」
「そんな、暑くて考えられねえよ。だからナツコにしたよ」とのことです。
ちなみに、数年前のやはり夏でした。章さんから電話がかかってきて、「産まれたんだけど、お前名前つけてくんない。オスだよ」ということで、一晩考え思い出しました。
牛は一頭一頭識別番号をつけなくちゃいけないらしく、普通「No2374」とかにするようですが、「それじゃあ飼ってる間名前を呼べねえじゃないか。やっぱりポチとかタマとか名前を呼びながら育てたいよな」ということで、思いつかないからこっちに振ってきたようです。
朝晩のエサ(自家配合飼料)やりから、大型扇風機で風を送り、水を補給しシャワーを浴びせと、普段より更に手間のかかることをやっている70才章さん。
野菜もナス・きゅうり・ゴーヤー・インゲン・オクラ・ネギ・ツルムラサキ・モロヘイヤがどんどん育ち、9月中旬には新米刈り取りもはじまります。
そう、秋冬野菜の畑への定植もはじまります。妻のマツさんと2人でやっているのだから、スゴイ!としか言いようがありません。
それでいて、わたしが言うのはなんですけど、ご近所農家の家構えに比べボロだし、生活もつつましそうだし、ようするにお金持ちではなさそうです。
だから、「お~い!」「どうした!」と40年にわたっておつき合いできているのだと思います。
「夏に産まれた子は丈夫に育つ」と言われているので、ナッチャン大きく育ってください。ゆくゆくは丈夫な子を産んでください。それまで章さんマツさん現役なのかな?
神奈川愛川町・北原ファミリーも夏と格闘しつづけました。育っている野菜は章さんのところと同じです。
先日は子供達3人と人参の種まきをやって大盛りあがりだったようですが、「この夏1回位、夏の思い出つくらなくちゃいけないんじゃないの」ということで、今週末か来週、海か温泉に行く予定です。
8月4日、祥ちゃん(妻)が店頭販売に来てくれて、とってもよく売れました。
「北原さんが来るっていうから」「北原さんの野菜はおいしいのよね」と、持って来た野菜を全品目買ってくれたお客さんが何人もいました。
祥ちゃん大感激。「来てよかった。朝4時頃から夜9時位まで毎日追われっぱなしで、わたし何してんだろう?と煮つまっちゃって子供にあたったりして。こんな風に話せて、ヨシ!明日から気分よくやるゾって思え、また来ます!」と、子供たちと自分たちのお土産と本日の売上げを持って帰りました。暑い中来てくれたお客さん、ありがとうございました。
サテ悩ましいのは、同じ品目の野菜を章さんからとるか北原君からとるかです。
答え。両方からとってあひるの店先があふれる、でした。たくさん買ってください。
先日は青森弘前のりんご農家伊藤さんが来てくれました。いよいよりんご本格的にはじまります。シナノレッド・さんさ・未希ライフ・きおう・つがる・いとうと9月からスタートです。
伊藤さんのところは年間60種類位のりんごを栽培していて、昔ながらの旭・国光・いんどりんごなども「各々の良さがある」と、樹を切らずに残している珍しい農家です。
2時間余りたっぷり話しをして、その5分の4は一人息子(中学3年生)の「受験」の話しと、「最近ぼくと口をきかないんですよ」という話しと、「40才まで職を転々とした」話しと、「父と母が認知症になって施設にいる」話しでした。5分の1がりんごの話しでした。
とれたて!新鮮!おいしい!珍しい!伊藤さんのりんごをよろしくお願いします。
野菜は
とまとが青森・北海道に北上しましたが、あとはまだ関東近辺が主力です。7月の長梅雨のせいで全体的には量が少な目ですが、順調です。
果物は
大好評小玉西瓜・パイナップル・すもも・浜田さんのブルーベリー・メロン・桃などが終了に向かっています。替わってりんご各種・巨峰・ベリーA・ネオマスカット・デラウェアなどのぶどうと、幸水・豊水・二十世紀・洋梨などの梨がはじまりました。バナナ・キウイフルーツはいつもどおりです。
新米は9月中旬から台風でやられなければ出ます。
長い長い梅雨と35℃当たり前の夏で「よく生きのびた!」の実感です。くれぐれも体調に気をつけてください。

畑だより ―今回は畑のことというより、耕す人のことです―

6月29日30日、『種まきネット』の福島ツアーで二本松東和地区を訪ねてきました。
東和地区には13組30人余りの新規就農者が有機農業、自然養鶏を営んでいます。神主さん、フレンチのシェフなどを加えた交流会が、今回のツアーのメインでした。
73才~42才まで、移住歴16年~2年とまちまちですが、そこには「食べていけて、仲間がいて、夢がある」と感じさせるものがありました。
畑を案内してもらうつもりだった(雨のため断念)関さん(44才)は、13年前に家族4人で移住してきました。
東大を出てキャリア官僚として農水省に入所し、同期で別人だけど同姓だった関さんと結婚し、6年7ヶ月で退職、移住したとのことでした。
「丁度、就職氷河期と言われる時。ともかく安定した仕事につきたいと思って入所したんですよ。でも、3年位して“オレは本当に選んだんだろうか?”と思いはじめ、元々物づくりをしたいと思っていたので百姓を選んだんですよ」と、ニコニコ語ってくれました。
耕作不耕地の桑畑を借りたのだけど、根が張って起こせないで苦戦していると、近所の大工さんが工事用コンボを持ってきて掘りおこしてくれたり、まるで村総出で応援してくれたのです。
それでも、5年は作物はほとんど育たなかったと言います。その間、酒蔵に行って仕事をしていたそうです。
「10年がたって、ようやく手ごたえを感じてるなあ。震災・原発事故で出荷先の全てに断られたこともあったなあ。でも、いるんですよ、“なんとかしよう”という気持ちを持った人が」
関さんは冬場の仕事として自宅に『ビール工場』(ななくさビール)をつくり、仲間8人と丘の上にぶどう栽培からはじめる『夢ワイン』工場販売所もスタートさせています。いただいたキュウリ・ミニトマト・自家製パンは、ことのほかおいしかったです。
あひるの家が直接おつき合いしている北原君(神奈川)、鈴木章さん・田島君・高田さん(栃木)、竹村さん(茨城)、伊藤さん(青森)、阪井君(北海道)なんかにこの話しをして、「食べていけて仲間がいて夢がある」ってどうだろう?ときいてみるつもりです。

はじまらない夏に立往生している畑です。

<果物>
大玉西瓜・小玉西瓜・桃・すもも・ガラリ・パイナップル・キウイフルーツ・サクランボ・タカミメロン・バナナ・甘夏・河内晩柑と充実のラインナップです。曇天の前にある程度結実していたので、影響が少ないです。

<野菜>
キュウリ・ナス・長ナス・トマト・ミニトマト・ピーマン・インゲン・枝豆・ししとう・南瓜・トウモロコシ・キャベツ・カブ・ほうれん草・小松菜・アスパラ・チンゲン菜・ツルムラサキ・モロヘイヤ・にがうり・ズッキーニ・空芯菜・バジルと揃っているのですが、陽射しがないため傷み、枯れ、成長不足と障害が出はじめています。これから欠品、入荷量減少が広がりそうです。

北原祥ちゃんは過労、天候不順もあってダウンしています。皆さんも体調管理に十分気を付けてください。